公開日:2026年9月20日

岡崎市本宿台3丁目の土地225㎡は、2026年10月13日から20日までインターネット公売が実施されました。KSI官公庁オークションの結果では、この物件には入札がありませんでした。

今回の見積価額(最低入札価額)は702万円、公売保証金は71万円です。ただし、この土地を見るうえで重要なのは価格だけではありません。

登記地目は「畑」で、入札には買受適格証明が必要です。また、前面道路との約2.5mの高低差、傾斜、上水道の敷地内引込みがないとされている点など、住宅用地として検討する場合に確認したい条件があります。

この記事では、公売の日程だけでなく、「702万円なら安いのか」「住宅を建てられるのか」「入札前に何を調べるべきか」という点まで、不動産実務の視点から整理します。

この記事で分かること

  • 本宿台3丁目で公売された土地の概要と入札結果
  • 参加申込み・入札・代金納付までの日程
  • 702万円という見積価額を見るときの注意点
  • 地目「畑」と買受適格証明の関係
  • 高低差・傾斜・上下水道など購入前に確認したい土地条件
  • 本宿駅周辺のまちづくりと、この土地を分けて考える必要性

先に結論|702万円だけを見て入札を判断しないことが大切です

今回の土地は225㎡、約68.1坪あります。

見積価額702万円を面積で単純に割ると、約3.12万円/㎡、約10.3万円/坪です。

ただし、これは周辺土地の「相場が坪10.3万円」という意味ではありません。また、公売の見積価額と一般の不動産市場で成立する売買価格も同じものではありません。

今回の土地には、

  • 登記地目が畑
  • 買受適格証明が必要
  • 北西側の約6m市道に接道
  • 道路との高低差が約2.5m
  • 北西向きの下り傾斜
  • 敷地内の上水道引込みなし
  • 下水道あり
  • 都市ガス不明
  • 土壌汚染調査なし
  • 境界確定は買受人側で対応

という条件があります。

「土地代がいくらか」だけではなく、取得した後、希望する用途に使うまでに何が必要なのかを確認してから判断する土地です。

岡崎市本宿台3丁目の公売土地の概要

岡崎市とKSI官公庁オークションが公表している2026年9月20日時点の情報を整理すると、次のとおりです。

項目内容
所在岡崎市本宿台三丁目
地番2番14
地目畑
地積225㎡(約68.1坪)
見積価額7,020,000円
公売保証金710,000円
都市計画市街化区域
用途地域第一種住居地域
建ぺい率60%
容積率200%
高度地区第一種高度地区・最高高さ18m
最寄駅名鉄名古屋本線「本宿駅」から約900m
接道北西側・幅員約6mの舗装市道
高低差道路との高低差約2.5m
地勢北西向きに下り傾斜
上水道敷地内引込みなし
下水道敷地内引込みあり
都市ガス不明

上下水道等は岡崎市資料でも「台帳上」とされているため、実際の利用可否や接続方法、負担金・工事費等については個別確認が必要です。

2026年10月の公売は終了|入札はありませんでした

今回の公売は、KSI官公庁オークションを利用した期間入札です。

主な日程は次のとおりです。

手続き日程
参加申込期間2026年9月18日13時~10月6日23時
公売保証金提供期間2026年9月18日13時~10月8日16時
入札期間2026年10月13日13時~10月20日13時
最高価申込者決定2026年10月20日14時
売却決定2026年11月10日10時
買受代金納付期限2026年11月10日14時30分

入札期間は2026年10月20日13時で終了しました。KSI官公庁オークションでは「この物件には入札がありませんでした」と表示され、落札価額・落札者はいずれもありません。したがって、今回の公売では売却には至っていません。

「公売」は岡崎市が所有する土地を売る制度ではありません

ここは誤解しやすいところです。

今回の土地は、岡崎市が所有する市有地を一般に売却する「公有財産売却」ではありません。

岡崎市のインターネット公売は、市税の滞納などによって差し押さえた財産を公売する手続きです。岡崎市の公売ガイドラインでも、公売財産は岡崎市の所有物ではないことが明記されています。

