2026年9月15日、国土交通省と愛知県から「令和8年都道府県地価調査」が公表されました。
全国では全用途平均・住宅地・商業地がいずれも5年連続で上昇。一方、名古屋圏は住宅地・商業地とも地価上昇が続いているものの、前年より上昇幅が縮小しました。
名古屋市だけを見ると、住宅地は平均2.7%、商業地は平均4.0%上昇し、16区すべてで住宅地・商業地が上昇しています。ただし、「名古屋市平均が上昇した=所有している土地も同じだけ値上がりした」という意味ではありません。
この記事では2026年地価調査の数字だけでなく、名古屋市に土地・戸建・空き家・相続不動産・収益物件を所有している方が、この結果をどう見ればよいのかまで整理します。
- この記事で分かること
- 結論|名古屋市は上昇継続。ただし「名古屋市全体」で判断してはいけない
- 2026年都道府県地価調査とは
- 全国では5年連続上昇、名古屋圏では上昇幅が縮小
- 愛知県全体では住宅地1.3%、商業地2.5%上昇
- 名古屋市16区の地価はどう動いた?
- 「地価が高い場所」と「上昇率が高い場所」は同じではない
- 名古屋市平均239,300円/㎡だから、自分の土地もその価格になるわけではない
- 買主は「地価上昇率」だけを見て土地を買うわけではない
- 地価調査が上がったから固定資産税も同じ割合で上がるわけではない
- 地価が上がったから「今すぐ売るべき」とは限らない
- 名古屋市の土地所有者が2026年の地価調査を見て確認したいこと
- 相談するときに準備しておくと確認しやすい資料
- ヒロセット不動産への相談について
- まとめ|2026年の地価上昇は「自分の土地を確認するきっかけ」として使う
- よくある質問
- 関連記事
- 参考情報
この記事で分かること
- 2026年都道府県地価調査の全国・名古屋圏・愛知県の動き
- 名古屋市16区の住宅地・商業地の平均変動率
- 地価が上昇している区と上昇幅が比較的小さい区の違い
- 基準地価と実際に売れる価格を分けて考える理由
- 土地所有者が地価上昇局面で確認しておきたいポイント
結論|名古屋市は上昇継続。ただし「名古屋市全体」で判断してはいけない
2026年の名古屋市は、住宅地が前年比平均2.7%、商業地が平均4.0%上昇しました。前年は住宅地3.0%、商業地4.1%だったため、市全体では上昇が続く一方、住宅地の上昇幅はやや縮小しています。
さらに重要なのは、16区の動きが同じではないことです。
住宅地では熱田区が5.7%、千種区が4.7%上昇した一方、港区は0.4%。商業地では熱田区が7.8%上昇した一方、港区は1.1%でした。
したがって土地所有者が見るべきなのは、
「名古屋市の地価が上がったか」
だけではなく、
「自分の土地がどの地域にあり、どのような使い方をでき、誰が買う可能性があるのか」
です。
2026年都道府県地価調査とは
都道府県地価調査は、都道府県知事が毎年7月1日時点の基準地について、1㎡当たりの「正常な価格」を判定して公表する制度です。
2026年は全国21,466地点が対象となりました。一般の土地取引価格を考える際の公的な指標の一つですが、個々の土地の売却価格を直接示すものではありません。
地価公示が毎年1月1日時点なのに対し、都道府県地価調査は7月1日時点です。
そのため、年の途中までの地価動向を確認する材料としても利用できます。
全国では5年連続上昇、名古屋圏では上昇幅が縮小
国土交通省によると、2026年は全国の全用途平均・住宅地・商業地がいずれも5年連続で上昇しました。
全国の住宅地は前年比1.0%、商業地は2.9%上昇しています。住宅地は前年と同じ上昇幅、商業地は前年の2.8%から2.9%へ拡大しました。
一方、三大都市圏には違いがあります。
| 地域 | 住宅地 2025年 | 住宅地 2026年 | 商業地 2025年 | 商業地 2026年 |
|---|---|---|---|---|
| 東京圏 | 3.9% | 4.0% | 8.7% | 8.9% |
| 大阪圏 | 2.2% | 2.3% | 6.4% | 6.8% |
| 名古屋圏 | 1.7% | 1.5% | 2.8% | 2.7% |
| 全国 | 1.0% | 1.0% | 2.8% | 2.9% |
