新瑞橋駅に近い土地なら、「マンションやアパート用地として評価されるのでは」と考える方もいるでしょう。

しかし、名古屋市瑞穂区の洲山町1丁目・3丁目、石田町2丁目の一部には、「洲山町3丁目町内会及び近隣地区建築協定」があります。

協定区域内では、建物の高さを12m以下、地階を除く階数を4階以下とするなど、通常の用途地域とは別のルールがあります。共同住宅についても、1戸当たり30㎡以下のものは禁止されています。

ただし、ここで重要なのは、洲山町1丁目・3丁目、石田町2丁目のすべての土地に同じ制限がかかるわけではないという点です。

土地を売却・査定する場合は、駅からの距離や周辺相場だけでなく、まず「その土地が建築協定区域なのか」を確認する必要があります。

結論|新瑞橋駅に近くても、建てられる建物は土地ごとに違う

新瑞橋駅に近いからといって、土地の容積率いっぱいまで自由にマンションを建てられるとは限りません。

洲山町の建築協定区域では、主に次のルールがあります。

項目建築協定の内容
階数地階を除き4階以下
高さ現状の地盤面から12m以下
共同住宅1戸当たり床面積30㎡以下を禁止
一部用途風俗営業、深夜酒類提供飲食店、暴力団事務所等を禁止
ホテル・旅館原則禁止。ただし協定上の例外あり
民泊原則禁止。ただし協定上の例外あり

名古屋市によると、協定地区には第1種住居地域、第2種住居地域、商業地域が含まれます。用途地域とは別に、この建築協定のルールを確認する必要があります。

つまり土地を見るときは、

用途地域 → 建ぺい率・容積率 → 道路条件 → 建築協定

まで確認して、初めてどのような建物を計画できるかが見えてきます。

これは売却査定でも同じです。

最も注意したいのは「町名全体が協定区域ではない」こと

「洲山町3丁目だから高さ12mまで」

と住所だけで判断するのは正確ではありません。

名古屋市が公開している区域図には、建築協定区域と建築協定区域隣接地の両方が含まれています。

建築協定区域は、協定に同意した土地で、協定の制限を守る必要があります。

一方の「隣接地」は、現時点では協定に同意していない土地であり、建築協定の制限はかかりません。名古屋市も、区域図だけでは判断せず、どちらに該当するか建築指導課へ確認するよう案内しています。

そのため土地査定では、町名だけでなく地番まで確認することが重要です。

同じ洲山町3丁目でも、土地によって建築条件が異なる可能性があります。

洲山町の建築協定とは?

正式名称は、「洲山町3丁目町内会及び近隣地区建築協定」です。

対象として公表されている所在地は、

  • 洲山町1丁目
  • 洲山町3丁目
  • 石田町2丁目

です。

最初の認可は2006年3月27日、最近の認可は2026年3月27日です。現在公表されている有効期間は2026年3月27日から10年間で、「10年の期間延長有り」とされています。

建築協定は、建築基準法や都市計画による一律の規制とは別に、地域で建築物に関するルールを定める制度です。

名古屋市は建築協定について、地域で話し合ってまちづくりのルールを決め、地域で守り運営する制度と説明しています。

土地を相続・購入した人にも建築協定は関係する

「昔から親が持っていた土地なので、建築協定のことを知らなかった」

というケースも考えられます。

しかし、建築協定区域内の土地については、自分自身が最初に協定へ同意した人でなくても注意が必要です。

名古屋市は、土地を購入した人や相続した人など、後から所有者になった人にも建築協定が適用されると説明しています。

そのため、

  • 親から相続した土地
  • 相続予定の実家
  • 昔購入した土地
  • 古家付き土地

についても、売却や建替えを考える段階で確認しておく方がよいでしょう。

洲山町ではマンション・アパートを建てられないのか?

共同住宅そのものが禁止されているわけではありません。ただし建築協定区域では、地階を除き4階以下、高さ12m以下、1戸当たり床面積30㎡以下の共同住宅は禁止という条件があります。

したがって、ワンルームを多数配置する計画や、より高層の共同住宅を前提とした事業計画には影響する可能性があります。一方で、条件に合う共同住宅や戸建住宅まで一律に建築できないという意味ではありません。

実際の建築可能規模は、建築協定だけでなく、用途地域、建ぺい率・容積率、道路、接道、敷地形状、高さに関する他の法令制限も合わせて確認します。

「建築協定がある=土地が安くなる」とは限らない

建築協定は、マンション等の事業計画に制約となる場合がある一方、高層建築物や一定用途を抑えた住環境を評価する買主もいます。そのため、協定の有無だけで土地価格が一律に上がる・下がるとは判断できません。