一般の土地売買とは、売主との交渉や契約条件、不具合への対応などの考え方が異なります。

そのため「市役所が売っている土地だから安心」と考えるのではなく、買受人自身で調査することが前提になります。

今回もっとも注意したいのは「地目が畑」であること

公売資料上、この土地の登記地目は「畑」です。

しかも岡崎市は、今回の入札参加希望者に対して、岡崎市農業委員会が発行する買受適格証明の取得を必須としています。

申請期限は2026年9月30日で、証明書を入札開始日の2開庁日以上前までに岡崎市納税課へ提示する必要があります。

つまり、10月13日の入札開始を見てから参加しようとしても間に合いません。

市街化区域だから農地の確認が不要、ではありません

今回の土地は市街化区域内です。

岡崎市では、市街化区域内の農地を所有者以外の人が取得・賃借し、住宅や駐車場などへ転用する場合について、農地法第5条に基づく農地転用届出の手続きを案内しています。

ただし、今回の公売には買受適格証明など固有の手続きがあります。

「市街化区域だから、そのまま宅地として自由に使える」と考えるのではなく、実際に予定する利用方法を岡崎市農業委員会へ伝え、必要な手続きを確認するのが安全です。

「宅地転用可」と「すぐ住宅を建てられる」は同じではありません

KSI官公庁オークションでは、この物件について「地目:畑 宅地転用可」と案内されています。

ただし、これは「702万円で取得すれば、そのまま住宅建築を始められる」という意味ではありません。

住宅用地として検討する場合は、少なくとも次の点を確認したいところです。

1.道路との約2.5mの高低差

公売資料では、北西側道路との間に約2.5mの高低差があるとされています。

土地面積が約68坪あっても、高低差がある土地では、

  • 車庫をどこにつくるか
  • 建物をどの高さに配置するか
  • 擁壁等が必要になるか
  • 土工事がどの程度必要か
  • 有効に利用できる面積がどれだけあるか

によって建築計画が変わります。

平坦な68坪の土地と、約2.5mの高低差がある68坪の土地を、坪単価だけで比較するのは適切ではありません。

2.土地自体が傾斜している

岡崎市の資料では「北西向きに下り傾斜」とされています。

建物配置や駐車スペースを検討するには、現況測量や高低測量を行い、建築会社・設計者等に具体的な配置計画を確認してもらう必要があります。

造成費まで含めて考えなければ、「土地を安く取得できたが、建築前の工事費が想定以上だった」ということも考えられます。

3.上水道の敷地内引込みが「なし」

資料では、上水道は「なし」、下水道は「あり」とされています。

ただし、これは敷地内への引込みの有無を基準とした台帳上の情報です。

住宅建築を考える場合は、

  • 前面道路に水道本管があるか
  • 新規引込みが可能か
  • 引込管の距離
  • 工事費
  • 加入・負担関係
  • 下水道接続位置

などを確認しておきたいところです。

境界や土壌まで岡崎市が保証するわけではありません

公売では、一般の不動産売買以上に「自分で調べる」という意識が必要です。

岡崎市は今回の土地について、

  • 現況と公表内容が異なる場合は現況優先
  • 土壌汚染調査は実施していない
  • その他の公法上の規制は入札者が確認
  • 隣地との境界確定は買受人と隣地所有者で行う
  • 財産の種類・品質の不適合について執行機関は担保責任を負わない

