名古屋市昭和区に土地や家を所有している方にとって、地価上昇のニュースを見ると気になるのが、「自分の土地も同じくらい値上がりしたのか」という点ではないでしょうか。
2026年9月15日に公表された都道府県地価調査では、昭和区の平均変動率は住宅地が前年比+2.7%、商業地が+4.3%でした。どちらも上昇を続けていますが、前年の住宅地+3.2%、商業地+4.6%と比べると、上昇幅はやや縮小しています。
ただし、これは「昭和区のすべての土地が2.7%または4.3%値上がりした」という意味ではありません。売却価格を考える場合は、地価調査を地域全体の方向性として見たうえで、駅距離、道路、間口、土地形状、用途地域、建築条件などを個別に確認する必要があります。
2026年の昭和区|住宅地+2.7%・商業地+4.3%、上昇幅は前年より縮小
2026年の昭和区は、住宅地・商業地ともに地価上昇が続きました。
一方で、住宅地は前年+3.2%から+2.7%、商業地は+4.6%から+4.3%となり、上昇幅は縮小しています。
| 地域 | 住宅地 | 前年 | 商業地 | 前年 |
|---|---|---|---|---|
| 全国 | +1.0% | +1.0% | +2.9% | +2.8% |
| 名古屋圏 | +1.5% | +1.7% | +2.7% | +2.8% |
| 愛知県 | +1.3% | +1.6% | +2.5% | +2.7% |
| 名古屋市 | +2.7% | +3.0% | +4.0% | +4.1% |
| 名古屋市昭和区 | +2.7% | +3.2% | +4.3% | +4.6% |
全国では全用途平均・住宅地・商業地がいずれも5年連続で上昇しました。一方、国土交通省は東京圏・大阪圏では上昇幅が拡大したのに対し、名古屋圏では上昇幅が縮小したとしています。
愛知県でも住宅地は+1.3%、商業地は+2.5%で、ともに前年より上昇幅が縮小しました。名古屋市では住宅地+2.7%、商業地+4.0%となり、16区すべてで住宅地・商業地が上昇しています。
昭和区だけを見ると、住宅地の+2.7%は名古屋市平均と同じで、商業地の+4.3%は名古屋市平均+4.0%を上回っています。
ここから読み取れるのは、「昭和区では地価上昇が続いているものの、前年より上昇の勢いはやや鈍化した」というところまでです。
個別の土地がいくらで売れるかは、これだけでは判断できません。
昭和区の住宅地平均価格「33万5,300円/㎡」はどう見ればよい?
愛知県が公表した2026年地価調査では、昭和区の住宅地について、6地点の平均価格が1㎡当たり33万5,300円でした。前年調査の32万6,700円/㎡から上昇しています。
ここで特に注意したいのが、「33万5,300円×自分の土地面積」で売却価格を計算しないことです。
この数字は昭和区内すべての土地を調査した平均価格ではなく、地価調査の対象となった住宅地6地点の平均です。
個別の土地では、次の条件を公的地価とあわせて確認します。
- 最寄り駅と実際の徒歩経路
- 前面道路・接道・間口・土地形状
- 高低差・擁壁・造成の必要性
- 用途地域・建ぺい率・容積率・地区計画などの建築条件
- 境界・越境・私道等の権利関係
- 古家・既存建物の状態と解体の要否
- 洪水・内水等のハザード情報
33万5,300円/㎡は昭和区の住宅地6地点の平均であり、所有地の売却単価ではありません。条件の近い地点や成約事例と比較して使います。
地価調査と地価公示は、基準日と調査地点が異なる
地価公示は毎年1月1日時点、都道府県地価調査は7月1日時点の価格を示し、調査地点も同一とは限りません。どちらも土地価格の参考資料ですが、同じ地点・同じ時点の連続データとして単純比較せず、対象地に近い地点の条件と基準日を確認して使います。
昭和区では、駅距離だけでなく道路・高低差・地区計画まで確認する
昭和区は御器所・川名・いりなか・八事・鶴舞など、同じ区内でも土地利用や道路条件が異なります。所有地の価格を考えるときは、駅距離だけでなく前面道路、間口、土地形状、高低差、用途地域、駐車配置などを確認します。
また、山中地区、田代第二地区、御器所地区、鶴舞町地区、広路本町地区など地区計画が定められている区域があります。該当する土地では、用途地域だけで建築可能な建物を判断せず、地区計画その他の規制を重ねて確認します。
洪水・内水などのハザード情報も住所ごとに確認します。地価上昇率や「昭和区」という地域名だけで価格を決めず、実際に買主がどのように利用できる土地かまで確認することが重要です。
想定買主によって、確認される土地条件が変わる
同じ面積でも、道路・間口・用途地域・建築可能規模によって検討できる買主は変わります。代表的な見方を整理すると次のとおりです。
| 想定される買主 | 主に確認するポイント |
|---|---|
| 戸建住宅を建てたい人 | 駅距離、道路、間口、土地形状、高低差、駐車、建築プラン |
| 住宅会社・不動産事業者 | 分割可能性、接道、造成、用途地域、建ぺい率・容積率 |
| 賃貸住宅を検討する事業者 | 建築可能規模、周辺需要、道路、土地形状、事業収支 |
| 店舗・事業用途の買主 | 道路条件、間口、視認性、用途制限、駐車・搬入条件 |
地価が上がっているなら今売るべき?
