安城市榎前町で、光徳運輸株式会社による新たな倉庫の建設計画が進んでいます。

愛知県が公表している「CASBEEあいち2025年度届出一覧」では、「(仮称)光徳運輸株式会社新倉庫」として、安城市榎前町井杭山に鉄骨造2階建て、延床面積約7,115㎡の建物を計画し、2027年5月の竣工を予定していることが確認できます。

計画地は国道23号・和泉ICに近い榎前町エリアです。ただし、「近くに倉庫ができる=周辺の土地も同じように事業用地として使える」という意味ではありません。計画地は市街化調整区域とされており、周辺の土地所有者は都市計画、地区計画、接道、農地の有無などを土地ごとに確認する必要があります。

この記事で分かること

  • 光徳運輸の新倉庫について現在公表されている計画内容
  • 建設予定地と2027年5月までの予定
  • 国道23号・和泉IC周辺に物流・事業用施設が立地する理由
  • 榎前町周辺の土地所有者が今回の計画を見るときの注意点
  • 市街化調整区域の土地を売却・活用する前に確認したいこと

先に結論|延床約7,115㎡の新倉庫を2027年5月竣工予定

愛知県の公開資料から確認できる計画概要は次のとおりです。

項目公表内容
建物名称(仮称)光徳運輸株式会社新倉庫
建築主光徳運輸株式会社
建設地愛知県安城市榎前町井杭山219番3、220番、221番
用途地域等市街化調整区域
建物用途事務所・工場
敷地面積6,233㎡
建築面積3,722㎡
延床面積7,115㎡
構造鉄骨造
階数地上2階
設計者株式会社玉井設計
竣工予定2027年5月
CASBEE評価B+、BEE1.1

建物名称は「新倉庫」ですが、CASBEEの届出上の建物用途は「事務所・工場」と記載されています。

また、光徳運輸の公式サイトでも、2027年に「本社の近隣に新倉庫を建設する予定」と説明されており、2027年5月の新拠点稼働を目指していることが紹介されています。

なお、竣工時期や計画内容は届出時点の情報です。実際の工事や稼働時期は今後変更される可能性があります。

光徳運輸は安城市榎前町に本社を置く物流会社

光徳運輸株式会社は1979年設立の運送会社で、本社は安城市榎前町井杭山178番地にあります。

公式サイトによると、貨物自動車運送事業、利用運送事業、倉庫業、不動産賃貸事業などを行っており、本社構内には榎前町井杭山174番地1に既存の物流センターがあります。

今回の計画地も同じ榎前町井杭山です。

同社は公式サイトで、2026年に初の第二拠点を開所し、その翌年の2027年には本社近隣に新倉庫を建設する計画を示しています。今回確認された新倉庫は、この中長期的な拠点拡充の流れに位置付けられる計画と考えられます。

なぜ榎前町・国道23号周辺に物流施設が立地するのか

榎前町を見るうえで重要なのが、国道23号と和泉ICです。

安城市の都市計画資料では、榎前町井杭山の一部について「榎前工業団地地区計画」が定められており、国道23号和泉ICや主要地方道安城碧南線に隣接する交通利便性を活かし、産業空間を形成することが地区計画の目標として示されています。

また、安城市の企業立地推進に関する資料でも、和泉IC周辺には榎前地区工業団地の東工区・西工区が造成されており、国道23号と県道45号を軸とした産業ゾーンとして整理されています。

物流施設や工場では、住宅用地とは異なる条件が重視されます。

大型車が幹線道路へ出やすいか

物流施設では、駅への近さよりもトラックが幹線道路へ出入りしやすいことが大切です。

国道23号は名古屋方面、西三河、東三河方面を結ぶ幹線道路であり、和泉IC周辺は物流拠点の立地を考えるうえで一定の交通利便性があります。

敷地面積を確保できるか

倉庫や工場では建物だけでなく、

  • トラックの待機スペース
  • 荷さばきスペース
  • 従業員駐車場
  • 車両の旋回スペース
  • 搬入口

なども必要です。

そのため、住宅地とは違い「広さがある土地」が必ずしも売りにくいとは限りません。

周辺土地利用との整合性が取れるか

大型物流施設は、騒音、交通量、車両の出入りなどを伴います。

道路条件だけでなく、周辺の住宅地との位置関係や都市計画上の土地利用方針まで含めて、立地を判断する必要があります。

不動産の視点では「倉庫ができる」だけで判断しないことが大切

榎前町周辺に土地を持っている方にとって、新しい物流施設や工場の計画は気になる情報だと思います。

ただし、今回の計画だけを根拠に「周辺の土地価格が上がる」「事業用地として売りやすくなる」と判断することはできません。

土地の評価は、同じ榎前町でも条件によって大きく変わります。

特に確認したいのは次のような項目です。

  • 市街化区域か市街化調整区域か
  • 地区計画区域に含まれているか
  • 現在の地目
  • 農地法上の手続きが必要か
  • 前面道路の幅員
  • 接道状況
  • 大型車が出入りできる道路か
  • 土地の間口
  • 土地形状
  • 高低差
  • 排水条件
  • 周辺の住宅との位置関係
  • 建築できる用途