と案内しています。

一般的な中古不動産を購入する感覚だけで入札するのではなく、登記・公図・境界・現況・道路・インフラ・建築条件をまとめて確認した方がよい土地です。

見積価額は前回資料の826万円から702万円へ見直されています

同じ岡崎市本宿台三丁目2番14・225㎡について、以前の岡崎市公売資料では見積価額826万円、公売保証金83万円とされていました。

現在の公売では見積価額702万円、公売保証金71万円となっており、KSIも「見積価額を見直しました」と案内しています。

差額は124万円で、単純計算では約15%の見直しです。

ただし、ここから「相場より15%安い」「割安になった」と判断することはできません。

公売の見積価額と通常の不動産市場価格は同じ概念ではなく、さらに今回の土地では、

  • 農地法上の手続き
  • 高低差
  • 傾斜
  • 上水道引込み
  • 造成
  • 境界
  • 登記費用等

まで含めた取得後の総費用を考える必要があります。

入札価格を決めるなら「土地代+取得後費用」で考える

今回の土地を住宅用地として検討するなら、入札額だけで予算を決めないことが重要です。

例えば、事前に確認したい費用としては、

  • 公売の買受代金
  • 登録免許税等の権利移転費用
  • 測量・境界確認費用
  • 草木の伐採・処分費
  • 上水道引込工事費
  • 造成・土工事
  • 必要に応じた擁壁等の工事
  • 建築設計上追加となる費用
  • 農地転用関係の手続き

などがあります。

どの費用が実際に必要になるかは現地調査や計画内容によって変わります。

そのため、自分の「入札上限額」を決めるなら、

購入後に住宅用地として使える状態まで整える総予算から逆算する

という考え方が現実的です。

買主目線では「68坪」より建物と駐車場をどう配置できるかを見る

土地所有者から見ると「225㎡、約68坪」という面積に目が向きます。

しかし住宅を建てる買主や建築会社は、その68坪を実際にどう使えるかを見ます。

今回なら、

  • 道路から敷地へ車をどう入れるか
  • 約2.5mの高低差をどう処理するか
  • 駐車スペースを確保できるか
  • 建物を置ける平坦部分をどの程度確保できるか
  • 給排水をどう接続するか
  • 造成費を含めても予算に収まるか

まで検討します。

この考え方は、公売物件だけでなく岡崎市で傾斜地や高低差のある土地を売却するときにも同じです。

「周辺の坪単価×面積」だけでは、実際の土地価値を整理できない理由がここにあります。

本宿駅周辺ではまちづくりが進んでいるが、この土地の価格とは分けて考える

今回の土地は、名鉄名古屋本線「本宿駅」から約900mとされています。

本宿駅周辺については、岡崎市が2026年3月に都市計画マスタープランを改定し、拠点の位置付けを「地域拠点」から「準都市拠点」へ変更しました。

また、本宿駅西側では岡崎本宿駅西土地区画整理事業が進められており、2025年11月には三井アウトレットパーク岡崎も開業しています。

本宿周辺が変化していること自体は確認できます。

一方で、

「駅周辺で開発があるから、この公売地も値上がりする」

「アウトレットができたから702万円なら安い」

と結論づけることはできません。

また、今回の公売地が岡崎本宿駅西土地区画整理事業の施行区域に含まれることは、2026年9月20日時点の公売資料では確認できません。

不動産は同じ本宿エリアでも、道路、高低差、土地形状、用途地域、インフラなどで条件が大きく変わります。

入札を検討する人が現地確認前に整理したいチェックリスト

今回の土地なら、少なくとも次の順番で確認すると整理しやすくなります。

  • 岡崎市・KSIで最新の公売状況を確認する
  • 9月30日までに必要な買受適格証明を確認する
  • 登記事項証明書・公図等を確認する
  • 現地で道路との約2.5mの高低差を見る
  • 土地の傾斜と有効利用できる範囲を確認する
  • 境界標や隣地との状況を確認する
  • 上水道引込み方法と費用を調べる
  • 住宅を想定するなら建築会社等に配置計画を作ってもらう
  • 造成・給排水・測量などを含めた概算費用を確認する
  • その総額から入札上限額を考える

現地を見る場合も、公売財産の所有者や周辺住民の権利を侵害しないよう注意が必要です。岡崎市も、公売不動産について内覧会等は行わず、現地確認は参加者自身が適切に行うよう案内しています。

