2026年9月15日夜、名古屋市緑区の名鉄・中京競馬場前駅付近で強い雨が降り、駅入口付近が水浸しとなりました。報道では、道路を雨水が勢いよく流れる状況も確認されています。名古屋市では16日未明に大雨警報が出され、約3時間後に解除されたと報じられています。

こうしたニュースを見ると、緑区に土地や家を持つ方の中には、

「近くで浸水したら、自分の家も売れなくなるのでは?」

「災害が起きた直後は売却しない方がよい?」

「ハザードマップに色が付いていたら値下げしないと売れない?」

と心配になる方もいるでしょう。

結論からいうと、近隣で大雨や道路冠水が起きたからといって、その地域の不動産が一律に売れなくなるわけではありません。

大切なのは、ニュース映像だけで判断せず、「実際に自分の土地・建物に被害があったのか」「洪水と内水氾濫のどちらを確認すべきか」「敷地と道路の高さはどうか」まで分けて調べることです。

この記事で分かること

  • 中京競馬場前駅付近で2026年9月15日夜に起きた状況
  • 大雨があった地域の不動産が必ず売れなくなるわけではない理由
  • 災害後に不動産を売却する前に確認したい5つのポイント
  • ハザードマップと実際の浸水被害を分けて考える方法
  • 買主が水害リスクのある不動産を見るポイント
  • 災害直後に売る場合と、状況を整理してから売る場合の違い

先に結論|「近くで水浸しになった=売れない」ではない

今回のように駅や道路で水があふれるニュースが出ると、「周辺一帯が水害に弱い地域なのでは」と考えたくなります。

しかし、不動産の判断では次の3つを分ける必要があります。

1.周辺の道路や駅が一時的に冠水したこと

2.対象物件の敷地や建物が実際に浸水したこと

3.ハザードマップ上で浸水が想定されていること

この3つは同じ意味ではありません。

中京競馬場前駅は名古屋市緑区大将ケ根二丁目にあります。名鉄公式情報でも所在地は「名古屋市緑区大将ケ根二丁目1272番地」とされています。

一方、今回の報道だけでは、駅周辺の各住宅・土地について実際に浸水被害が発生したかまでは確認できません。

したがって、

「ニュースになったから売れない」

「駅が水浸しになったから近くの土地価格が下がる」

とまで判断することはできません。

むしろ売却を考える所有者が先にすべきなのは、自分の物件の状況を事実ベースで整理することです。

大雨後に不動産を売却する前に確認したい5つのこと

1.自分の土地・建物に実際の浸水被害があったか

最優先で確認したいのは、ハザードマップよりも今回の実際の被害です。

例えば、

  • 建物内に水が入った
  • 床下まで水が入った
  • 駐車場が冠水した
  • 敷地内に大量の水が流れ込んだ
  • 擁壁や外構に被害が出た
  • 給湯器や電気設備が水につかった
  • 雨漏りや漏水が発生した

といった事実があるか確認します。

被害があった場合は、修繕する前に写真を残しておくことも有効です。

いつ、どこまで水が来たのか、どの部分を修理したのかが分かる資料があれば、後から買主へ説明するときにも事実関係を整理しやすくなります。

2.「洪水」と「内水氾濫」を分けて確認する

「水害」というと川があふれる洪水を想像しがちですが、市街地では内水氾濫にも注意が必要です。

内水氾濫とは、大雨によって下水道や排水施設で雨水を処理しきれなくなり、道路や低い場所などに水がたまる現象です。

名古屋市は緑区について、洪水だけでなく「内水氾濫ハザードマップ」も公開しています。さらに、水防法に基づく「雨水出水浸水想定区域」も公表しています。

今回の中京競馬場前駅付近の映像では、道路を雨水が勢いよく下っている様子が報じられています。

ただし、この映像だけから原因を「内水氾濫だった」と断定することはできません。

対象物件を調べるときは、

洪水ハザード
内水氾濫ハザード
実際の浸水履歴

を別々に確認することが大切です。

3.敷地と道路の高さを見る

同じ町内、場合によっては同じ道路沿いでも、水の影響は異なります。

例えば、買主が確認したいのは、

  • 道路より敷地が高いか低いか
  • 道路から玄関までどれくらい高さがあるか
  • 駐車場が道路より低くなっていないか
  • 周辺から雨水が集まりやすい形状ではないか
  • 土地に高低差があるか
  • 擁壁や地下部分があるか

