安城市で工場や倉庫、事業用地を所有していると、「住宅地の坪単価はよく見るけれど、工業地はいくらなのか」と判断に迷うことがあります。

2026年の公的な価格を確認すると、安城市の工業地は地点によって1㎡あたり57,500円~96,400円と大きな差があります。さらに、根崎町の2026年基準地価は69,000円/㎡、新たに造成されている安城北山崎地区工業用地の第1期分譲価格は69,600円/㎡です。レインフォライブラリ

ただし、この数字をそのまま「安城市の事業用地相場」と考えるのは適切ではありません。

工業地は住宅地以上に、用途地域、面積、前面道路、大型車の進入、工場としての利用可否、周辺環境、造成状態によって価格が変わります。

※本記事の情報確認日:2026年10月17日

この記事で分かること

  • 2026年の安城市の工業地価格
  • 東栄町・北山崎町・根崎町の価格差
  • 安城北山崎地区工業用地の分譲価格
  • 公示地価と実際の事業用地価格が違う理由
  • 工場・倉庫用地を査定するときに確認したいポイント

先に結論|2026年の安城市の工業地は約19万~32万円/坪の公的指標がある

2026年に公表された安城市の工業地に関する主な価格を比較すると、次のようになります。

地点・地区価格坪換算価格の種類基準日等
東栄町5丁目96,400円/㎡約31.9万円/坪地価公示2026年1月1日
北山崎町57,500円/㎡約19.0万円/坪地価公示2026年1月1日
根崎町東新切69,000円/㎡約22.8万円/坪地価調査2026年7月1日
安城北山崎地区工業用地69,600円/㎡約23.0万円/坪企業庁分譲価格第1期

東栄町と北山崎町の2026年地価公示を単純平均すると76,950円/㎡、約25.4万円/坪です。

しかし、これはあくまで2つの標準地を機械的に平均した数字です。安城市全体の工場用地が約25万円/坪で売買されるという意味ではありません。

また、地価公示は1月1日時点、地価調査は7月1日時点で評価制度も異なります。愛知県も両者を一般の土地取引の指標として位置付けていますが、個別の売買価格そのものではありません。

東栄町5丁目の工業地は96,400円/㎡|約31.9万円/坪

2026年地価公示の「安城9-1」は、安城市東栄町5丁目26番7外です。

公示価格は、

96,400円/㎡
約31.9万円/坪

です。

前年の91,800円/㎡から5.0%上昇しています。敷地面積は7,637㎡で、用途地域は工業地域。北東側約17.5mの市道に接し、中小工場と一般住宅などが混在する工場地域として評価されています。

国土交通省の鑑定評価書では、この周辺について「中規模工場地」が標準的使用とされ、需要者として地元法人だけでなく全国規模の法人も想定されています。また、鑑定評価上の需要の中心となる単価について「9万円/㎡前後」とされています。

ここから分かるのは、工業地では単に「安城市だからいくら」という見方ではなく、

  • 幹線道路へのアクセス
  • 道路幅員
  • 工場集積
  • 敷地規模
  • 周辺住宅との関係

まで含めて価格が形成されるということです。

北山崎町の工業地は57,500円/㎡|約19.0万円/坪

もう一つの2026年地価公示「安城9-2」は、北山崎町築地1番1外です。

公示価格は、

57,500円/㎡
約19.0万円/坪

です。

前年は51,300円/㎡だったため、2026年の上昇率は12.1%でした。

この地点は約63,987㎡という大規模画地で、用途地域は準工業地域。幅員12mの市道に接し、大規模工場や倉庫などが見られる工業地域です。鑑定評価書では標準的な土地規模を約60,000㎡としています。レインフォライブラリ