土地所有者にとっても「高低差・農地・インフラ」は価格を考える材料になる

今回の公売情報は、入札を考える人だけでなく、本宿・岡崎市東部で土地を所有している人にも参考になります。

例えば、

「自分の土地は駅から近いからいくら」

だけでは土地の価値は整理できません。

買主側から見ると、

  • 前面道路
  • 道路との高低差
  • 土地形状
  • 傾斜
  • 農地か宅地か
  • 上下水道
  • 境界
  • 建築プラン
  • 造成に必要な費用

までが購入判断につながります。

土地をまだ売却する予定がなくても、これらを一度整理しておけば、「売る・残す・活用する」を比較するときの材料になります。

ヒロセット不動産への相談について

土地は、売却価格だけを調べても判断できないことがあります。

特に、

「高低差のある土地を持っている」

「登記地目が農地になっている」

「本宿周辺の土地を将来どうするか迷っている」

「売るか残すか決めていない」

という場合は、まず土地条件を整理するところから考えることができます。

ヒロセット不動産では、岡崎市の土地について、売却を決める前の段階から、道路・土地形状・権利関係・利用方法などを確認しながら選択肢を整理しています。

資料が全部そろっていなくてもご相談いただけます。

まとめ|本宿台3丁目の公売は「702万円」より土地条件の確認が重要

岡崎市本宿台3丁目の225㎡の土地について、2026年10月13日から20日までインターネット公売が実施されましたが、KSI官公庁オークションの結果では入札はありませんでした。

見積価額は702万円ですが、判断するうえで特に確認したいのは、

地目が畑であること、高低差約2.5m、傾斜、上水道引込み、境界、造成費

です。

本宿駅周辺ではまちづくりも進んでいますが、それだけで個別の土地価格や将来価値を判断することはできません。

今回の公売では入札がありませんでした。今後、再公売など新たな手続きが行われる場合は、岡崎市とKSI官公庁オークションの最新情報を確認し、希望する利用方法が実現できるか、取得後に必要な費用まで確認することが重要です。

土地を所有している方についても、「売る」と決める前に道路・高低差・境界・土地利用条件を整理しておくことで、将来の判断がしやすくなります。

よくある質問

Q.今回の公売結果はどうなりましたか?

KSI官公庁オークションでは、2026年10月20日に入札期間が終了し、「この物件には入札がありませんでした」と表示されています。落札価額・落札者はいずれもありません。

Q.見積価額702万円で必ず購入できますか?

いいえ。702万円は見積価額(最低入札価額)であり、実際の買受価格は入札結果によって決まります。入札には事前の参加申込み、公売保証金、今回の土地では買受適格証明などの手続きも必要です。

Q.地目が畑でも住宅を建てられますか?

市街化区域内の農地については農地転用の制度がありますが、今回の土地では買受適格証明が必要です。さらに道路、高低差、造成、上下水道、建築関係法令などを確認する必要があり、農地転用だけで建築可否が決まるわけではありません。

Q.公売なら一般の土地より安く買えるのでしょうか?

必ずしもそうとは限りません。見積価額と一般市場の売買価格は単純比較できません。公売では境界、造成、インフラ、現況確認などを買受人自身で行う必要があるため、取得後の費用まで含めて比較する必要があります。

Q.前回より見積価額が下がっているのはなぜですか?

今回のKSI掲載では「見積価額を見直しました」とされていますが、具体的な評価過程までは今回確認した公開情報だけでは分かりません。前回公表資料826万円に対し今回は702万円ですが、「124万円分割安になった」と単純に判断しない方がよいでしょう。

Q.公売に参加しなくても、本宿周辺の土地について相談できますか?

可能です。公売物件とは別に、本宿・岡崎市内で土地を所有している方も、道路、高低差、境界、農地、土地利用、売却・保有・活用などを整理するところから相談できます。

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参考情報

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