碧南市鷲塚町六丁目にある約2,480㎡の県有地について、愛知県が実施した一般競争入札で「東海ハウス株式会社」が6,010万円で落札しました。
約750坪というまとまった規模の土地ですが、単純に「坪単価約8万円で売れた土地」と見るのは適切ではありません。県の物件調書を確認すると、約3.9mの前面道路、道路後退、旧県営住宅の基礎杭、開発許可、洪水ハザードなど、価格や土地利用に関係する条件が複数あります。
今回の県有地売却で確認できる事実に加え、碧南市で土地を所有する方が土地の価値を見る際に確認したい実務上のポイントを整理します。
- この記事で分かること
- 先に結論|6,010万円という落札額だけで土地の価値は判断できない
- 鷲塚町の県有地はどんな土地だったのか
- 注目したい1|前面道路は約3.9m、開発時には道路後退が必要
- 注目したい2|旧県営住宅の基礎杭が地下に残っている
- 注目したい3|約8万円/坪を鷲塚町の相場と考えてはいけない
- 広い土地ほど「最終的に売れる面積」を考える必要がある
- 洪水ハザードも土地利用を考える材料になる
- 今後ここに何ができるのか
- この県有地売却から地主が参考にできること
- 碧南市で広い土地を所有している場合に確認したいこと
- ヒロセット不動産では売却前の土地整理から相談できます
- まとめ|鷲塚町の6,010万円という落札額より土地条件を見る
- よくある質問
- 関連記事
- 参考情報
この記事で分かること
・鷲塚町の県有地の所在地・面積・落札額
・予定価格と実際の落札額の違い
・約750坪の土地にどのような条件があるのか
・「落札額÷坪数」を周辺相場にしてはいけない理由
・道路、残置杭、ハザードなどが土地利用に与える影響
・碧南市で広い土地を売却・活用するときに確認したいポイント
・取得後の用途について現在分かっている範囲
先に結論|6,010万円という落札額だけで土地の価値は判断できない
愛知県によると、2026年7月16日に開札された碧南市鷲塚町六丁目8番5の県有地は、東海ハウス株式会社が6,010万円で落札しました。
実測面積は2,480.54㎡、約750.4坪です。予定価格(最低売却価格)は5,334万円でした。入札参加者は法人1者と公表されています。
単純計算すると、
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 碧南市鷲塚町六丁目8番5 |
| 地目 | 宅地 |
| 実測面積 | 2,480.54㎡ |
| 坪換算 | 約750.4坪 |
| 予定価格 | 5,334万円 |
| 落札額 | 6,010万円 |
| 落札額の㎡単価 | 約2.42万円/㎡ |
| 落札額の坪単価 | 約8.0万円/坪 |
| 予定価格との差 | 676万円 |
| 予定価格に対する上乗せ率 | 約12.7% |
| 落札者 | 東海ハウス株式会社 |
| 入札参加者 | 法人1者 |
※㎡単価・坪単価・上乗せ率は、公表された面積と価格から単純計算した参考値です。
ここで注意したいのは、約8万円/坪という数字を「鷲塚町の一般的な土地相場」と考えてはいけないことです。
この土地は通常の50~60坪程度の住宅用地とは規模も条件も大きく異なります。
鷲塚町の県有地はどんな土地だったのか
今回売却された土地は、県の物件調書では「県営鷲塚住宅の跡地」とされています。
鷲塚住宅では以前から建替え事業が進められており、愛知県はPFI方式によって既存県営住宅の解体撤去や新しい県営住宅の整備を実施していました。
今回売却された土地について、物件調書に記載された主な条件を整理すると次のとおりです。
| 項目 | 公表内容 |
|---|---|
| 所在地 | 碧南市鷲塚町六丁目8番5 |
| 面積 | 2,480.54㎡ |
| 地目 | 宅地 |
| 都市計画 | 市街化区域 |
| 用途地域 | 第一種中高層住居専用地域 |
