名古屋駅の南側、名古屋市中村区名駅南一丁目で、野村不動産によるオフィスビル「(仮称)H¹O名古屋」の計画が進んでいます。
名古屋市が公開したCASBEE名古屋の届出資料によると、計画地は名駅南一丁目2313番、建物は地上12階、延床面積約3,720㎡、2028年5月竣工予定です。名古屋市の公表資料ではCASBEE評価はB+となっています。
単に新しいオフィスビルが1棟建つというだけでなく、構造体の一部木造化、屋上テラス、太陽光パネルなども計画されています。
この記事では、現在確認できる計画概要とH¹Oとはどのようなオフィスなのか、さらに名駅南のまちづくりや周辺不動産を見るうえで注目したい点まで整理します。
この記事で分かること
- (仮称)H¹O名古屋の建設場所・規模・竣工予定
- H¹Oがどのようなサービスオフィスなのか
- 建物に予定されている木造化・屋上テラスなどの特徴
- 名駅南地区で進むまちづくりとの位置関係
- 周辺の土地・ビル所有者が今後確認しておきたいポイント
先に結論|名駅南一丁目に地上12階のオフィスビルを計画
名古屋市が2026年度に受け付けた建築物環境計画書では、「(仮称)H1O名古屋」が名古屋市中村区名駅南一丁目2313番で計画されています。
現在確認できる概要は次のとおりです。
| 項目 | 公表内容 |
|---|---|
| 建物名称 | (仮称)H1O名古屋 |
| 所在地 | 名古屋市中村区名駅南一丁目2313番(地番) |
| 用途 | 事務所等 |
| 階数 | 地上12階 |
| 構造 | S造を基本とする計画 |
| 敷地面積 | 約430㎡ |
| 建築面積 | 約319㎡ |
| 延床面積 | 約3,720㎡ |
| 竣工予定 | 2028年5月 |
| CASBEE名古屋 | B+ |
| 建築主 | 野村不動産 |
| 着工 | 2026年11月上旬予定との報道 |
建通新聞は2026年7月30日、野村不動産が旧「笹島ビル」跡地に「(仮称)H¹O名古屋」を新築し、11月上旬の着工を予定していると報じています。
なお、工事時期や建物仕様は今後変更される可能性があります。
建設場所は旧「笹島ビル」跡地
計画地は、
名古屋市中村区名駅南一丁目2313番
です。
名古屋駅東側から名駅通を南へ進み、笹島交差点からさらに南側へ進んだ名駅南エリアに位置します。
ここには以前「笹島ビル」がありました。建通新聞も今回の計画を笹島ビル跡地での開発として報じています。
旧笹島ビルについては、以前の所有者であるトーシンホールディングスの開示資料から、土地面積429.37㎡、地下1階・地上9階建ての建物だったことが確認できます。同社は2025年1月31日に土地・建物の引き渡しを完了しています。
今回の計画では、同程度の敷地に地上12階、延床面積約3,720㎡の新しいオフィスビルが整備されることになります。
H¹Oとはどのようなオフィス?