2026年の地価調査だけを理由に、「今売るべき」と判断することはできません。
地価動向は判断材料の一つですが、所有者ごとの事情も一緒に考える必要があります。
| 状況 | 検討したい方向 |
|---|---|
| 今後利用する予定がなく、管理負担が続いている | 売却を含めて整理 |
| 相続したが家族の利用予定がない | 売却・保有を比較 |
| 将来自宅や家族が使う可能性がある | 保有のメリットも確認 |
| 駐車場や賃貸住宅などの利用可能性がある | 売却価格と活用収支を比較 |
| 古家がある | 解体前に現状販売との比較 |
| 共有名義になっている | 価格より先に共有者との方向性整理 |
特に、「地価が上がっているから売る」「さらに上がるかもしれないから残す」という二択にはしない方がよいでしょう。
今の売却可能価格、保有コスト、将来利用、土地活用の可能性、相続予定などを並べて考える方が、判断材料を整理しやすくなります。
地価ニュースを見た後に、所有地で確認する4項目
- 所在地・名義・面積:登記や固定資産税資料で基本情報を確認する
- 道路・境界・都市計画:接道、間口、形状、高低差、用途地域、地区計画などを確認する
- 条件の近い価格資料:公的地価だけでなく、できるだけ条件の近い成約事例と比較する
- 想定買主と売り方:戸建用地、事業者向け、収益・事業用など、現実的な利用方法を整理する
古家がある場合は、現況売却・古家付き土地・必要に応じた解体を比較し、先に工事を決めないことも重要です。
手元にあれば確認しやすい資料
- 固定資産税・都市計画税の課税明細書
- 登記事項証明書、権利証・登記識別情報
- 公図・地積測量図・境界確認書
- 建物がある場合は建築確認関係書類・図面・修繕履歴
- 相続物件なら相続関係資料と、取得時の売買契約書・領収書
すべてそろっていなくても整理は始められます。特に相続した不動産では、親が取得した当時の契約書や領収書を処分せず保管しておきます。
地価ニュースを見た後は、所有地の現在価格と条件を確認する
2026年の昭和区で地価上昇が続いていても、それだけで「今が売り時」とは判断できません。現在の売却可能価格、道路・間口・高低差・建築条件、建物の状態、保有コスト、将来利用を並べて、売却・保有・活用を比較します。
相続した家や土地の場合は、昭和区で相続した家・土地を売る前の確認ポイントもあわせて確認してください。売るか決めていない段階でも、相続・不動産の相談をするから状況整理について相談できます。
よくある質問
Q1.2026年の名古屋市昭和区の住宅地は何%上昇しましたか?
住宅地の平均変動率は前年比+2.7%です。前年の+3.2%より上昇幅は縮小しました。なお、この2.7%は昭和区の平均変動率であり、個別の土地が一律に2.7%値上がりしたことを意味するものではありません。
Q2.昭和区の商業地はどのくらい上昇しましたか?
2026年調査では商業地の平均変動率は+4.3%でした。名古屋市全体の商業地平均+4.0%を上回っていますが、土地ごとの価格は道路条件、用途、間口などを個別に確認する必要があります。
Q3.昭和区の住宅地平均33万5,300円/㎡で自分の土地価格を計算できますか?
そのまま計算するのは適切ではありません。33万5,300円/㎡は地価調査の住宅地6地点の平均価格です。個別不動産では駅距離、接道、形状、高低差、用途地域などを加味して判断する必要があります。
Q4.地価公示と都道府県地価調査は同じものですか?
別の制度です。地価公示は毎年1月1日時点、都道府県地価調査は7月1日時点の土地価格を調査します。調査地点も異なるため、それぞれの基準日と地点を確認して利用してください。
Q5.地価が上昇している今のうちに売却した方がよいですか?
地価上昇だけでは判断できません。現在の売却可能価格、利用予定、管理負担、建物状態、相続予定、土地活用の可能性などを比較する必要があります。まず条件を整理してから判断するとよいでしょう。
関連記事
名古屋市の不動産売却相談|土地・戸建・空き家・相続・収益物件の整理窓口
名古屋市昭和区で相続した家や土地を売る前に知っておきたいこと
愛知県の不動産売却相談|土地・戸建・空き家・相続不動産の地域別相談窓口
参考情報
本記事の地価データは、2026年9月15日に公表された国土交通省・愛知県の令和8年都道府県地価調査をもとに整理しています。



