豊田市で相続した家・土地を売るときは、売主と名義を整理し、解体・貸付・親族の入居を始める前に税の条件を確認し、費用と税を差し引いた手取りを比較します。相続登記の準備と査定相談は並行できます。
このページは、相続した不動産の売却準備、豊田市での空き家特例の確認書、家族の費用負担と手取りに絞ったガイドです。市内の相場・駅や生活圏の比較は、豊田市の不動産売却総合ガイドで確認できます。
情報確認日:2026年10月17日。税制は本文記載の時点・条件で説明しています。計算例は仮定で、査定額・成約実績ではありません。
相続人・名義・費用負担を、査定と並行して整理する
- 土地・建物・私道・山林等を登記と課税明細で照合する。未登記建物や別筆の進入路も確認する。
- 遺言、相続人、遺産分割、共有、抵当権、賃貸借の状況を整理する。
- 相続登記の申請、税の申告・特例の期限、売却希望時期を分けて管理する。
- 測量、家財、管理、解体等の費用負担と、代金の分け方を関係者で共有する。
相続登記は、原則として相続による取得を知った日から3年以内の申請義務があります。2024年4月1日より前に取得を知っていた未登記相続は、原則2027年3月31日が期限です。具体的な起算日や遺産分割後の申請は司法書士等へ確認します。登記準備と査定・現地調査は並行できます。
最初の話し合いでは、「売ること」と「価格の最低条件」「測量・家財整理等の立替」「管理を続ける期限」を分けて整理します。遺言・遺産分割の状況に応じて、誰が売主となり、誰が契約・登記を行う権限を持つかを司法書士等と確認します。
解体・貸付・親族の入居は、税の条件を見てから決める
| 始めようとしていること | 先に確認する理由と資料 |
|---|---|
| 一時的に貸す・親族が住む | 相続空き家の特例は、相続後の貸付・居住等に制限があります。利用を始める前に、被相続人の居住記録と相続後の履歴を税理士等へ示します。 |
| 家財を処分して、すぐ解体する | 購入時の契約書、建物・修繕の資料、利用履歴、現況写真を取り分けます。再建築・道路・補助・税の類型を確認してから工事の担当と時期を決めます。 |
| 買主に売却後の解体を任せる | 税の工事期限、売買契約の取り決め、完了を証する資料、確認書の取得に必要な協力を確認します。買主の予定だけを根拠に控除を見込みません。 |
相続した空き家の控除は、上限額より先に対象を確認する
相続空き家の特別控除は、譲渡所得から一定額を差し引く制度です。税金が3,000万円戻る制度ではなく、相続した家なら一律に使える制度でもありません。主な確認点は次のとおりです。
| 確認する項目 | 要件の入口・注意点 |
|---|---|
| 建物と取得関係 | 1981年5月31日以前に建築され、区分所有建物登記がされていないこと等が前提です。家屋と敷地等を誰が相続等で取得したかも確認します。 |
| 被相続人の居住 | 原則として相続開始直前に被相続人が一人で居住していた家屋が対象です。老人ホーム等への入所は例外の要件を別に確認します。 |
| 相続後の使い方 | 相続から譲渡までの居住・貸付・事業利用等を確認します。先に貸してから空き家に戻せばよい、という判断はしません。 |
| 耐震・全部取壊し等 | 売却時の状態と、工事をいつ終える類型かを確認します。売却後に買主が工事を行う場合も、所定の期限と資料が必要です。 |
| 売却代金と相手方 | 原則1億円以下などの要件があり、分割や他の相続人の売却を合算する場合もあります。親族等への売却も個別に確認します。 |
| 控除の上限 | 通常は最高3,000万円。対象家屋・敷地等を相続等で取得した相続人が3人以上の場合は、一人の上限が2,000万円となります。税額は各人の持分と費用で計算します。 |
これは適用可否を決めるための完全な要件一覧ではありません。区分所有マンション、相続前からの貸家などは、この特例を前提に手取りを約束せず、他の制度や取得費の確認を進めます。出典:国税庁・相続した空き家の特別控除。
相続の年による期限と、制度自体の期限を重ねて確認する
以下は他の要件を満たすと仮定した期限の比較です。相続開始から3年を経過する年の年末までという個別期限と、現行制度の対象譲渡の期限(2027年12月31日)の両方を満たす必要があります。