といった条件です。

特に今回のように「道路を水が流れる」状況では、単に駅から何メートル離れているかより、物件周辺の細かな高低差や排水方向が重要になる場合があります。

不動産を売却するときも、「緑区だから」「中京競馬場前駅周辺だから」とエリアだけで評価するのではなく、土地ごとに確認する必要があります。

4.過去の浸水実績も確認する

ハザードマップは将来の想定を示す資料ですが、過去に実際にどこで浸水したかを確認する方法もあります。

名古屋市は、東海豪雨をはじめ、過去の豪雨時の浸水区域をまとめた「浸水実績図」を公開しています。

ただし、市も「すべての浸水箇所を反映したものではない」「短時間の浸水等は含まれていない」と注意しています。

したがって、

「浸水実績図に載っていないから安全」

とも言い切れません。

ハザードマップ、過去の浸水実績、今回の状況、現地の高低差を組み合わせて考えるのが現実的です。

5.被害・修繕・保険の資料を残す

実際に建物が被災した場合は、売却を考える前に記録を整理しておきましょう。

例えば、

  • 被害時の写真
  • 修理前後の写真
  • 修理見積書
  • 修理請求書
  • 工事内容が分かる資料
  • 保険会社とのやり取り
  • 保険金支払いに関する資料

などです。

「水害があった事実を隠した方が売りやすい」という考え方は避けるべきです。

把握している浸水被害や修繕状況については、まず売却を依頼する不動産会社へ正確に伝え、買主への告知・説明範囲を個別に確認することが重要です。

災害直後は不動産が売りにくくなる?

必ず売りにくくなるとは言えません。

ただし、大雨がニュースになった直後は、購入検討者が水害リスクを普段より詳しく確認する可能性があります。

例えば、

「この家は今回浸水しましたか?」

「道路はどこまで水が来ましたか?」

「ハザードマップでは何メートルですか?」

「過去にも冠水していますか?」

といった質問が増えることは考えられます。

このとき売主側が何も把握していないと、買主は判断しにくくなります。

反対に、

「建物への浸水は確認されていない」

「敷地・道路の状況はこのようになっている」

「ハザードマップ上ではこの位置にある」

など、確認できた事実を整理して説明できれば、買主も判断しやすくなります。

つまり、災害そのもの以上に「状況が分からないこと」が売却の障害になる場合があるということです。

災害直後に売るか、状況整理後に売るか

判断向いている状況メリット注意点
早めに売却を進める被害状況が確認でき、売却理由が明確管理負担を早く整理できる被害・修繕内容を整理してから販売した方がよい
調査後に売却する浸水状況や修繕範囲が分からない買主への説明材料を準備できる調査や修繕に時間がかかることがある
当面保有する今後利用予定がある、売却を急いでいない売却を急いで判断する必要がない管理・修繕・保険・固定資産税等の負担は続く

災害が起きたからといって、慌てて価格を下げて売る必要があるとは限りません。

一方、実際に被害を受けているのに「しばらく待てば忘れられるだろう」と考えて情報整理をしないのも適切ではありません。

まず被害・土地条件・ハザード情報を確認し、そのうえで売却時期を判断する方が合理的です。

買主は水害リスクのある土地・住宅のどこを見る?

買主はハザードマップの色だけを見ているとは限りません。

実際には、

敷地が道路より高いか

想定浸水深が同じでも、道路と敷地の高低差によって水の入り方は異なる可能性があります。

玄関や床の高さ

道路が一時的に冠水しても、建物内部まで浸水するとは限りません。

駐車場の高さ

住宅本体に被害がなくても、駐車場や地下部分へ水が入りやすい物件では確認が必要です。

過去の浸水履歴

実際に過去の豪雨でどの程度の被害があったのかは、購入判断に影響する可能性があります。

修繕・対策の内容

浸水後に適切な修繕が行われているかどうかも重要です。

水害以外の不動産条件

水害リスクだけで土地の価値が決まるわけではありません。

駅への距離、前面道路、土地面積、間口、土地形状、建築しやすさ、駐車台数、周辺環境なども買主は総合的に判断します。

名古屋市緑区で特に確認したい「内水」の考え方

名古屋市は緑区について、洪水ハザードマップとは別に内水氾濫ハザードマップを公開しています。

市が説明する「雨水出水浸水想定区域」は、想定最大規模の降雨によって排水施設で雨水を排除できなくなった場合などに、浸水が想定される区域や深さ等を示したものです。

ここで重要なのは、

「近くに大きな川がないから水害は関係ない」

とは限らない点です。

大雨時には、

道路の勾配
土地の高低差
雨水が集まる方向
側溝や排水施設
敷地入口の高さ

なども確認材料になります。

中京競馬場前駅周辺の不動産についても、「駅周辺だから危険」「駅から離れているから安全」と一括りにはできません。

住所や地番単位で確認する必要があります。

水害ハザードマップは不動産売買でも説明対象になる

国土交通省によると、2020年8月28日から、不動産取引時の重要事項説明において、水防法に基づく水害ハザードマップを用いて対象物件のおおむねの位置を説明することが義務化されています。