東京圏・大阪圏では住宅地・商業地とも上昇幅が拡大したのに対し、名古屋圏は住宅地1.7%から1.5%、商業地2.8%から2.7%へ縮小しています。
ただし、名古屋圏の工業地は2.5%から3.3%へ上昇幅が拡大しています。
「名古屋圏の地価上昇がすべて弱くなった」と一括りにするのではなく、土地用途によって分けて見る必要があります。
愛知県全体では住宅地1.3%、商業地2.5%上昇
愛知県の2026年地価調査では、住宅地・商業地・工業地のすべてで6年連続の上昇となりました。
住宅地は1.3%上昇で前年1.6%から縮小、商業地は2.5%で前年2.7%から縮小しています。一方、工業地は3.2%で、前年2.3%から上昇幅が拡大しました。
地域別では次のようになっています。
| 地域 | 住宅地 | 商業地 |
|---|---|---|
| 名古屋市 | 2.7% | 4.0% |
| 尾張地域 | 1.5% | 2.2% |
| 知多地域 | 1.3% | 0.9% |
| 西三河地域 | 1.1% | 1.9% |
| 東三河地域 | -0.2% | 0.2% |
名古屋市は住宅地・商業地とも県平均を上回っています。
ただし、愛知県内でも地域差は明確です。
これが「愛知県の土地はいくら」「名古屋市の土地はいくら」という平均値だけで不動産を判断できない理由の一つです。
名古屋市16区の地価はどう動いた?
2026年は、名古屋市16区すべてで住宅地・商業地の平均変動率がプラスとなりました。
住宅地の平均変動率
| 区 | 2026年 | 2025年 |
|---|---|---|
| 熱田区 | 5.7% | 5.6% |
| 千種区 | 4.7% | 3.9% |
| 東区 | 4.1% | 3.3% |
| 中村区 | 4.0% | 5.2% |
| 守山区 | 3.6% | 3.0% |
| 中区 | 3.6% | 5.2% |
| 昭和区 | 2.7% | 3.2% |
| 天白区 | 2.7% | 3.1% |
| 名東区 | 2.6% | 3.0% |
| 瑞穂区 | 2.2% | 3.0% |
| 南区 | 2.2% | 2.6% |
| 緑区 | 2.1% | 3.9% |
| 北区 | 1.7% | 1.1% |
| 中川区 | 1.7% | 1.7% |
| 西区 | 1.5% | 2.4% |
| 港区 | 0.4% | 0.7% |
| 名古屋市平均 | 2.7% | 3.0% |
商業地の平均変動率
| 区 | 2026年 | 2025年 |
|---|---|---|
| 熱田区 | 7.8% | 6.2% |
| 千種区 | 6.5% | 7.2% |
| 東区 | 4.8% | 4.2% |
| 北区 | 4.6% | 3.1% |
| 守山区 | 4.5% | 4.3% |
| 昭和区 | 4.3% | 4.6% |
| 中村区 | 4.1% | 4.7% |
| 瑞穂区 | 4.1% | 4.2% |
| 中区 | 4.0% | 3.9% |
| 名東区 | 3.7% | 3.6% |
| 天白区 | 3.6% | 3.7% |
| 西区 | 3.4% | 3.3% |
| 中川区 | 3.0% | 3.8% |
| 緑区 | 2.4% | 3.5% |
| 南区 | 2.1% | 2.4% |
| 港区 | 1.1% | 1.8% |
| 名古屋市平均 | 4.0% | 4.1% |
数字を見ると、「名古屋市の地価」という一つの市場ではなく、区ごとでも動きが異なることが分かります。
さらに実際の不動産売買では、同じ区内でも駅距離、道路、用途地域、土地形状などによって評価は変わります。
「地価が高い場所」と「上昇率が高い場所」は同じではない
今回の地価調査で特に分かりやすいのが、価格水準と上昇率を分けて見る必要があることです。
名古屋市の商業地で価格が最も高い基準地は、中村区名駅3丁目の大名古屋ビルヂングで1㎡当たり1,990万円でした。ただし前年比の変動率は1.0%です。
一方、愛知県の商業地で最も上昇率が高かった地点は熱田区神宮3丁目で、前年比9.8%でした。価格は1㎡当たり50万5,000円です。
つまり、
「現在の価格が高い土地」と
「現在大きく上昇している土地」は別です。
