瑞穂区の2020~2025年の人口は、区全体ではほぼ横ばいでも、学区ごとに増減が分かれます。市の資料では11学区すべてで世帯数が増えていますが、2025年10月に算出方法の一部が変わっているため、増加分をそのまま住宅需要の伸びとは読めません。

土地・家の売却判断では、人口統計を地域の変化を知る資料として使い、価格や売却期間は道路・土地規模・建物状態・確認できる取引事例で判断します。以下では、統計上の変化と個別査定で確認する条件を分けて整理します。

この記事では、名古屋市「令和7年度版 瑞穂区の世帯数と人口」をもとに、瑞穂区11学区の人口・世帯数の変化と、土地・住宅需要を考えるときの見方を整理します。

結論|人口は5学区で増加、6学区で減少。しかし世帯数は11学区すべて増加

2025年10月1日時点の瑞穂区人口は108,607人です。2020年10月1日の108,332人から5年間で275人、0.3%増えており、区全体としてはほぼ横ばいです。

ところが学区別では、御剱・高田・堀田・中根・汐路の5学区で人口が増え、穂波・井戸田・瑞穂・豊岡・弥富・陽明の6学区で減少しています。

一方、世帯数は瑞穂区全体で5年間に2,110世帯増加し、11学区すべてで増えています。つまり瑞穂区の住宅需要を考える場合、単純な人口増減だけでは実態を読み切れません。

学区2025年人口2020年からの人口増減人口増減率世帯数増減率
御剱7,025人+183人+2.7%+6.4%
高田6,836人+181人+2.7%+7.9%
堀田6,646人+65人+1.0%+6.8%
穂波8,898人▲249人▲2.7%+1.7%
井戸田7,368人▲33人▲0.4%+2.5%
瑞穂10,588人▲4人ほぼ横ばい+2.3%
豊岡8,635人▲192人▲2.2%+1.6%
弥富12,735人▲31人▲0.2%+4.3%
中根10,923人+28人+0.3%+4.8%
陽明13,491人▲148人▲1.1%+2.0%
汐路15,462人+475人+3.2%+6.1%

出典:名古屋市「令和7年度版 瑞穂区の世帯数と人口(PDF)」18~19ページ。2020年10月1日と2025年10月1日の値から増減・増減率を計算し、率は小数第1位に丸めています。2025年の値は同資料掲載の推計値で、2025年国勢調査の確定値ではありません。同資料は、世帯数の算出方法を2025年10月1日現在から一部変更したと明記しています。

なお、2025年4月1日から八勝通3丁目の一部について、弥富小学校から陽明小学校へ通学区域が変更されています。弥富・陽明の長期的な数字を見る場合は、学区境界の変更も念頭に置く必要があります。

人口と世帯数はセットで見る。ただし需要を直接示す数字ではない

瑞穂区では2020年から2025年の5年間で人口が0.3%増にとどまる一方、世帯数は4.1%増えています。学区別でも、人口が減少した学区を含め11学区すべてで世帯数が増えています。

この差は、世帯規模や住宅の使われ方を調べる手掛かりになります。ただし、世帯数の算出方法変更もあるため、増減率のすべてを実際の世帯増減として説明することはできません。ただし、世帯数が増えたから戸建需要が強い、人口が減ったから土地が売りにくい、と直接結び付けることはできません。個別の売却では、住宅形態、用途地域、道路、駅距離、土地規模、直近の成約事例などを別に確認する必要があります。

学区別の数字で確認できる主な変化

  • 汐路:人口+3.2%、世帯数+6.1%で、今回比較した11学区では人口増加数が最大
  • 御剱・高田:人口はいずれも+2.7%、世帯数は御剱+6.4%、高田+7.9%
  • 堀田:人口+1.0%、世帯数+6.8%
  • 穂波:人口▲2.7%で減少率が最大だが、世帯数は+1.7%
  • 弥富・陽明:人口はそれぞれ▲0.2%、▲1.1%だが、世帯数は増加

これらは地域全体の統計であり、個別物件の価格や売却期間を示すものではありません。なお、2025年4月1日から八勝通3丁目の一部で通学区域が弥富小学校から陽明小学校へ変更されているため、長期比較では学区境界の変更にも注意が必要です。

11学区の人口統計は「売れやすさランキング」ではなく、追加調査の手掛かりとして見る

人口・世帯数の増減から確認できるのは、学区全体の変化です。個別の土地や家の価格、売却期間、買主需要を直接示すものではありません。

学区2020→2025年の人口世帯数増減率売却時に追加確認したい点
御剱+2.7%+6.4%道路幅員、接道、土地形状、用途地域
高田+2.7%+7.9%駅距離、住宅形態、周辺の成約事例
堀田+1.0%+6.8%用途地域、幹線道路との関係、事業利用の可否
穂波▲2.7%+1.7%住宅・工業等の土地利用、道路、用途地域
井戸田▲0.4%+2.5%駅距離、道路、間口、土地形状
瑞穂ほぼ横ばい+2.3%既存建物の状態、道路、土地としての利用可能性
豊岡▲2.2%+1.6%駅距離、土地規模、古家の扱い、成約事例
弥富▲0.2%+4.3%用途地域、風致・高度等の規制、道路、土地規模
中根+0.3%+4.8%道路、間口、形状、周辺の住宅地成約事例
陽明▲1.1%+2.0%土地規模、高低差・擁壁、建築規制、成約事例
汐路+3.2%+6.1%駅距離、道路、土地規模、用途地域、物件種別

人口が増えた学区だから高く売れる、人口が減った学区だから売りにくい、とは判断できません。個別査定では、人口統計に加えて、駅距離、道路、間口、面積、形状、高低差、用途地域、建築規制、境界、建物状態、直近の成約事例を確認します。

人口統計を個別の売却判断に落とし込むとき

同じ学区でも、土地の面積・道路・間口・用途地域・建築規制によって想定される買主は変わります。特に広い土地では総額が上がるため、個人住宅用地、一括取得する事業者、共同住宅・事業用地など複数の可能性を比較する必要があります。

また、学区境界は変更されることがあります。実際の通学区域は町名だけで決めず、最新の名古屋市資料で住所・地番単位に確認してください。

売却をまだ決めていない段階でも、所在地と土地・建物の基本条件から「人口統計ではなく、実際の物件条件でどう見るべきか」を整理できます。相続・不動産の相談をする

陽明学区の住宅地としての特性は、統計の年を分けて読む

人口が減ったことだけで、住宅地の需要が弱いとは判断できません。同資料の陽明学区の持ち家比率63.5%は2020年国勢調査の値で、住宅に住む一般世帯のうち持ち家に住む世帯の割合です。住宅用地率60.27%は2022年の都市計画基礎調査による面積割合で、2025年の売買需要を示す数字ではありません。

所在地の通学区域を確認する方法

通学区域は、名古屋市の市立小・中学校の通学区域一覧で住所・地番まで確認します。一部の町は丁目や番地で指定校が分かれます。2025年4月の八勝通3丁目の一部の変更は、市の令和7年版教育要覧(PDF・81ページ)に記載されています。

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