| 建ぺい率 | 60% |
| 容積率 | 200% |
| 前面道路 | 北東側・碧南市道鷲塚団地線3063号 |
| 道路幅員 | 約3.9m |
| 道路後退 | 要 |
| 道路との高低差 | 約0.9~1.2m |
| 上水道 | 有 |
| 下水道 | 有 |
| 都市ガス | 無 |
| 最寄りバス停 | 碧南市営バス「鷲塚住宅」約120m |
| 碧南中央駅 | 約3,900m |
| 洪水ハザード | 県物件調書では5~10m |
| 津波災害警戒区域 | 区域外 |
| 土砂災害警戒区域 | 区域外 |
土地面積だけを見ると大規模な住宅用地ですが、実際の土地利用ではさらに細かな確認が必要です。
注目したい1|前面道路は約3.9m、開発時には道路後退が必要
この土地で特に確認したい条件の一つが道路です。
県の物件調書によると、北東側に接する碧南市道鷲塚団地線3063号の幅員は約3.9mです。
さらに、都市計画法第29条に基づく開発許可を受ける場合には、有効幅員4m以上を確保するため道路後退を行い、後退用地を碧南市へ寄附する必要があるとされています。
つまり、登記上2,480.54㎡あるからといって、その面積すべてをそのまま計画敷地として自由に使えるとは限りません。
広い土地では、
・前面道路幅員
・道路後退
・開発道路
・車両出入口
・消防車両等の進入
・上下水道の引込み
・宅地として利用できる有効面積
まで確認して初めて、具体的な土地利用計画を検討できます。
これは一般の地主が所有する土地でも同じです。
「500坪ある」「1,000坪ある」という面積だけでは、土地の価値は判断できません。
注目したい2|旧県営住宅の基礎杭が地下に残っている
今回の土地では、以前、汚水処理場と鉄筋コンクリート造5階建ての県営住宅5号棟~7号棟が建っていました。
建物自体は撤去されていますが、県の物件調書には、6号棟の全部と5号棟・7号棟の一部の基礎杭が地下約1.5m以深に残置されていると記載されています。
ここは土地所有者にとって参考になるポイントです。
見た目が更地でも、
・以前建っていた建物の基礎
・杭
・擁壁
・浄化槽
・埋設管
・古い排水施設
などが地下に残っている場合があります。
今回の土地でも、雨水排水用の素掘側溝、素掘枡、排水管、雨水枡などが残置されているとされています。
買主が土地を開発するときには、こうした地下残置物の撤去費や工事方法まで考える必要があります。
「建物がない=造成費用がかからない」とは限りません。
注目したい3|約8万円/坪を鷲塚町の相場と考えてはいけない
今回の落札価格6,010万円を約750.4坪で割ると、単純な坪単価は約8.0万円です。
一方、国土交通省の2026年地価公示では、同じ鷲塚町にある「碧南市鷲塚町一丁目22番外」の標準地は、284㎡で1㎡当たり6万3,500円とされています。
坪換算すると約21.0万円/坪です。
しかし、
「21万円/坪の地域なのに8万円/坪で安く買えた」
と単純比較することもできません。
公示地の標準的な画地は約300㎡程度と整理されているのに対し、今回の県有地は約2,480㎡です。
さらに今回の土地には、
・約3.9mの前面道路
・道路後退
・0.9~1.2m程度の高低差
・旧県営住宅の基礎杭
・排水設備等の残置
・開発許可
・洪水ハザード
・大規模土地としての開発・造成負担
などがあります。
不動産では、近隣の「坪単価」だけを自分の土地に掛け算すると、大きく判断を誤ることがあります。
広い土地ほど「最終的に売れる面積」を考える必要がある
一般の地主の土地でも、300坪、500坪、1,000坪と面積が大きくなるほど、単純な坪単価だけでは評価しにくくなります。
例えば戸建分譲用地として利用する場合、
- 道路を造る
- 公園や調整施設等が必要になる場合がある
- 上下水道を整備する
- 高低差を処理する
- 宅地を複数区画に分割する
- 造成工事を行う