H¹O(エイチワンオー)は、野村不動産が展開するサービス付き小規模オフィスです。
一般的な賃貸オフィスとは異なり、専用個室に加えて受付、会議室、ラウンジなどを共有することで、企業が自社だけで共用設備を用意する負担を抑える仕組みになっています。
野村不動産は、スタートアップ企業やベンチャー企業、支店・支社、大企業の分室、プロジェクト単位の利用などを想定したオフィスとしてH¹Oを展開しています。
つまり今回の計画は、一般的な大規模オフィスタワーとは少し性格が異なります。
名駅南に、比較的小規模な企業や少人数拠点でも利用しやすいサービスオフィスが新築される計画として見ることができます。
名古屋ではH¹O名古屋栄も建設中
名古屋市内では、中区錦三丁目で「H¹O名古屋栄」の開発も進んでいます。
H¹O名古屋栄は栄駅徒歩3分、久屋大通駅徒歩2分の場所で、2027年2月竣工、2027年3~4月の開業予定です。
野村不動産が2025年12月に公表したH¹Oシリーズの供給予定には、
- H¹O名古屋栄:2027年3月開業予定
- 東海エリア「名古屋PJ」:2028年5月開業予定
という2案件が掲載されています。
一方、2026年10月26日時点のH¹O公式物件一覧では、名古屋エリアに掲載されているのはH¹O名古屋栄のみで、今回の名駅南一丁目の計画について個別物件ページはまだ確認できません。
そのため、「名古屋PJ」と今回の「(仮称)H1O名古屋」の関係については、今後の野村不動産による正式発表を確認する必要があります。
注目したいのは「一部木造化」と屋上テラス
今回の計画では、建物の規模だけでなく環境面の設計にも特徴があります。
名古屋市に提出されたCASBEE名古屋資料では、次の内容が確認できます。
- 貸事務室への換気・採光の確保
- 入居テナントが利用できるラウンジ
- 屋上テラス
- 敷地内の緑化
- 屋上への太陽光パネル設置
- 構造体の一部木造化
- 屋上設備を目立たせない目隠しパネル
特に「構造体を一部木造化」と明記されている点は注目できます。
資料では、室内環境の価値向上に加え、S造と比較したCO2排出量の低減を図る目的が示されています。
ただし、具体的にどの部分へ木材を使用するのか、構造形式や使用量などの詳細は、現在公開されている資料だけでは確認できません。
CASBEE名古屋はB+評価
名古屋市の届出一覧では、「(仮称)H1O名古屋」のCASBEE名古屋評価はB+です。
CASBEEは、建物の省エネルギー性能だけを見る制度ではありません。
室内環境、サービス性能、資源利用、周辺環境への配慮などを含め、建築物の環境性能を総合的に評価する仕組みです。
なお、名古屋市は、公開しているCASBEE結果について「届出者が自己評価した結果であり、名古屋市が認証したものではない」と説明しています。
そのため「名古屋市がB+を認定した」という表現は正確ではありません。
なぜ名駅南のオフィス開発に注目するのか
今回の計画を考える際は、建物単体だけでなく「名駅南」という場所も見ておきたいところです。
名古屋市は2024年3月に「名駅南まちづくり方針」を策定しています。
名駅南について、名古屋駅だけでなく柳橋、ささしま、伏見・栄・大須などとつながり、都心部の回遊性を高める重要な地域と位置付けています。 名古屋市公式ウェブサイト
方針では、
「創造・交流タウン名駅南」
を将来像として掲げ、
- ウォーカブルなまちづくり
- 公民の投資によるまちの再生
- 新しい挑戦を支えるクリエイティブなまちづくり
- 地域主体のまちづくり
を進めるとしています。
実際に名古屋市と地域のまちづくり協議会による道路空間を活用した社会実験なども実施されています。 名古屋市公式ウェブサイト
「名古屋駅前」だけでなく名駅南を見る必要がある
名古屋駅周辺の不動産というと、名駅一丁目・名駅三丁目など駅前の大型ビルへ目が向きやすいですが、名駅南では既存ビルの更新や企業移転、新築マンションなど複数の動きが続いています。
2026年9月には、ネオジャパン名古屋営業所がJPタワー名古屋から名駅南二丁目の住友生命名古屋ビルへ移転する動きもありました。
今回のH¹O計画は既存オフィスへの企業移転ではなく、旧ビルを解体した敷地に新しいサービスオフィスを建設する計画です。
同じ「オフィス関連ニュース」でも、不動産の動きとしては性格が異なります。
周辺の土地・ビル所有者は何を見ればよい?