住宅地でも同じです。
愛知県内で住宅地の上昇率が最も高かったのは、中村区則武2丁目の基準地で10.8%上昇しました。
地価を見るときは「いくらなのか」と「どの程度変化しているのか」を分けて考える必要があります。
名古屋市平均239,300円/㎡だから、自分の土地もその価格になるわけではない
2026年地価調査における名古屋市の住宅地の平均価格は1㎡当たり239,300円、商業地の平均価格は1㎡当たり1,172,800円でした。
しかし、この数字に所有地の面積を掛けて「売却価格」を計算する方法は適切ではありません。
地価調査は設定された基準地の正常価格を示すものだからです。
実際の土地売却では、少なくとも次のような条件を確認します。
- 最寄り駅と駅までの距離
- 前面道路の幅員・道路種別
- 接道方向
- 間口と奥行き
- 土地形状
- 高低差や擁壁
- 土地面積
- 用途地域
- 建ぺい率・容積率
- 古家の有無と状態
- 境界・越境
- 駐車スペースを確保しやすいか
- 分筆して利用できるか
- 住宅・共同住宅・店舗など、どの用途に向くか
同じ町内でも土地条件が違えば、購入を検討する買主も変わります。
買主は「地価上昇率」だけを見て土地を買うわけではない
土地所有者から見ると「坪単価」が気になりやすいところですが、買主はその土地をどう使えるかを見ています。
たとえば住宅用地であれば、
「希望する建物が入るか」
「車を何台停められるか」
「道路から出入りしやすいか」
「間口が十分あるか」
といった点が重要になります。
アパート・収益物件用地なら、駅距離だけでなく賃貸需要、建築可能な規模、土地形状なども検討対象です。
店舗・事務所など事業用地であれば、道路条件、周辺の土地利用、交通アクセス、用途地域などの重要性がさらに高くなります。
「地価が上がったから売れる」のではなく、
「この土地なら、どの買主がどのように使えるのか」
まで考えることで、売却価格の意味が分かりやすくなります。
地価調査が上がったから固定資産税も同じ割合で上がるわけではない
土地所有者が地価上昇のニュースを見たとき、気になるのが固定資産税です。
しかし、2026年の地価調査が2.7%上昇したからといって、翌年の固定資産税がそのまま2.7%上がるという仕組みではありません。
固定資産税の土地評価には3年ごとの評価替え、住宅用地の特例、負担調整措置など別の仕組みがあります。名古屋市によると、直近の基準年度は2024年度です。
したがって、
「基準地価上昇率=固定資産税上昇率」
とは考えないようにしてください。
具体的な税額は固定資産税納税通知書や課税明細書で確認する必要があります。
地価が上がったから「今すぐ売るべき」とは限らない
今回の結果だけを見て売却時期を決める必要はありません。
土地を所有している場合には、
| 状況 | 比較したい選択肢 |
|---|---|
| 今後利用予定がない | 売却・賃貸・活用 |
| 将来家族が使う可能性がある | 保有と売却を比較 |
| 駐車場として使用中 | 現在収益と売却した場合を比較 |
| 古家・空き家がある | 現況売却・古家付き土地・解体後売却 |
| 相続予定・相続直後 | 名義・共有関係を先に整理 |
| アパートを所有 | 収益物件としての価値と土地価値を比較 |
地価調査は判断材料の一つです。
「地価が上がった」という理由だけで売却するのではなく、現在の収益、管理負担、将来利用、相続予定、建物状態なども一緒に確認する方が判断しやすくなります。
名古屋市の土地所有者が2026年の地価調査を見て確認したいこと
土地・空き家・相続不動産を所有している方は、まず次の順番で整理してみてください。
1.自分の土地に近い基準地を確認する
名古屋市平均ではなく、周辺の基準地を確認します。
ただし、近い地点だからといって同じ価格になるわけではありません。
2.実際の取引価格も確認する
基準地価と実際の成約価格は別です。
国土交通省の不動産情報ライブラリなどで周辺の取引事例も確認し、できるだけ条件の近い土地を見る必要があります。
3.自分の土地固有の条件を確認する
道路、間口、形状、高低差、用途地域、境界、建物などを確認します。
特に古家付き土地では、先に建物を解体すると選択肢が変わることがあるため、解体前に確認した方がよいでしょう。