- 販売できる宅地面積を確保する
といった検討が必要になります。
その結果、取得面積と「最終的に商品として販売できる宅地面積」が同じにならないことがあります。
だからこそ、大きな土地を事業者が購入するときには、
完成した宅地がいくらで売れるか → 造成・開発・販売費用はいくらか → そこから土地取得価格を逆算する
という考え方が使われます。
広い土地を所有している方ほど、「近所の50坪の土地が坪○万円だった」という情報だけで価格を決めないことが大切です。
洪水ハザードも土地利用を考える材料になる
県の物件調書では、今回の土地について洪水の浸水想定が「5m~10m」と記載されています。
一方で、津波災害警戒区域・土砂災害警戒区域は区域外、高潮については「浸水想定なし」と整理されています。
ハザード情報があるから直ちに土地利用ができないという意味ではありません。
ただし、住宅・共同住宅・事業用建物などを計画する場合、
・建物配置
・地盤高さ
・避難計画
・設備配置
・保険
・購入者への説明
などを考える材料になります。
碧南市の土地は、市全体で一括して判断するのではなく、所在地ごとに洪水・高潮・内水・津波などを確認することが重要です。
今後ここに何ができるのか
今回の県有地について、愛知県が公表している入札結果から確認できるのは、落札者が東海ハウス株式会社であることまでです。
少なくとも県の入札結果・物件調書には、落札後に戸建分譲、共同住宅、店舗などの何を計画しているのかについて記載されていません。
そのため、現時点で具体的な用途を断定することはできません。
今後、
・開発許可
・造成工事
・建築計画
・現地看板
・事業者からの発表
などが確認されれば、土地利用の方向性が分かってくる可能性があります。
取得後の具体的な土地利用は現時点では未公表のため、今後の開発許可・建築計画・事業者発表などで確認する必要があります。
この県有地売却から地主が参考にできること
今回の事例で最も参考になるのは「6,010万円」という価格そのものではありません。
土地の価格が、面積だけでは決まらないことです。
特に土地を所有している方は、次の順番で確認すると整理しやすくなります。
1.まず道路を見る
前面道路幅員、道路種別、接道方向、間口などを確認します。
住宅地では駐車場が何台取れるか、広い土地では開発道路をどう配置できるかにも影響します。
2.土地の有効面積を見る
道路後退、高低差、擁壁、法面などがあれば、登記面積すべてを同じ価値で評価できるとは限りません。
3.過去の土地利用を確認する
工場、アパート、店舗、公共施設などが建っていた土地では、基礎、杭、配管、土壌などの確認が必要になることがあります。
4.誰が買う土地なのか考える
50坪程度の住宅用地と750坪の開発用地では、想定する買主が異なります。
・一般の住宅購入者
・建売会社
・宅地開発会社
・アパート事業者
・法人
・隣接土地所有者
など、買主が変われば価格の考え方も変わります。
5.売却と活用を比較する
広い土地だからといって、必ず売却が適しているわけではありません。
立地や道路条件によっては、
・賃貸住宅
・貸地
・駐車場
・事業用地
・一部売却
・分筆
・そのまま保有
などを比較できる場合があります。
碧南市で広い土地を所有している場合に確認したいこと
今回の鷲塚町の県有地のような大型地だけでなく、一般の地主が所有する100坪、200坪程度の土地でも考え方は共通します。
売却や土地活用を考える前に、最低限次の内容を確認しておくと判断しやすくなります。
・登記面積と実測面積
・境界
・前面道路
・間口
・高低差
・用途地域
・市街化区域・市街化調整区域
・上下水道
・過去の利用履歴
・地下埋設物
・ハザード
・想定する買主
・分筆できるか
・開発許可の必要性
・売却した場合の手取り
・保有した場合の維持費
全部を所有者自身で調査する必要はありません。