「近くに工場や倉庫があるから、自分の土地にも倉庫を建てられる」と考えるのは早計です。

特に注意したいのは「市街化調整区域」

今回のCASBEE資料では、新倉庫の計画地について「市街化調整区域」と記載されています。

安城市によると、市街化調整区域は原則として市街化を抑制する区域であり、開発行為だけでなく、開発行為を伴わない建築についても原則として許可の確認が必要です。

一方で、市街化調整区域であっても、地区計画や許可基準など一定の条件に適合することで工場等を建築できる場合があります。

つまり、

「市街化調整区域だから何も建てられない」

という判断も、

「近くに倉庫があるから同じものを建てられる」

という判断も適切ではありません。

土地ごとの位置、都市計画、過去の許認可、現在の利用状況を確認する必要があります。

榎前町周辺で土地を所有している人が確認したい5項目

1.自分の土地がどの区域に入っているか

まず確認したいのは、市街化区域・市街化調整区域の別です。

さらに、市街化調整区域の場合は地区計画や各種指定区域との位置関係も確認します。

隣接する土地でも条件が違うことがあります。

2.道路条件

事業用地として検討する場合、価格以上に道路条件が重要になることがあります。

特に、

  • 前面道路の幅
  • 大型車の進入可否
  • 国道や県道までの動線
  • 交差点までの距離
  • 中央分離帯の有無
  • 出入口を設置できる位置

などは、企業側が土地を検討するときの重要な判断材料です。

3.土地の広さと形

住宅では広すぎる土地が購入対象になりにくいことがありますが、事業用地では必要な面積を確保できることが強みになる場合があります。

ただし、面積が広くても細長い土地や間口が狭い土地では、建物配置や大型車の動線が取りにくくなります。

「何㎡あるか」だけでなく、「どう使える形なのか」を見る必要があります。

4.農地かどうか

榎前町周辺には農地もあります。

農地を事業用地へ変更する場合は、都市計画だけでなく農地法など別の手続きが関係する可能性があります。

農地だから売れない、あるいは事業用地に変更できると最初から決めず、土地ごとの確認が必要です。

5.売却だけでなく貸地として使えるか

企業が必要としているのは「土地を購入すること」とは限りません。

土地の場所、面積、用途によっては貸地として利用する方法もあります。

一方で、長期間土地を貸すと将来自分で利用しにくくなるため、売却・貸地・継続保有を比較して判断することが大切です。

売る・貸す・残すはどのように比較する?

選択肢検討しやすい状況先に確認したいこと
売却今後利用予定がなく、資産整理を考えている売却可能性、想定買主、価格、税金
貸地所有権を残しながら活用したい借り手、用途、契約期間、造成負担
継続保有将来自分や家族が利用する可能性がある管理負担、固定資産税、将来利用
事業利用自ら事業利用を検討している建築可否、開発許可、道路、事業採算

どれが有利かは土地ごとに異なります。

特に市街化調整区域では「土地活用の収益計算」より前に、そもそも希望する用途で利用できるのかを確認する必要があります。

今回の公表資料だけでは確認できないこと

現時点で公表資料から確認できる内容と、確認できない内容は分けて考える必要があります。

今回確認できたのは、主に建設地、建物規模、構造、設計者、竣工予定などです。

一方、今回調査した公開情報だけでは、次の事項を確定できません。

  • 建設工事の具体的な着工日
  • 施工会社
  • 新倉庫で扱う具体的な貨物
  • 新倉庫の従業員数
  • 1日あたりのトラック出入り台数
  • 新規雇用人数
  • 周辺土地価格への具体的な影響

これらについては、今後の会社発表や行政資料などを確認する必要があります。

榎前町周辺の土地は「周辺計画+自分の土地条件」で考える

新しい工場や物流施設が建設されると、「この辺りはこれからどうなるのだろう」と周辺の土地に目が向きます。

その視点自体は大切です。

ただ、不動産では周辺に何ができるかと同じくらい、自分の土地がどのような条件なのかが重要です。

特に榎前町周辺では、

  • 国道23号・和泉ICへのアクセス
  • 県道45号などの道路条件
  • 榎前地区工業団地との位置関係
  • 市街化調整区域
  • 地区計画
  • 農地
  • 土地面積や間口

