豊橋市三弥町に、調味料メーカーのコーミ株式会社の新工場「三弥工場」が完成し、2026年9月から操業を開始しました。

コーミは2026年9月1日に落成式を実施。新工場は犬山工場の設備・機能を引き継ぎ、主力の「こいくちソース」などを製造する新たな生産拠点となります。コーミ公式資料では、所在地は愛知県豊橋市三弥町字新大口1番8号まで確認できます。

今回の新工場は、単に「豊橋市に工場が1つ増えた」という話だけではありません。

立地する三弥地区は、国道1号や国道23号名豊道路へのアクセスを意識して整備された工業団地です。周辺に土地を所有している方にとっても、「工場ができたから土地価格が上がる」と考えるのではなく、都市計画、農地、道路、大型車の動線などを確認する材料になる動きです。

この記事では、コーミ三弥工場の概要と、三弥地区の土地利用を不動産の視点から整理します。

この記事で分かること

  • コーミ三弥工場の所在地・規模・操業時期
  • 犬山工場から豊橋へ生産拠点を移した背景
  • 三弥工業団地がどのような場所なのか
  • 工場進出を見るときに土地所有者が確認したいポイント
  • 工場新設と周辺不動産価格を単純に結び付けられない理由

先に結論|三弥工場は「豊橋への生産拠点集約」を示す動き

コーミ三弥工場は、老朽化していた犬山工場の機能を豊橋市へ移し、生産体制を再編する目的で整備された工場です。

2026年6月1日に竣工式が行われ、犬山工場から設備・機能を移設。その後、9月1日に落成式が行われています。2026年9月から操業開始とされ、食品新聞も9月11日付で新工場の本格稼働を報じています。

不動産の視点で注目したいのは、工場そのものだけではありません。

三弥地区は、国道1号や国道23号名豊道路へのアクセスを背景に計画的に整備された工業団地です。一方、その周辺には市街化調整区域や農地もあるため、「工場の近くなら同じように事業用地にできる」とは限りません。地番ごとの確認が必要です。

コーミ三弥工場の概要

コーミが公表した資料を整理すると、三弥工場の概要は次のとおりです。

項目内容
名称コーミ三弥工場
所在地愛知県豊橋市三弥町字新大口1番8号
敷地面積10,665.30㎡
延床面積7,849.11㎡
建築面積5,505.54㎡
竣工2026年6月
竣工式2026年6月1日
落成式2026年9月1日
操業開始2026年9月
主な生産品目デラックスこいくちソース、焼そばソースを中心とするウスターソース類
生産能力30t/日
従業員数約30人

なお、2025年5月の建設発表時点では、投資額は42億円予定とされていました。これは計画段階の金額であり、最終的な確定投資額として公表されたものとは区別して見る必要があります。

なぜ犬山工場から豊橋市へ移転したのか

今回の三弥工場新設には、大きく「老朽化対策」と「生産拠点の再編」という2つの背景があります。

コーミは犬山工場で長年「こいくちソース」をはじめとする商品を生産してきましたが、犬山工場の老朽化や生産効率上の課題から、新工場への移転を計画しました。

犬山工場は2026年5月29日で製造を停止し、設備や機能を三弥工場へ移設しています。

さらに豊橋市には、コーミの既存の豊橋工場や、加工用トマトに関連する農業とのつながりがあります。

つまり今回の移転は、単なる建物の建て替えではなく、生産機能を豊橋エリアへ集約しやすくする再編として見ることができます。

三弥工場は「製造するだけ」の工場ではない

三弥工場には、生産設備だけでなく、工場見学ルート、キッチンスペース、セミナー室なども設けられています。

コーミは、ソースやトマトケチャップ作りの体験、食育講座、地域学生の学習、OEM製造を検討する企業への見学などにも活用する方針を示しています。

そのため三弥工場は、

「製造拠点」

だけでなく、

「企業と地域・消費者が接点を持つ拠点」

として位置付けられている点が特徴です。

ただし、一般向け工場見学の受付方法や見学開始時期などの詳細は、今回確認した公式情報だけでは確認できません。実際に見学を希望する場合は、コーミ公式サイトで最新情報を確認する必要があります。

三弥工業団地はどのような場所?