「売るかどうか決めていないが、自分の土地にどのような条件があるのか知りたい」という段階で整理しておくことにも意味があります。
ヒロセット不動産では売却前の土地整理から相談できます
土地の相談では、最初から「売る」と決める必要はありません。
特に広い土地では、
「いくらで売れるか」
だけでなく、
「誰が買える土地なのか」
「どのような利用ができるのか」
「造成や道路にどの程度負担があるのか」
「一括売却と分筆ではどちらが考えやすいのか」
「売らずに活用する選択肢はあるのか」
まで整理すると判断しやすくなります。
碧南市の土地・戸建・空き家・相続不動産については、地域別の相談ページでも詳しく整理しています。
碧南市の不動産売却相談|土地・戸建・空き家・相続・土地活用の整理窓口
土地を所有しているものの、「まだ何をするか決まっていない」という段階でも構いません。
道路、土地形状、都市計画、建物・残置物、買主層などを確認しながら、売却・保有・土地活用の選択肢を整理していきます。
まとめ|鷲塚町の6,010万円という落札額より土地条件を見る
碧南市鷲塚町六丁目の県有地2,480.54㎡は、2026年7月16日の一般競争入札で東海ハウス株式会社が6,010万円で落札しました。
単純換算では約750.4坪、約8.0万円/坪です。
しかし今回の土地には、道路後退、約3.9mの前面道路、旧県営住宅の基礎杭、排水施設等の残置、開発許可、洪水ハザードなど、土地利用に影響する条件があります。
この事例から土地所有者が参考にしたいのは、「鷲塚町は坪8万円」という価格情報ではありません。
同じ地域の土地でも、道路・面積・形状・高低差・過去の利用・開発条件・買主によって価値が大きく変わるという点です。
自分の土地についても、売却を決める前に「どんな土地なのか」を整理しておけば、売る・残す・活用するという選択肢を比較しやすくなります。
よくある質問
Q.今回の県有地は本当に坪8万円程度で売却されたのですか?
面積と落札額を単純に割ると約8.0万円/坪です。ただし、約750坪の大型地で、道路後退、残置杭、開発条件などがあります。一般的な住宅用地の坪単価とは条件が異なるため、鷲塚町の土地相場として使うことは適切ではありません。
Q.東海ハウスはこの土地に何を建てる予定ですか?
県が公表した入札結果や物件調書には、取得後の具体的な用途は記載されていません。戸建分譲や共同住宅など特定の用途を現段階で断定することはできず、今後の開発許可や事業者発表などの確認が必要です。
Q.広い土地は坪単価が安くなるのですか?
必ず安くなるわけではありません。ただし、道路や造成、インフラ整備、開発許可などの費用が必要になる土地では、その費用を考慮して取得価格を検討する買主が多くなります。土地ごとの条件確認が必要です。
Q.土地の地下に古い基礎や杭があっても売却できますか?
売却自体は可能な場合があります。ただし、残置物の内容や撤去費用が買主の利用計画・購入価格に影響する可能性があります。まず過去の建物資料や土地利用履歴を確認し、必要に応じて専門業者へ調査を依頼します。
Q.売却予定がなくても自分の土地の条件を調べてもらえますか?
売却を決めていない段階でも相談できます。道路、用途地域、土地形状、境界、ハザード、想定できる利用方法などを整理しておけば、将来売却・相続・土地活用を考えるときの判断材料になります。
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参考情報
愛知県|県有財産(土地)の売却に係る一般競争入札の結果について
愛知県|県有財産(土地)の売却に係る一般競争入札の実施について
国土交通省 不動産情報ライブラリ|2026年地価公示・碧南-4
※2026年9月20日時点で確認した公表資料をもとに作成しています。都市計画、開発計画、ハザード情報等は変更される場合があります。実際の土地利用・売却・建築については対象地ごとの最新情報をご確認ください。