特に注目したいのは上昇率です。

国土交通省の2026年地価公示「名古屋圏・工業地」の変動率上位表では、安城9-2の12.1%が1位となりました。

ただし、「北山崎町の土地なら1年で12.1%上昇した」という意味ではありません。

標準地という特定地点の評価であり、周辺の農地、住宅地、市街化調整区域の土地、小規模事業用地などへそのまま当てはめることはできません。

根崎町の工業地は69,000円/㎡|約22.8万円/坪

2026年7月1日時点の愛知県地価調査では、根崎町東新切18番1の工業地が69,000円/㎡、約22.8万円/坪となっています。

前年の66,600円/㎡から約3.6%の上昇です。

敷地面積は962㎡。用途地域は工業専用地域で、幅員8mの市道に接し、中小規模の工場が建ち並ぶ工業地域として設定されています。

東栄町の約7,600㎡、北山崎町の約64,000㎡に対して、根崎町は約960㎡です。

同じ「工業地」でも土地規模がまったく異なるため、この3地点を単純に坪単価だけで比較すると実態を見誤る可能性があります。

安城北山崎地区の新しい工業用地は69,600円/㎡

安城市北山崎町・尾崎町では、愛知県企業庁による「安城北山崎地区工業用地」の造成が進んでいます。

第1期の正式な分譲単価は、

69,600円/㎡
約23.0万円/坪

です。

第1期は約7.6ha・2区画で、募集業種は製造業、引渡しは2028年10月予定です。2026年5月29日で第1期の分譲申込受付は終了しています。2026年10月17日の確認時点では、愛知県企業庁の「分譲・リース用地のご案内」で安城北山崎地区の分譲状況は「交渉中」と表示されています。分譲状況は今後変わる可能性があるため、最新情報は愛知県企業庁の用地一覧で確認してください。

ここで注意したいのが、同じ北山崎町でも、

地価公示 57,500円/㎡
企業庁分譲価格 69,600円/㎡

と価格が異なることです。

これは矛盾ではありません。

地価公示の標準地と企業庁の新規造成地では、場所、面積、造成状況、道路やインフラ、引渡条件、分譲条件、価格時点が異なります。

したがって、「工業団地が69,600円/㎡だから、自分の土地も69,600円/㎡で売れる」と考えることも、「公示地価が57,500円/㎡だから、それ以上では売れない」と考えることも適切ではありません。

公的価格の差をそのまま個別査定に使わない

東栄町・北山崎町・根崎町は、同じ安城市の工業地でも敷地規模、道路、用途地域、周辺環境などが大きく異なります。また、安城北山崎地区工業用地の分譲価格は、新規造成地としての道路・インフラ・引渡条件等を含む価格であり、既存の一般所有地へそのまま当てはめることはできません。

工場・倉庫を個別に査定するときの大型車動線、建物・設備の再利用価値、電力・クレーン等の評価は、安城市の工場・倉庫は査定で何を見る?で詳しく確認できます。

土壌・既存杭・地中埋設物・アスベストは工場跡地のチェックリスト、土壌汚染が判明・指定されている土地の制度・契約は土壌汚染地の売却記事をご覧ください。

安城市の工業地は上がっている?2026年の数字の読み方

2026年の公表資料を見る限り、今回確認した安城市の工業地では前年より高い価格が示されています。

特に北山崎町の公示地価は前年比12.1%上昇し、名古屋圏工業地の変動率上位表で1位でした。

国土交通省掲載の鑑定評価書でも、西三河の工業地について需要が強い状況や、安城北山崎地区への企業の立地意向が価格形成要因として挙げられています。

一方で、これを理由に「安城市の工業地は今後も上がる」と断定することはできません。

企業投資、金利、景気、自動車関連産業の設備投資、土地供給、個々の土地条件によって実際の取引価格は変わります。

個別価格は公的データとは別に査定する

このページの公示地価・地価調査・企業庁分譲価格は、安城市の工業地・事業用地の価格水準を比較するための資料です。所有地の個別価格は、用途地域、道路、面積・形状、建物・設備、インフラ、想定買主などを確認して別に査定します。

