9月22日の夜、東京行きの通常列車が終わったあとの名古屋駅に、少し変わった新幹線が入ってきました。
JR東海の特別列車「東海道ルミエールエクスプレス」です。
名古屋駅を22時54分に出発して、東京駅に着くのは翌朝6時54分。通常なら2時間もかからない名古屋―東京を、あえて約8時間かけて走ります。
途中の新富士駅では深夜から早朝まで約6時間停車。乗客はそのまま新幹線の車内で夜を過ごします。
「なぜ新幹線でわざわざ一晩?」
そう思う人もいるかもしれません。
ただ、早く着くことだけが移動の便利さではありません。夜まで名古屋で過ごして、朝一番から東京で動ける。そんな新幹線の新しい使い方を試す列車として、ちょっと気になる存在です。
東海道ルミエールエクスプレスとは?
東海道ルミエールエクスプレスは、JR東海が2026年に企画した「夜に出発し、翌朝に目的地へ到着する」特別列車です。
第1弾は8月8日夜に東京を出発し、翌朝に京都・新大阪へ向かう下り列車として運行されました。
そして第2弾として、9月22日夜に新大阪から東京へ向かう上り列車が運行されました。
今回大きく変わったのが、名古屋駅から乗れるようになったことです。
運行時刻は、
新大阪 22時03分発
京都 22時18分発
名古屋 22時54分発
新横浜 翌朝6時35分着
品川 翌朝6時47分着
東京 翌朝6時54分着
となっていました。
第1弾では名古屋から乗ることはできませんでしたが、今回は名古屋が正式に乗車駅に加わりました。
名古屋から東京まで約8時間。
速さが売りの新幹線として考えると、かなり不思議な列車です。
夜中は何をしている?新富士駅で約6時間停車
名古屋を出た新幹線が、そのままゆっくり東京まで走り続けるわけではありません。
午前0時ごろになると静岡県の新富士駅に入り、翌朝6時ごろまで約6時間停車します。
その間、乗客は基本的に車内で過ごします。
新富士駅に到着したあとと出発前には、それぞれ30分程度ドアが開けられ、係員の案内のもとで改札内の自動販売機などを利用できる仕組みでした。改札の外へ出ることはできません。
つまり、
「夜中も走り続ける夜行新幹線」
というより、
「夜に出発して、新幹線の中で一晩過ごし、朝になってから東京へ向かう列車」
と考えた方が近そうです。
「早く着く」ためではなく、「朝から動く」ための新幹線
名古屋から東京まで行くだけなら、もちろん普通の新幹線を利用した方が早いです。
では、なぜわざわざ8時間もかけるのでしょうか。
この列車のおもしろいところは、移動時間そのものではなく、前日の時間を長く使えることにあります。
たとえば、
夜まで名古屋で仕事をする。
イベントや食事を楽しんでから駅へ向かう。
新幹線に乗って車内で夜を過ごす。
翌朝7時前には東京に到着する。
という使い方ができます。
ホテルへ泊まって翌朝移動するのとも、最終の新幹線で前日に東京へ行くのとも違います。
JR東海ツアーズも今回の列車について、旅行先での滞在時間をより長く確保できることを特徴として案内していました。
実際に名古屋から多くの人が乗車
9月22日夜の名古屋駅では、東京行きの通常列車が終わった時間帯に東海道ルミエールエクスプレスが入線しました。
メ~テレによると、第2弾全体では477人が乗車。
名古屋から乗った人からは、「名古屋に止まるということですぐ申し込んだ」「普段できない体験をしてみたい」といった声も紹介されています。
目的地へできるだけ早く移動するためではなく、
「深夜の新幹線に乗ってみたい」
「新幹線の中で夜を過ごしてみたい」
という、列車そのものを楽しむ人も少なくなかったようです。
速さや効率を突き詰めてきた東海道新幹線で、あえて時間をかける。
そこが、この列車のおもしろさなのかもしれません。
「ルミエール」という名前の意味
ルミエール(Lumière)は、フランス語で「光」を意味します。
JR東海は、翌朝から目的地で時間を使える列車の特徴を「朝の光」や「新しい一日の始まり」というイメージで表現したと説明しています。
夜に乗り込み、朝になって目的地へ到着する列車には、確かに合った名前です。
これから定期的に走るようになる?