4.「誰が買う土地なのか」を考える
戸建住宅用地なのか、建売事業者向けなのか、共同住宅用地なのか、店舗・事務所向けなのか。
想定買主によって土地を見るポイントが変わります。
相談するときに準備しておくと確認しやすい資料
土地や建物の状況を確認する際は、次のような資料があると整理しやすくなります。
- 固定資産税納税通知書・課税明細書
- 登記事項証明書
- 公図
- 地積測量図・確定測量図
- 境界確認書
- 建築確認関係書類
- 建物図面・間取り図
- 賃貸中の場合は賃貸借契約書
- 収益物件の場合はレントロールや修繕履歴
- 相続不動産の場合は相続関係が分かる資料
すべてそろっていなくても相談は可能です。
所在地が分かれば、まず何を確認すべきか整理するところから始められます。
ヒロセット不動産への相談について
2026年の地価調査で名古屋市の住宅地・商業地は引き続き上昇しました。
ただし、地価調査を見ただけでは、所有している土地がいくらで売れるのか、売るべきなのか、保有した方がよいのかまでは分かりません。
まだ売却すると決めていない段階でも、
「現在の土地価格を確認しておきたい」
「相続する土地について家族で話す材料がほしい」
「古家を残すか解体するか迷っている」
「駐車場を続けるか売却するか比較したい」
「アパートの収益と土地価値を比較したい」
といった状況であれば、まず土地条件や選択肢を整理しておく方法があります。
名古屋市・西三河をはじめ愛知県内で土地、空き家、相続不動産、収益物件について迷われている場合は、売却を決める前の状況整理からご相談いただけます。
まとめ|2026年の地価上昇は「自分の土地を確認するきっかけ」として使う
2026年都道府県地価調査では、全国の地価上昇が継続しました。
名古屋市でも住宅地2.7%、商業地4.0%の上昇となり、16区すべてで住宅地・商業地が上昇しています。
ただし区別に見ると変動率には差があり、さらに同じ区内でも駅距離、道路、間口、土地形状、用途地域などによって不動産の評価は変わります。
そのため地価調査は、
「自分の土地が○%値上がりした」
と考えるための数字ではなく、
「現在、自分の土地にはどの程度の需要があり、どのような使い方・売り方が考えられるのか」
を確認するきっかけとして利用するとよいでしょう。
売却するかどうかを決める前に、土地条件・周辺の成約事例・想定買主・保有コストなどを整理しておくことで、今後の判断がしやすくなります。
よくある質問
Q.2026年の名古屋市の住宅地は何%上昇しましたか?
名古屋市の住宅地の平均変動率は前年比2.7%上昇です。前年の3.0%より上昇幅は縮小しましたが、16区すべてで住宅地の平均変動率がプラスとなっています。
Q.名古屋市で住宅地の上昇率が最も高かった区はどこですか?
区平均では熱田区の5.7%が最も高く、次いで千種区4.7%、東区4.1%でした。ただし区平均であり、区内すべての土地が同じ割合で上昇したわけではありません。
Q.地価調査の価格で土地を売却できますか?
地価調査は土地取引の指標の一つですが、そのまま売却価格になるわけではありません。実際の査定では、周辺の取引事例、道路、土地形状、面積、用途地域、建物などを個別に確認します。
Q.地価が上がると固定資産税も同じ割合で上がりますか?
同じ割合で上がるわけではありません。固定資産税には3年ごとの評価替えや負担調整措置、住宅用地特例など別の仕組みがあるため、実際の税額は課税明細書で確認してください。
Q.地価が上がっている今、土地を売った方がよいですか?
地価上昇だけでは判断できません。将来利用、現在の収益、維持管理費、相続予定、建物状態などによって適した選択肢は変わります。売却・保有・賃貸・土地活用を比較して判断することが大切です。
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参考情報
本記事は2026年9月15日に公表された国土交通省・愛知県の令和8年都道府県地価調査を基に作成しています。
国土交通省「令和8年都道府県地価調査の実施状況及び地価の状況」
数値は2026年9月15日公表資料に基づきます。個別の土地価格・売却価格については物件ごとの確認が必要です。