対象は洪水・雨水出水・高潮です。

また、国土交通省は、ハザードマップ上で浸水想定区域に入っていないことだけをもって「水害リスクがない」と買主が誤認しないよう配慮することも示しています。

つまり売却する側も、

「ハザードマップに色があるから売れない」

「色がないから説明することは何もない」

という二択で考えないことが大切です。

さらに、実際に過去の浸水被害などを把握している場合は、その情報を仲介会社へ伝え、具体的な説明方法を確認する必要があります。個別の告知範囲については物件の状況によって判断が異なります。

売却について相談する前に準備しておきたい資料

水害が気になる不動産では、次の資料があると状況整理がしやすくなります。

  • 固定資産税納税通知書
  • 登記事項証明書
  • 公図・測量図
  • 建物図面・間取り図
  • 購入時の売買契約書
  • 建築確認関係書類
  • 過去の浸水時の写真
  • 修繕工事の見積書・請求書
  • 火災保険・水災補償関係資料
  • 過去のリフォーム・修繕履歴

すべて揃っていなくても相談は可能です。

まず住所と分かっている範囲の状況から、何を調べる必要があるか整理するとよいでしょう。

ヒロセット不動産への相談について

大雨のニュースを見て、

「この土地は今後売れるのだろうか」

「今回、自宅周辺の道路が冠水した」

「ハザードマップに入っているかだけ確認したい」

「売る予定はまだないが、将来困らないよう整理しておきたい」

という段階でも、不動産の状況を確認しておく意味はあります。

ヒロセット不動産では、売却価格だけでなく、

土地と道路の高低差
接道・土地形状
建物状態
ハザード情報
過去の被害状況
想定する買主

などを整理しながら、売却・保有・活用を比較していきます。

災害が起きた直後だから売る、逆に災害があったから売らない、と先に決める必要はありません。

売却すると決める前に「自分の不動産について何が事実なのか」を確認することから始めると判断しやすくなります。

まとめ|災害が起きたときほど「売れる・売れない」より先に事実を整理する

中京競馬場前駅付近では2026年9月15日夜、強い雨によって駅入口付近が水浸しとなりました。

しかし、そのニュースだけを理由に「緑区の不動産は売れなくなる」と判断することはできません。

不動産売却で重要なのは、

実際に対象物件が浸水したか
ハザードマップ上ではどうなっているか
過去の浸水履歴があるか
道路と敷地の高さはどうか
建物の被害・修繕状況はどうか

を一つずつ確認することです。

災害後に慌てて値下げや売却を決めるより、まず現状を整理しておく方が、売却・保有のどちらを選ぶ場合でも判断しやすくなります。

まだ売却を決めていない段階でも構いません。

名古屋市緑区をはじめ、名古屋市・愛知県内で水害リスクが気になる土地・戸建て・空き家・相続不動産を所有している場合は、物件ごとの条件を確認するところから検討してみてください。

よくある質問

Q1.近所の道路が冠水したら、自宅も「浸水した物件」になりますか?

いいえ。近隣道路の冠水と、対象となる敷地・建物への実際の浸水は別の事実です。道路が冠水した場合でも建物に水が入っていないケースがあります。売却時には、どこまで水が来たのかを具体的に整理することが大切です。

Q2.ハザードマップに色が付いていたら不動産は売れませんか?

色が付いているだけで売れないとは限りません。想定浸水深、実際の浸水履歴、敷地の高さ、建物構造、駅距離、道路条件、周辺需要などを総合的に判断します。一律に値下げが必要とも限りません。

Q3.今回の中京競馬場前駅付近の水浸しで、周辺の不動産価格は下がりますか?

現時点で、そのように断定できる根拠は確認できません。今回の大雨だけを理由として周辺の不動産価格が一律に下落すると判断することはできません。実際の成約価格への影響は今後の取引状況を確認する必要があります。

Q4.過去に家が浸水した場合は買主へ伝えた方がよいですか?

把握している浸水被害や修繕履歴は、まず売却を依頼する不動産会社へ正確に伝えてください。買主への具体的な告知・説明範囲は、被害の内容や物件の状況によって個別確認が必要です。

Q5.大雨の直後は売却しない方がよいですか?

一概には言えません。被害の有無や修繕状況が明確であれば売却を進めることもできます。一方、状況が分からないまま販売を開始すると買主へ十分な説明ができないため、まず調査や資料整理を行う方がよい場合があります。

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参考情報

名古屋市「緑区ハザードマップ」
緑区ハザードマップを見る

名古屋市「浸水実績図」
名古屋市浸水実績図を見る

国土交通省「宅地建物取引業法施行規則の改正について」
水害ハザードマップの重要事項説明について確認する