愛知県は2026年10月26日、西尾市西幡豆町にある旧幡豆地区内陸用地143.5haの土地利活用提案について、募集結果を公表しました。

2026年6月1日~8月31日の募集に対し、応募は79件。内訳は個人64件、法人15件でした。県はこれらの提案を今後の利活用方針検討の参考にするとしています。

旧幡豆地区内陸用地に79件の提案

分野件数主な提案例
観光・文化24キャンプ、グランピング、飲食施設、炭焼き体験、ロケ地
先端技術・研究10ドローン・ロボット・AIの実証フィールド、研究開発拠点
防災・公共施設9防災備蓄倉庫、行政機関、防衛施設、副首都
スポーツ8マラソン、自転車、モータースポーツ、MTBなど
教育・医療・居住7環境教育、医療、福祉モール、デジタルまちづくり
農業・食料生産7農園、新規就農支援、大規模農業実験場
産業・エネルギー6データセンター、発電施設、製造業誘致
森林・環境5森林保全、Jクレジット、肥料化
動物保護・鳥獣対策3動物保護施設、猟師育成・体験施設

79件の提案が集まりましたが、現時点で採用案や最終的な土地利用が決定したわけではありません。 県は提案内容を参考に、より良い利活用の方向性を引き続き検討するとしています。

143.5haのうち約133.9haが山林

  • 所在地:西尾市西幡豆町地内
  • 面積:143.5ha
  • 山林:約133.9ha
  • 土地利用:市街化調整区域
  • 保安林:約26haが点在
  • 標高:約20m~200m
  • 西幡豆駅から北へ約1km
  • 幸田桐山ICから県道幸田幡豆線経由で約5km

面積だけを見ると非常に大きな土地ですが、平坦な更地143.5haではありません。山林・高低差・市街化調整区域・保安林など、土地利用を検討する際の条件が重なっています。

「55億円の山」が長期間動かなかった背景

この土地は、中部国際空港建設に必要な埋立用土砂を採取し、その後に工業用地等として造成する目的で県企業庁が1999年に取得しました。しかし、土砂調達方針の変更などを受け、2001年1月に土砂採取事業は中止されました。

その後も利活用の検討は続けられてきましたが、市街化調整区域、山林、保安林、造成、道路・インフラ、環境、防災、事業採算など、多数の条件を整理する必要がある土地です。

79件集まったから「開発決定」ではない

今回の募集は土地の売却先・開発事業者を決定する入札ではなく、幅広い利活用アイデアを集める取組です。提案には観光・研究・防災・スポーツ・農業・産業など多様な案が含まれています。

したがって、「グランピング施設になる」「データセンターになる」「工業団地になる」と現時点で断定することはできません。今後、県がどの方向性を採用し、都市計画・森林・道路・造成等の条件をどう整理するかを確認する必要があります。

大規模土地は面積より「実際に使える範囲」が重要

大規模土地では、総面積だけでなく、造成可能範囲、法面、保安林、道路接続、排水、上下水道、電力、災害リスクなどを整理し、実際に事業利用できる面積と必要コストを確認する必要があります。

これは個人所有の広い土地でも同じです。土地が広いからといって、全面を宅地・店舗・アパート・工場に利用できるとは限りません。

周辺不動産への影響はまだ判断できない

79件の提案が集まったこと自体は注目度を示す情報ですが、それだけで西幡豆町周辺の土地価格・住宅需要・事業用地需要が上昇すると判断することはできません。

具体的な事業が決まり、道路・インフラ整備や土地利用計画が明らかになった段階で、対象不動産との距離や関係を個別に確認する必要があります。

西幡豆町周辺の土地所有者が確認したいこと

  • 市街化区域・市街化調整区域の別
  • 農地・山林・保安林など現在の地目・規制
  • 前面道路と接道条件
  • 高低差・造成・排水条件
  • 上下水道・電力などのインフラ
  • 境界・既存測量資料
  • 現状で売却した場合の手取り
  • 保有を続ける場合の管理・税負担

県有地の将来計画を待つことだけを前提にせず、自分の土地について現時点で売却・保有・活用の選択肢を整理しておくことが重要です。

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