などを重ねて確認する必要があります。

大きな企業立地があったからといって、その周辺すべての土地が同じ評価になるわけではありません。

土地について相談する前に準備しておくとよい資料

榎前町や和泉IC周辺で土地の売却・活用を考える場合、次の資料があると確認しやすくなります。

  • 固定資産税納税通知書・課税明細書
  • 登記事項証明書
  • 公図
  • 地積測量図・確定測量図
  • 境界確認書
  • 土地を取得した際の売買契約書
  • 農地関係の資料
  • 過去の開発・建築関係資料

すべてそろっていなくても相談は可能です。

所在地や地番が分かれば、まず「何を調べる必要がある土地なのか」を整理するところから始められます。

ヒロセット不動産への相談について

ヒロセット不動産では、土地を「売る」と決めてからだけでなく、

「近くに工場ができるが、自分の土地に影響はあるのか」

「市街化調整区域だが、どんな用途が考えられるのか」

「売却するか貸地にするか迷っている」

「親から引き継いだ土地なので、そもそも条件が分からない」

といった段階からご相談いただけます。

土地価格だけでなく、道路、接道、土地形状、都市計画、周辺の買主層などを確認しながら、売却・活用・継続保有の選択肢を整理することが大切です。

まとめ|光徳運輸の新倉庫計画は榎前町の土地利用を考える一つの材料

光徳運輸株式会社は、安城市榎前町井杭山で延床面積約7,115㎡、鉄骨造2階建ての新倉庫を計画しており、愛知県の届出資料では2027年5月竣工予定となっています。

計画地周辺は国道23号・和泉ICへのアクセスを活かした産業系土地利用が進められてきた地域です。

一方で、今回の計画地は市街化調整区域です。

周辺に工場や物流施設が増えているからといって、自分の土地も同じ用途に利用できるとは限りません。

榎前町や和泉IC周辺に土地を所有している方は、売却や土地活用を決める前に、都市計画、地区計画、道路、接道、農地、土地形状まで一度整理しておくと判断しやすくなります。

まだ売却すると決めていない段階でも構いません。

「自分の土地なら、どのような可能性があるのか」を確認するところから始めることができます。

よくある質問

Q1.光徳運輸の新倉庫はどこに建設される予定ですか?

愛知県のCASBEE届出では、安城市榎前町井杭山219番3、220番、221番が建設地として記載されています。光徳運輸の本社も同じ榎前町井杭山にあり、会社公式サイトでは本社近隣への新倉庫建設計画として公表されています。

Q2.光徳運輸の新倉庫はいつ完成する予定ですか?

愛知県の届出資料では2027年5月竣工予定です。ただし、これは届出時点の予定であり、工事状況などによって変更される可能性があります。最新情報は今後の愛知県や光徳運輸の発表を確認する必要があります。

Q3.新倉庫はどのくらいの規模ですか?

公表資料では敷地面積6,233㎡、建築面積3,722㎡、延床面積7,115㎡、鉄骨造地上2階です。CASBEE上の建物用途は事務所・工場と記載されています。

Q4.なぜ榎前町周辺には工場や物流施設があるのですか?

榎前町周辺には国道23号和泉ICや県道45号があり、安城市も榎前地区工業団地などを通じて交通利便性を活かした産業系土地利用を進めてきました。ただし、建築できる用途は各土地の都市計画条件によって異なります。

Q5.近くの土地なら倉庫や工場用地として売却できますか?

可能性はありますが、所在地だけでは判断できません。市街化調整区域、地区計画、接道、道路幅員、土地形状、農地の有無などを確認する必要があります。企業が検討できる土地かどうかは、土地ごとの個別確認が必要です。

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参考情報

  • 愛知県「CASBEEあいち2025年度届出一覧」
    (仮称)光徳運輸株式会社新倉庫の延床面積7,115.49㎡、地上2階、鉄骨造、2027年5月完了予定などを確認できます。
    愛知県|CASBEEあいち2025年度届出一覧
  • 愛知県「(仮称)光徳運輸株式会社新倉庫 CASBEE評価結果」
    建設地「安城市榎前町井杭山219番3、220番、221番」、敷地面積6,233㎡、延床面積7,115㎡、市街化調整区域、2027年5月竣工予定などの詳細資料です。
    愛知県|光徳運輸株式会社新倉庫 CASBEE評価結果(PDF)
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