| 相続開始の年 | 現行制度で確認する売却期限 |
|---|---|
| 2023年 | 個別期限は2026年12月31日。制度が2027年末まででも、この期限は延びません。 |
| 2024年 | 個別期限は2027年12月31日。現行制度の期限と重なります。 |
| 2025年 | 個別期限の計算は2028年末ですが、現行制度での対象譲渡は2027年12月31日までです。延長を前提にしません。 |
さらに、売却後の耐震改修・全部取壊しを使う類型は、譲渡の日の属する年の翌年2月15日までの工事完了が必要です。譲渡の日が2026年なら2027年2月15日です。譲渡日の扱いは、契約・引渡し・工事の工程と合わせて税理士等に確認します。相続登記の期限とは別に管理してください。
豊田市の確認書は、売り方に合う様式を選ぶ
豊田市の2026年6月26日更新の案内では、所在地が市内の家屋について、建築相談課(市役所西庁舎4階)が被相続人居住用家屋等確認書の提出先です。郵送も可能です。
| 売却の類型 | 市の様式と準備の方向 |
|---|---|
| 耐震基準に適合した家屋・敷地等を売る | 様式1-1。耐震適合、居住・利用、相続や売買に関する資料を確認します。 |
| 全部取壊し後の土地を売る | 様式1-2。家屋の取壊し日、取壊し前後の利用、売買等の資料を確認します。 |
| 売却後、翌年2月15日までに耐震適合または全部取壊しを行う | 様式1-3。買主の工事と完了資料が関係するため、契約前から協力と工程を整理します。 |
市の掲載では、提出は2部(1部はコピー可)、発行手数料は無料、発行まで約2週間が目安です。申告時期前は混雑も見込み、特例を受ける相続人ごとに確認書の取得・確定申告が必要です。必要な添付資料は類型ごとの市の確認表で照合します。出典:豊田市・確認書の発行と申請様式。
市の確認書は税務上の適用を確約するものではありません。購入時契約書、登記、居住・施設入所、水道・電気の利用、売買・工事の資料を保管し、税務署での申告に備えます。
取得費・所有期間と、相続税の取得費加算を確認する
国税庁は、相続した土地・建物の取得費を、被相続人の購入代金等に基づいて計算し、取得時期も引き継ぐと案内しています。相続した年を取得年として短期譲渡と決めたり、相続税評価額を取得費として使ったりしません。建物には減価償却の調整があります。
相続税が課税された場合は、所定期間内の売却で取得費加算を検討することがあります。同じ資産について空き家特別控除とは併用できないため、相続税申告書と購入資料・売却条件を税理士に示して比較します。
取得費加算の対象期間は、相続開始の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までです。空き家控除の年末期限とは数え方が違います。相続税が課税されている方は、相続税申告書を用意して個別の期限と加算額を計算します。出典:国税庁・相続財産を譲渡した場合の取得費の特例。
同じ売却条件で、控除なし・3,000万円・2,000万円の手取りを比べる
以下は豊田市内の相続実家を想定した仮定の計算です。ある相続人一人の持分に対応する売却代金を3,000万円、税務上の取得費を500万円、実際の売却費用と税務上の譲渡費用をともに200万円とします。ローン残債・ほかの負担なし、2026年の長期譲渡、軽減税率等なしの想定で、成約事例や査定額ではありません。
特例前の譲渡所得は3,000万円-500万円-200万円=2,300万円です。
| 適用条件(仮定) | 税と手取りの概算 |
|---|---|
| 空き家特別控除を適用しない | 課税所得2,300万円/税467万2,450円/手取り2,332万7,550円 |
| 3,000万円控除の全要件を満たす | 課税所得0円/税0円/手取り2,800万円 |
| 対象家屋・敷地等を取得した相続人が3人以上で、2,000万円控除の全要件を満たす | 課税所得300万円/税60万9,450円/手取り2,739万550円 |
