安城市で土地や戸建てなどの水害リスクを確認するときは、単に「ハザードマップに色が付いているか」だけを見るのではなく、どの災害を想定した図面なのかを分けて確認することが重要です。
この記事では、安城市が公開している「安城市水害ハザードマップ 令和8年5月第9版」そのものの見方を中心に整理します。雨水出水浸水想定区域の147mm/h、浸水深、浸水継続時間などの詳細は、関連記事で詳しく確認できます。
2026年版は「令和8年5月第9版」
安城市公式サイトでは、想定し得る最大規模、1,000年に1回程度の大雨を想定した「安城市水害ハザードマップ」を公開しています。現在の版は令和8年5月第9版です。
第9版の改訂理由として安城市が示しているのは、2026年5月29日から運用が始まった新しい防災気象情報の掲載です。したがって、「第9版になったことで浸水想定区域が全面的に作り直された」という意味ではありません。
内水については、令和7年9月の第8版で、同年5月27日に公表された雨水出水浸水想定区域図を踏まえた情報が反映されています。
表面と裏面は役割が違う
表面|複数の水害が重なる最悪の状況を確認
表面は、矢作川のような国管理河川、鹿乗川・猿渡川・長田川などの県管理河川による外水氾濫と、水路や下水道で排水しきれない内水氾濫などが同時に発生する最悪の状況を示したマップです。
まず「自宅・所有地・職場などの周辺に水害リスクがあるか」を広く把握する入口として使います。
裏面|原因別に詳しく確認
裏面では、主に次の水害を個別に確認できます。
- 矢作川があふれた場合
- 鹿乗川・猿渡川・長田川などがあふれた場合
- 市内の水路があふれた場合
- 高潮が発生した場合
表面でリスクを把握した後、裏面で「何が原因の浸水想定なのか」を切り分けて見ると分かりやすくなります。
不動産取引では「安城市水害ハザードマップ」だけで完結しない
ここは特に誤解しやすい点です。
安城市は、不動産取引時に水防法に基づく水害ハザードマップ上の対象物件の所在地を説明する際、次の4つの図面を確認するよう案内しています。
- 国が指定する洪水浸水想定区域:矢作川
- 愛知県が指定する洪水浸水想定区域:鹿乗川・猿渡川・長田川など
- 愛知県が指定する高潮浸水想定区域
- 安城市が指定する雨水出水浸水想定区域
このうち雨水出水浸水想定区域は、安城市水害ハザードマップの裏面にある「もし、市内の水路があふれたら」という図そのものではなく、別途公表されている「安城市雨水出水浸水想定区域図」で確認します。
安城市公式サイトも、「もし、市内の水路があふれたら」は水防法に基づく図面そのものではなく、雨水出水浸水想定区域図と市独自の内水浸水想定区域図を重ね合わせ、内水氾濫のリスクを分かりやすくした図であると説明しています。
雨水出水・内水氾濫の確認ポイント
雨水出水浸水想定区域は、河川そのものがあふれる洪水とは別に、市街地の水路・下水道等で排水しきれない雨水による内水氾濫を想定するものです。
安城市では想定最大規模降雨として1時間雨量147mmを前提に、浸水範囲・浸水深・浸水継続時間を公表しています。
この147mm/hの意味、区域図の見方、道路・敷地との高低差や排水状況まで含めた確認方法は、安城市の雨水出水浸水想定区域の記事で詳しく解説します。
「色が付いていない=水害が起こらない」ではない
ハザードマップや浸水想定区域図は、一定の想定条件に基づくシミュレーションです。
安城市の雨水出水浸水想定区域図にも、着色のない区域であっても降雨状況によって浸水が発生する場合があると明記されています。
不動産を確認するときは、想定区域だけでなく、過去の浸水実績、敷地と道路の高低差、側溝・排水経路、建物の床や設備の高さなどを個別に確認する必要があります。
浸水実績は想定図とは別に確認する
「浸水想定」と「過去に実際に浸水した履歴」は別の情報です。
安城市は、市内の過去の浸水実績について「安城市浸水マップ」や愛知県の「マップあいち」で確認できると案内しています。売却・購入時は、将来の想定だけでなく、把握できる過去の実績も併せて整理することが重要です。
この記事で確認できること
本記事では、安城市水害ハザードマップ第9版の版の違い・表裏の読み方・不動産取引時に確認する図面を中心に解説しています。
雨水出水の数値や敷地ごとの内水リスク、売却時の具体的な確認方法は、関連記事で詳しく確認できます。
よくある質問
2026年版では浸水区域が全部変わりましたか?
いいえ。第9版の主な改訂理由は2026年5月29日からの新しい防災気象情報の掲載です。第8版では雨水出水浸水想定区域図を踏まえた内水情報が反映されています。
不動産取引では表面だけ見ればよいですか?
十分ではありません。安城市の案内に沿って、洪水・高潮・雨水出水について対象物件の位置をそれぞれ確認する必要があります。
「市内の水路があふれたら」の図が雨水出水浸水想定区域図ですか?
同一ではありません。安城市は、裏面の「もし、市内の水路があふれたら」は市独自の内水リスク図であり、水防法に基づく雨水出水浸水想定区域は別の専用図で確認すると説明しています。