新しいオフィスビルができると、
「周辺の土地価格も上がるのでは?」
と考える方もいるかもしれません。
しかし、H¹Oが1棟建設されることだけを理由に、周辺地価やビル価格が上昇すると判断することはできません。
周辺に土地やビルを所有している場合は、むしろ今後、
どのような企業が入居するのか、どの程度のオフィス需要があるのか、名駅南で既存建物の更新がどこまで進むのか
を見ることが重要です。
特に事業用不動産では、
土地価格だけでなく、
テナント需要、賃料、空室率、建物築年数、建替え可能規模、道路条件、用途地域、容積率、建築コストなどによって判断が変わります。
新築オフィスの動きは地域を見る材料の一つですが、個別の不動産価値とは分けて考える必要があります。
今後確認したいのは正式名称・開業時期・募集内容
2026年10月26日時点では、建物概要については名古屋市のCASBEE資料などからかなり具体的な内容が確認できます。
一方、H¹O公式サイトでは今回の物件の個別ページはまだ公開されていません。
今後確認したいのは、
- 正式な施設名称
- 正式な開業予定日
- 募集開始時期
- 個室数・対応人数
- 各フロアの構成
- 共用ラウンジや屋上テラスの詳細
- 賃料・利用料金
- 建物完成予想図
などです。
特に「2028年5月竣工」と「2028年5月開業」は意味が異なります。
名古屋市資料で確認できるのは2028年5月の竣工予定です。開業時期については、今後の野村不動産による正式な物件発表を確認するのが確実です。
ヒロセット不動産への相談について
名駅・名駅南周辺で新築ビルや企業移転が続くと、
「自分のビルは今後もこのまま保有した方がよいのか」
「建て替えた場合にどの程度の建物が建てられるのか」
「土地として売却した場合と収益物件として売却した場合で何が違うのか」
と考えることもあるでしょう。
事業用不動産は、周辺の開発ニュースだけでは判断できません。
現在の賃料、テナント、建物状態、道路、用途地域、容積率、土地形状などを整理すると、保有・建替え・売却・活用を比較しやすくなります。
売却すると決めていない段階でも、不動産の条件を整理することはできます。
まとめ|名駅南一丁目でH¹Oの新しいオフィス計画が具体化
「(仮称)H1O名古屋」は、名古屋市中村区名駅南一丁目2313番で計画されている地上12階のオフィスビルです。
名古屋市の資料では、敷地面積約430㎡、延床面積約3,720㎡、2028年5月竣工予定となっています。
屋上テラス、太陽光パネル、緑化に加え、構造体の一部木造化も計画されている点が特徴です。
名駅南では、名古屋市によるウォーカブルなまちづくりも進められています。
今回の1棟だけで周辺不動産の将来価格を判断することはできませんが、既存ビルの更新や企業移転、新しいオフィス供給などを継続して確認していくことで、名駅南の土地利用がどのように変化しているのかが見えやすくなります。
よくある質問
Q.(仮称)H¹O名古屋はどこにできますか?
名古屋市中村区名駅南一丁目2313番です。旧笹島ビル跡地で、名駅通沿いの名駅南エリアに位置します。
Q.何階建てですか?
名古屋市のCASBEE名古屋届出資料では地上12階です。延床面積は約3,720㎡、敷地面積は約430㎡となっています。
Q.いつ完成しますか?
名古屋市の公開資料では2028年5月竣工予定です。ただし、工事スケジュールは今後変更される可能性があります。
Q.「H¹O名古屋名駅南」が正式名称ですか?
2026年10月26日時点でも確認できません。名古屋市資料と建設関連情報では「(仮称)H1O名古屋」とされています。H¹O公式物件一覧には名古屋栄のみが掲載されており、名駅南計画の正式名称は今後の野村不動産の発表を確認する必要があります。
Q.H¹Oができると名駅南の不動産価格は上がりますか?
この計画だけを理由に地価やビル価格が上昇すると判断することはできません。不動産価値は駅距離、土地条件、用途地域、建築可能規模、賃料、テナント需要、周辺開発などを個別に確認する必要があります。
関連記事
名駅南へ移転した企業の動き
株式会社ネオジャパン名古屋営業所が名駅南へ移転
名古屋市で不動産売却・活用を考えている方へ
名古屋市の不動産売却相談|土地・空き家・相続・収益物件
中村区の土地・建物を所有している方へ
名古屋市中村区で不動産売却前に確認したいこと
参考情報
名古屋市「令和8年度7月から9月までのCASBEE名古屋届出一覧」
名古屋市「(仮称)H1O名古屋 CASBEE結果・重点項目シート」
※計画内容は2026年10月26日時点で確認できる公表資料に基づきます。名称・竣工時期・施設内容などは今後変更される可能性があります。