気になるのは今後です。
2026年10月27日時点で、東海道ルミエールエクスプレスが通常の定期列車になることや、第3弾を運行することはJR東海から発表されていません。
JR東海は、今回の利用状況や実際に運行した際の課題などを踏まえ、今後について検討していくとしています。
第1弾は東京から関西へ。
第2弾では反対方向となる新大阪から東京へ運行され、さらに名古屋から乗れるようになりました。
次があるのか。
名古屋から再び乗れるのか。
旅行商品として時々登場する列車になるのか。
現時点では分かりません。
ただ、第1弾で終わらず第2弾まで実施されたことを考えると、今後の動きは引き続き見ておきたいところです。
名古屋から東京への移動は、まだ変わるかもしれない
東海道新幹線というと、
「名古屋から東京まで何分で行けるか」
という速さに目が向きがちです。
今回の列車は少し違います。
22時54分まで名古屋にいられる。
そして翌朝7時前には東京にいる。
移動にかかる時間ではなく、一日のどの時間を移動に使うかという発想です。
毎日必要な列車ではないでしょう。
それでも、旅行、イベント、スポーツ観戦、出張など、使い方によっては「こういう新幹線があれば便利」という人はいるはずです。
新幹線は完成された交通手段のようにも見えますが、使われ方にはまだ新しい形があるのかもしれません。
地域を見るうえでも交通の変化はおもしろい
不動産会社のブログなので、最後に少しだけ地域との関係にも触れておきます。
今回の特別列車が走ったからといって、名古屋の土地価格やマンション価格が変わるという話ではありません。
一度の特別列車と不動産価格を直接結び付けるのは無理があります。
ただ、街を見るときに「駅まで何分」という距離だけではなく、
・どこへ行けるのか
・何時まで移動できるのか
・乗り換えはしやすいのか
・休日にはどんな使われ方をするのか
といった交通の使われ方を見るのは、おもしろい視点です。
鉄道、新しい道路、店舗、工場、マンション、公園。
こうした地域の小さな変化を追っていくと、その街が少しずつどう変わっているのかが見えてきます。
不動産の売却や購入だけでなく、西三河や名古屋周辺で起きている街の変化についても今後紹介していきます。
まとめ
2026年9月22日夜、「東海道ルミエールエクスプレス」の第2弾が新大阪から東京へ向けて運行され、今回は初めて名古屋駅からも乗車できました。
名古屋を22時54分に出発し、東京に着くのは翌朝6時54分。
途中の新富士駅で約6時間停車し、新幹線の中で一晩を過ごします。
速く移動するための新幹線ではなく、夜の時間そのものを移動に使うという、ちょっと変わった新幹線です。
次回の運行はまだ確認できませんが、「名古屋からまた乗れるのか」は気になるところ。
今後の発表にも注目していきたいと思います。
よくある質問
東海道ルミエールエクスプレスは普通に切符を買えば乗れますか?
今回の列車は通常の新幹線指定席として販売されたものではなく、JR東海ツアーズの専用旅行商品として販売されました。2026年9月運行分の受付はすでに終了しています。
名古屋から東京まで何時間かかりましたか?
名古屋駅を22時54分に出発し、東京駅には翌朝6時54分に到着する設定でした。約8時間ですが、その大部分は新富士駅での深夜停車です。
新富士駅で降りられますか?
自由に駅の外へ出ることはできませんでした。停車中に一定時間ドアが開き、係員の案内で改札内の自動販売機などを利用できる運用でした。
次回も名古屋から乗れますか?
2026年10月27日時点でも次回運行は確認できません。JR東海は第2弾の利用状況や運行上の課題を踏まえ、今後の商品・サービスを検討するとしています。
東海道ルミエールエクスプレスは定期列車になる予定ですか?
現時点で定期列車化は発表されていません。今回も専用旅行商品を購入した人が利用する特別列車として運行されました。
参考情報
・JR東海「東海道新幹線の特別列車『東海道ルミエールエクスプレス』をシルバーウィーク期間に上り方面で運行します!」
・JR東海ツアーズ「東海道ルミエールエクスプレス」
・メ~テレ「名古屋から乗れる“夜行新幹線”『東海道ルミエールエクスプレス』特別な夜の過ごし方は?」
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