公開日:2026年9月13日
安城市和泉町で、トヨタモビリティパーツ株式会社の「新三河拠点」の建設計画が確認されました。
愛知県が公表しているCASBEEあいちの届出資料によると、建設地は安城市和泉町八兵エ50-2。敷地面積は約6,278㎡、延床面積は約3,285㎡、鉄骨造2階建てで、用途は「事務所・工場」とされています。竣工予定は2027年4月です。
和泉町周辺は国道23号へのアクセスを考えやすい安城市南部のエリアです。一方、「新しい企業拠点ができる=周辺の土地価格が上がる」「周辺の土地も工場用地として使える」と単純には判断できません。
この記事では、新三河拠点について公表資料で確認できる内容と、和泉町周辺の土地所有者が今回の計画を見るときの不動産実務上のポイントを整理します。
この記事で分かること
- トヨタモビリティパーツ「新三河拠点」の所在地・規模・竣工予定
- どのような建物が計画されているのか
- 安城市が国道23号周辺の企業立地をどのように位置付けているか
- 周辺の土地価格や土地利用を考える際の注意点
- 和泉町周辺で土地を所有している人が確認しておきたい項目
先に結論|新三河拠点は2027年4月竣工予定。ただし周辺不動産への影響は個別に見る必要がある
愛知県の公開資料から、安城市和泉町八兵エ50-2にトヨタモビリティパーツ株式会社の「新三河拠点」が計画されていることを確認できます。
現時点で確認できる主な概要は次のとおりです。
| 項目 | 公表内容 |
|---|---|
| 建物名称 | トヨタモビリティパーツ株式会社 新三河拠点 |
| 建設地 | 愛知県安城市和泉町八兵エ50-2 |
| 建物用途 | 事務所・工場 |
| 敷地面積 | 約6,278㎡ |
| 建築面積 | 約3,010㎡ |
| 延床面積 | 約3,285㎡ |
| 構造 | S造(鉄骨造) |
| 階数 | 地上2階 |
| 設計者 | アイシン開発株式会社一級建築士事務所 |
| 竣工予定 | 2027年4月 |
| CASBEE評価 | B+ |
ただし、これは公表されている建築計画の内容です。
操業開始時期、具体的な業務内容、配置される部門、従業員数、車両台数などについては、今回確認した一次資料だけでは確定できません。
竣工予定についても今後変更される可能性があるため、最新情報の確認が必要です。
トヨタモビリティパーツとはどのような会社?
トヨタモビリティパーツ株式会社は、自動車関連部品・用品の卸売を主な事業とする会社です。
公式会社情報では、2020年1月設立、2020年4月営業開始で、愛知支社を含む全国の支社ネットワークを展開しています。
そのため、「新三河拠点」という名称からも三河地域における事業拠点としての役割が想定されますが、新拠点が具体的にどの業務を担うのかについては、公表資料で確認できた範囲を超えて断定できません。
今回のCASBEE資料では建物用途が「事務所・工場」とされています。
「物流センター」と断定しない点には注意が必要です。
清須市の「東海物流センター」とは別の計画
トヨタモビリティパーツでは、清須市春日下中割で「東海物流センター(仮称)」の建設も進めています。
こちらは公式発表によると、延床面積約85,000㎡、地上4階建てで、2026年9月末竣工予定とされている大規模物流施設です。
安城市和泉町の「新三河拠点」は、
- 所在地が安城市和泉町
- 延床面積約3,285㎡
- 地上2階建て
- 用途が事務所・工場
- 2027年4月竣工予定
であり、清須市の東海物流センターとは別の建設計画です。
検索すると両方の情報が出てくる可能性があるため、混同しないようにしたいところです。
新三河拠点は安城市和泉町のどこに建設される?