税は所得税15%、復興特別所得税(所得税額の2.1%)、住民税5%の合計20.315%で概算し、端数処理等を省略しています。手取りは売却代金から実際の売却費用と税を引いた額です。取得費は過去の購入費なので、現金支出としてもう一度差し引きません。
解体費や測量費を追加する場合は、実際の支出と税務上の譲渡費用になる範囲を確認して再計算します。相続税がある場合の取得費加算との選択や各人の持分は、相続税申告書・購入資料・売却条件を税理士に示して比較してください。
相続実家の場所によって、売却準備の順番を変える
| 相続した財産の例 | 相続売却で先に整理すること |
|---|---|
| 市街地の家・マンション | 土地・建物・私道持分と名義、利用履歴を確認します。マンションは相続空き家控除の対象と決めず、管理・修繕資料と取得費を整理します。 |
| 上郷・高岡方面等の農地や調整区域の家 | 農地・農振・許可履歴、道路・再建築を照合します。家族が希望する価格を先に確約せず、買主が利用できる条件と必要費用を確認します。 |
| 足助・旭・稲武などの家と山林 | 実家を売った後に残る山林・進入路の有無、境界、斜面、管理担当を確認します。家だけを処分して管理がすべて終わると考えないことが大切です。 |
今町3丁目4番26の標準地「豊田-41」は、161㎡、三河豊田駅2.5km、東6m市道の住宅地で、2026年1月1日時点の更地評価の記載価格は140,000円/㎡です。このような個別地点も、相続した別の農地・山林の価格には直接使えません。家族への分配は、市平均を掛けた仮の評価だけで決めず、物件の条件を調べた売却手取りから検討します。出典:国土交通省・豊田-41の鑑定評価書。
家族の話し合いを、価格だけで止めないための確認表
| 合意・確認すること | 具体的に決める内容 |
|---|---|
| 売却の希望と判断時期 | 誰が売却を希望しているか、残す人に具体的な使用予定があるか、いつまでに方針を決めるか。 |
| 費用の負担と立替 | 測量・家財整理・必要修繕・解体を誰が発注し、誰が立て替え、いつ精算するか。追加費用が出たときの相談方法も決めます。 |
| 税と代金の受取り | 誰が売主となるか、持分、各人の取得費と控除、売却代金・費用の配分を専門家と確認します。 |
| 引渡しまでの管理 | 鍵・草木・通水・災害後点検、保険等の担当と予算、緊急対応の連絡先。 |
ヒロセットにご相談いただく際は、遺言・遺産分割の状況、登記・課税明細、購入資料、測量図、建物図面を分かる範囲でお知らせください。確認が必要なことを登記・税・物件調査に分け、売主として引き受ける費用と期限を整理します。
相続売却でよくある質問
相続税がかかっていなければ、売却の税金もゼロですか?
相続税と譲渡所得税は別です。売却の税は取得費・譲渡費用・所有期間・使える特例から確認します。相続税がないことだけで税額ゼロとは判断できません。
相続登記の前でも、査定について相談できますか?
資料の整理や査定相談は並行できます。売買契約と引渡しへ進む前に、売主・契約権限・必要な登記を司法書士等と確認します。
空き家の解体補助も、この控除と同じ条件ですか?
別の制度です。補助の判定・交付決定・契約前手続きと、税の建築・居住・利用・期限の条件を分けて確認します。解体補助や空き家バンク、管理の詳しい条件は、豊田市の空き家・解体・活用ガイドにまとめています。
必要な確認に合わせて、次のページへ進む
豊田市の相続不動産を、売ると決める前から相談する
「不動産の所在地・名義・相続した時期・家族の希望」をお知らせください。どこから手を付けるか分からない段階でも、物件調査と専門家への確認の順番を整理できます。解体や貸付を決める前のご相談にも対応します。
確認に使った公的資料
- 愛知県:2026年地価公示
- 豊田市:都市計画データブック
- 豊田市:被相続人居住用家屋等確認書
- 法務省:相続登記の義務化
- 国税庁:相続した空き家の特別控除
- 国税庁:取得費加算
- 国税庁:相続による取得費・取得時期
- 国税庁:長期譲渡所得の税額
制度・区域・募集状況は変わることがあります。個別物件の適用条件は、申請・契約前に各窓口で最新情報を確認してください。