査定では、協定を反映した建築可能規模と、戸建住宅・共同住宅など現実的な買主層を確認したうえで価格を考える必要があります。

売却・建替え前に確認する5項目

  1. 建築協定区域か、隣接地か:町名だけで判断せず、地番をもとに確認する
  2. 用途地域・建ぺい率・容積率:建築協定とは別の都市計画・法令制限も重ねて確認する
  3. 道路・接道・間口:建物配置や車両動線、買主の事業計画に影響する
  4. 境界・越境:既存の測量図・境界標・越境状況を確認する
  5. 既存建物を残すか解体するか:先に壊さず、現況利用・古家付き土地・更地を比較する

土地査定では、価格だけでなく「協定を踏まえると何が建てられるか」「どの買主層が現実的か」まで確認することが重要です。建築協定があることだけを理由に、土地価格が一律に上がる・下がるとは判断できません。

売却を決める前でも、建築協定の該当と土地条件を整理できます

新瑞橋・洲山町・石田町周辺では、建築協定区域かどうかを確認したうえで、用途地域、道路、間口、土地形状、既存建物を整理すると、戸建用地・共同住宅用地などの可能性を比較しやすくなります。

売るか残すかをまだ決めていない段階でも、所在地・地番と手元にある資料から確認できます。相続・不動産の相談をする

よくある質問

Q.洲山町3丁目なら、すべて高さ12m以下ですか?

いいえ。洲山町3丁目を含む公表区域には、建築協定区域と建築協定区域隣接地が含まれています。町名だけでは判断できないため、具体的な土地については地番を確認し、名古屋市建築指導課等への確認が必要です。

Q.洲山町ではマンションを建てられませんか?

共同住宅そのものは禁止されていません。ただし協定区域では、地階を除き4階以下、高さ12m以下で、1戸当たり床面積30㎡以下の共同住宅は禁止されています。実際の建築可否は他の法令や敷地条件も含めて確認が必要です。

Q.30㎡ちょうどの住戸なら建築できますか?

協定では「30㎡以下」の共同住宅住戸が禁止されているため、30㎡ちょうども対象に含まれます。実際の建築計画については、名古屋市や建築士等への個別確認が必要です。

Q.相続した土地にも建築協定は適用されますか?

建築協定区域内であれば、後から土地を購入した人や相続した人にも協定が適用されると名古屋市が説明しています。相続した土地の場合も、売却・建替え前に区域確認をしておくと安心です。

Q.建築協定があると査定価格は安くなりますか?

一律には判断できません。マンション等の事業計画には制約となる場合がありますが、戸建住宅地としての住環境を評価する買主も考えられます。土地面積、道路、間口、用途地域、想定買主などを合わせて査定する必要があります。

Q.売ると決めていなくても土地条件を確認できますか?

売却を決める前に、建築協定、用途地域、道路、土地形状などを確認しておくことには意味があります。土地の利用可能性を整理してから、売却・保有・建替え・土地活用を比較すると判断しやすくなります。

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参考情報

この記事では、名古屋市が公表している建築協定情報をもとに内容を確認しています。

名古屋市|洲山町3丁目町内会及び近隣地区建築協定

洲山町1丁目・3丁目、石田町2丁目の建築協定について、対象区域、用途地域、建物の高さ・階数、共同住宅の住戸面積などの制限を確認できます。

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名古屋市|瑞穂区の建築協定地区

瑞穂区内で名古屋市が公表している建築協定地区を確認できます。

名古屋市建築情報マップ

用途地域や建築協定など、土地に関係する都市計画・建築情報を地図上で確認する際に利用できます。

※建築情報マップは参考図です。詳細な区域境界や最新の指定状況については、名古屋市の担当部署への確認が必要です。

名古屋市|敷地・建物を調べる

用途地域や道路、建築上の制限など、土地・建物を調べる際の名古屋市の案内を確認できます。

※建築協定区域への該当や具体的な建築可否は、土地ごとに個別確認が必要です。売却や建替えを具体的に検討する場合は、名古屋市の担当部署、建築士等への確認も行ってください。

建築協定を確認した後の売却・査定

洲山町周辺で建築協定の内容を確認した後は、土地としての価格水準を瑞穂区の土地売却・相場で比較し、既存の家を売る場合は瑞穂区の家・戸建売却ガイドも確認してください。住み替えを伴う自宅売却なら瑞穂区のマイホーム売却・住み替えで住宅ローンや売却時期の考え方を整理しています。