CASBEE資料に記載された所在地は、
愛知県安城市和泉町八兵エ50-2
です。
和泉町は安城市南部に位置し、国道23号知立バイパスの和泉IC周辺を含む地域です。
安城市自身も企業立地施策において、国道23号などの幹線道路沿線や既存工業エリア周辺で企業誘致を進めています。市の企業立地推進計画では、企業アンケートにおいて国道23号周辺を工場・生産施設等の立地候補とする回答が多いことも示されています。
つまり今回の新三河拠点は、単独の建築計画として見るだけでなく、安城市南部・国道23号周辺における企業立地の流れの中で確認しておきたい計画といえます。
ただし、「国道23号周辺だからどの土地でも工場や倉庫にできる」という意味ではありません。
和泉町周辺の土地所有者が注目したい3つのポイント
1.企業進出だけを理由に土地価格が上がるとは判断できない
近くに企業拠点や工場が建設されると、
「土地が高くなるのではないか」
「今は売らない方がよいのではないか」
と考える土地所有者もいるでしょう。
しかし、一つの企業進出だけを根拠に周辺地価の上昇を予測することはできません。
実際の不動産価格では、
- 前面道路の幅員
- 大型車両の進入性
- 国道やICへのアクセス
- 土地面積
- 間口
- 土地形状
- 高低差
- 用途地域・都市計画上の規制
- 開発許可の可能性
- 農地か宅地か
- 上下水道などのインフラ
- 周辺住宅との位置関係
などを個別に確認する必要があります。
事業用地を探す企業にとっては、単純な「坪単価」以上に、その土地で目的とする建物を建てられるか、車両が安全に出入りできるかが大きな判断材料になります。
2.「用途地域の指定なし」でも自由に使えるわけではない
新三河拠点のCASBEE資料では、用途地域欄が「指定なし」と記載されています。
ここは土地所有者にとって特に注意したい部分です。
「用途地域が指定されていない=自由に何でも建築できる」
という意味ではありません。
和泉町八兵エでは、市街化調整区域とされている別の宅地も公的資料等で確認できます。市街化調整区域では、建物の用途や土地の履歴などによって開発・建築の可否が変わります。
ただし、これは別の土地についての資料です。新三河拠点の敷地や、周辺の個々の土地について都市計画上の扱いを判断する場合は、地番ごとに安城市等への確認が必要です。
大規模な企業施設が建てられたからといって、その隣の土地にも同じ建物を建築できるとは限りません。
3.国道23号周辺では「住宅地としての価値」と「事業用地としての価値」を分けて考える
戸建住宅を購入する人と、工場・事務所・倉庫用地を探す企業では土地を見るポイントが違います。
住宅用地なら、
「生活しやすいか」
「駐車場を確保できるか」
「学校や買い物施設への距離はどうか」
などが重視されます。
一方、事業用不動産では、
「幹線道路に出やすいか」
「大型車両が曲がれるか」
「道路幅員は十分か」
「土地を一体的に利用できる面積があるか」
「周辺に住宅が多すぎないか」
「開発許可を取得できる可能性があるか」
といった条件が重要になります。
安城市が国道23号周辺で企業立地を進めているからこそ、周辺土地については住宅地の相場だけを見るのではなく、その土地にどのような買主・利用者が考えられるかまで整理する意味があります。
土地所有者は「近くに工場ができる」だけで売却を急がない
開発計画が出たとき、土地所有者が避けたいのは、十分な確認をしないまま
「今なら高く売れそうだから売る」
あるいは逆に、
「これからもっと上がりそうだから絶対に売らない」
と決めてしまうことです。
不動産では、周辺環境の変化だけでなく自分の土地そのものの条件を見る必要があります。
たとえば同じ和泉町でも、100坪の住宅地と数千坪の事業用候補地では想定される買主が違います。
接道条件や開発許可の可否が違えば、隣接地同士でも利用価値が大きく変わることがあります。
したがって新しい企業立地の情報を見つけたときは、「売るかどうか」より先に、
- 自分の土地の都市計画・開発条件
- 道路・接道条件
- 面積・間口・形状
- 現在の利用状況
- 住宅・事業用のどちらに適性があるか
- 周辺で進んでいる土地利用の変化
を整理しておく方が判断しやすくなります。
新三河拠点の建築資料から分かること
CASBEE資料には、建物本体以外についてもいくつか記載があります。
たとえば、
- 駐車スペースを多く確保する計画
- 建物周囲に緑地帯を設ける計画
- 落ち着いた色彩の外観
- 省エネルギーに配慮した設備計画
などが確認できます。
一方で、駐車台数、トラック台数、出入口の具体的位置、交通量の増減などは今回確認した資料だけでは分かりません。
そのため、