具体的な査定の見方は安城市の工場・倉庫は査定で何を見る?、売却前の建築資料・設備所有・境界・契約・引渡準備は工場・倉庫を売る前のチェックリストで詳しく確認できます。

公的価格と個別査定は分けて考える

本記事では、2026年に公表されている工業地の地価公示・地価調査と、安城北山崎地区工業用地の分譲価格を比較しています。個別物件の売却準備・必要資料・契約条件は、物件の状況に応じて関連記事で確認してください。

ヒロセット不動産への相談について

安城市の工場・倉庫・事業用地については、売却すると決める前でも価格や土地条件を整理できます。

「工場を閉鎖するかまだ決まっていない」
「隣接地を含めれば事業用地として価値が変わるのか知りたい」
「住宅地の相場ではなく、工場用地として査定してほしい」
「建物を残すか、更地にするか比較したい」

という段階でも、まず土地の用途、道路、規模、建物、想定される買主を確認することが重要です。

工業地は一般住宅とは買主層も評価方法も異なるため、価格だけでなく「どの企業が利用できる土地なのか」まで整理してから売却方法を検討すると判断しやすくなります。

まとめ|安城市の工業地は「約○万円/坪」だけでは判断できない

2026年の公的な価格を見ると、安城市では、

東栄町 約31.9万円/坪
北山崎町 約19.0万円/坪
根崎町 約22.8万円/坪
北山崎地区工業用地の分譲価格 約23.0万円/坪

という数字が確認できます。レインフォライブラリ

しかし、これは安城市の事業用地が19万~32万円/坪で売買できるという意味ではありません。

工場・倉庫用地では、用途地域、道路、面積、形状、造成状態、インフラ、既存建物、買主企業の用途によって評価が大きく変わります。

売却を決める前でも、自分の土地が「住宅地として見る土地なのか」「工場・事業用地として評価できる土地なのか」を整理しておくと、価格を比較しやすくなります。

よくある質問

Q.2026年の安城市の工業地はいくらですか?

2026年地価公示では、東栄町5丁目が96,400円/㎡、北山崎町が57,500円/㎡です。坪換算では約31.9万円と約19.0万円ですが、この2地点を安城市全体の売買相場として使うことはできません。レインフォライブラリ

Q.安城北山崎地区の69,600円/㎡を周辺土地の査定に使えますか?

そのまま使うことはできません。69,600円/㎡は愛知県企業庁が造成する工業用地の第1期分譲価格です。一般の土地とは造成状態、道路、面積、分譲条件などが異なるため、参考指標の一つとして考える必要があります。安城シティ

Q.工業地域なら工場用地として高く売れますか?

用途地域だけでは判断できません。前面道路、大型車の進入、土地面積や形状、周辺環境、インフラ、既存建物などによって企業が利用できるかが変わります。買主候補まで想定して査定する必要があります。

Q.市街化調整区域でも工場・事業用地として売れますか?

可能なケースはありますが、都市計画法上の開発許可など個別確認が必要です。「周辺に工場がある」という理由だけで新たな工場建築が可能とは判断できません。売却前に用途と許認可の確認が必要です。

Q.古い工場は解体してから売った方がよいですか?

先に解体するとは限りません。既存建物を利用したい企業がいる場合は建物付きの方が検討しやすいこともあります。建物状態、用途、解体費、買主層を比較してから判断する方がよいでしょう。

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参考情報

愛知県「愛知県地価情報(地価調査・地価公示)」
愛知県の地価情報

国土交通省 不動産情報ライブラリ「安城9-1 鑑定評価書」
東栄町5丁目の鑑定評価書

国土交通省 不動産情報ライブラリ「安城9-2 鑑定評価書」
北山崎町の鑑定評価書

愛知県企業庁「分譲・リース用地のご案内」
愛知県企業庁の産業用地情報

安城市「安城北山崎地区工業用地造成事業」
安城市の安城北山崎地区工業用地造成事業