「大型トラックが大幅に増える」
「周辺道路が必ず混雑する」
といった予測は現段階ではできません。
周辺環境への影響については、実際の施設運用や今後公表される資料を確認する必要があります。
和泉町・国道23号周辺で土地を持っている場合に確認したいこと
今回の新三河拠点だけで土地の利用方針を変える必要はありません。
ただし、和泉町や榎前町など安城市南部で土地を所有している場合、周辺の企業立地が続くことで「自分の土地は住宅向きなのか、事業用途も検討できるのか」を確認するきっかけにはなります。
特に確認したいのは次のような土地です。
- 国道23号や幹線道路に近い土地
- 広い土地や複数筆に分かれた土地
- 長年使っていない土地
- 相続した農地・宅地
- 現在駐車場として利用している土地
- 市街化調整区域にある土地
- 法人や事業者への売却も考えられそうな土地
土地利用は「近くに何ができたか」だけでなく、「自分の土地で何ができるか」を確認することが出発点です。
ヒロセット不動産への相談について
周辺で工場や企業拠点の建設が進んだからといって、土地をすぐに売却する必要はありません。
まず、
「自分の土地はどのような用途が考えられるのか」
「住宅用地として見るべきか、事業用地としても検討できるのか」
「売却、賃貸、保有のどれを比較すればよいのか」
を整理することが先です。
ヒロセット不動産では、安城市を含む西三河の土地について、売却を決める前の段階から土地条件や選択肢を整理する相談ができます。
土地の場所、道路、形状、法規制、周辺土地利用などを確認しながら、売却だけでなく保有・土地活用も含めて考えていきます。
資料がすべて揃っていなくても、所在地や固定資産税納税通知書など分かる範囲の情報から整理することは可能です。
まとめ|「新三河拠点」と周辺土地の価値は分けて考える
トヨタモビリティパーツ株式会社の「新三河拠点」は、愛知県の公開資料によると、安城市和泉町八兵エ50-2で計画されています。
敷地面積は約6,278㎡、延床面積は約3,285㎡、鉄骨造2階建ての事務所・工場で、2027年4月竣工予定です。
安城市は国道23号などの幹線道路周辺で企業立地を進めており、今回の計画も安城市南部の土地利用を考えるうえで注目しておきたい情報です。
ただし、新拠点の建設だけを理由に周辺の土地価格や将来性を断定することはできません。
土地を所有している方は、周辺ニュースを見るだけでなく、自分の土地の道路、都市計画、開発条件、面積、形状、利用可能性を確認しておくと、将来「売る・貸す・使う・残す」を判断しやすくなります。
よくある質問
Q1.トヨタモビリティパーツ「新三河拠点」はどこにできますか?
愛知県のCASBEE届出資料では、愛知県安城市和泉町八兵エ50-2と記載されています。敷地面積は約6,278㎡です。今後、住所表記や計画内容が変更される可能性もあるため、最新情報は公表資料で確認してください。
Q2.いつ完成する予定ですか?
CASBEEあいちの資料では、2027年4月竣工予定です。ただし建設計画の予定時期であり、工事状況等により変更される可能性があります。操業開始時期については、今回確認した一次資料では確認できません。
Q3.物流センターができるのでしょうか?
今回の安城市和泉町の資料上の用途は「事務所・工場」です。トヨタモビリティパーツが清須市で建設している「東海物流センター(仮称)」とは別計画なので、安城の新三河拠点を同じ物流センターと断定しない方が正確です。
Q4.新拠点ができれば和泉町の地価は上がりますか?
現時点では断定できません。不動産価格は企業進出だけでなく、道路、接道、土地形状、都市計画、開発可能性、周辺需要など複数の条件で決まります。一つの開発計画だけから地価上昇を予測するのは適切ではありません。
Q5.和泉町で土地を持っていれば工場や倉庫用地として売れますか?
土地ごとの確認が必要です。周辺には市街化調整区域の土地もあり、建築・開発できる用途は土地の履歴や許可条件によって変わります。面積、道路、地目、都市計画、開発許可の可能性などを確認したうえで判断します。
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参考情報
愛知県「CASBEEあいち2025年度届出一覧」 一次資料を確認する
愛知県「トヨタモビリティパーツ株式会社 新三河拠点 CASBEE届出資料」 建物概要を確認する
安城市「企業立地推進」 安城市の企業立地方針を確認する
トヨタモビリティパーツ株式会社「企業情報」 会社概要を確認する
※本記事は2026年9月13日時点で確認できる公表資料をもとに作成しています。建設計画・竣工時期・施設内容等は今後変更される可能性があります。