三弥工場が立地する周辺を理解するうえで重要なのが「三弥工業団地」です。

豊橋市の地区計画では、三弥工業団地は豊橋市三弥町字新大口・新水洗、細谷町の一部に位置し、面積は約17.3haとされています。

この地区の大きな特徴が道路アクセスです。

豊橋市の地区計画資料では、

  • 国道1号から約0.8km
  • 国道23号名豊道路・細谷インターチェンジから約1.8km

という位置関係が示されています。

工場や物流施設などの事業用不動産では、住宅とは土地の評価基準が異なります。

駅徒歩だけでなく、大型車両の出入り、幹線道路までの距離、従業員の通勤、原材料や製品の輸送、排水・電力・ガスなどのインフラが重要になるためです。

三弥工業団地は市街化調整区域でも工場利用ができるよう計画されている

不動産所有者が特に注意したいのが、都市計画上の扱いです。

豊橋三弥地区工業用地は、都市計画上は市街化調整区域ですが、「三弥工業団地地区計画」が定められています。

ここが非常に重要です。

一般に、

「市街化調整区域だから工場を建てられない」

とも、

「三弥町だから工場を建てられる」

とも一律には判断できません。

工業団地として地区計画が定められている土地と、その外側の農地や土地では条件が異なるからです。

同じ三弥町や細谷町であっても、

  • 工業団地地区計画の区域内か
  • 市街化区域か市街化調整区域か
  • 農地か宅地か
  • 農用地区域に含まれていないか
  • 接する道路は何か
  • 開発許可等が必要か

によって利用できる用途は変わります。

「近くに大きな工場があるから、自分の土地も企業へ売れるのではないか」と考える場合ほど、最初に都市計画と土地の指定を確認することが大切です。

三弥工業団地では企業立地がすでに進んでいる

豊橋市が2026年1月5日付で更新した三弥地区工業用地の情報では、9区画のうち多くが契約済みとなっています。

一方で、区画2については分譲面積6,186.40㎡、分譲価格238,232,077円として分譲情報が掲載されています。

これは愛知県企業庁が造成・分譲している工業団地の情報であり、周辺の一般民有地の相場を示すものではありません。

工業団地の分譲価格を、

「三弥町の土地はこの単価で売れる」

という形で周辺土地の査定へそのまま使用することは適切ではありません。

工業団地では造成状態、道路、インフラ、地区計画、区画規模などが整えられているため、一般の農地や未造成地とは条件が大きく異なるからです。

コーミ三弥工場の稼働で周辺不動産価格は上がる?

現時点で、三弥工場の稼働だけを理由に「周辺の土地価格が上がる」と判断できる根拠は確認できません。

工場の進出は地域の企業集積や雇用を見る材料の一つにはなります。

ただし、実際の不動産価値は、

確認項目事業用地で見るポイント
都市計画工場・倉庫等を建築できる土地か
道路大型車が進入・転回できるか
接道建築・開発に必要な条件を満たすか
土地面積事業計画に必要な規模を確保できるか
土地形状建物・駐車場・搬入路を配置しやすいか
高低差造成工事が必要か
排水工場排水・雨水処理をどうするか
インフラ電力・水道・ガス等を確保できるか
周辺環境住宅との距離や操業への制約がないか
農地農地転用等の確認が必要か

などを総合的に確認して決まります。

工場が近いというだけで事業用地になるわけではありません。

逆に、現在は農地や遊休地に見える土地でも、行政計画や道路条件を確認することで、将来の利用方法を整理できる場合があります。

三弥町・細谷町周辺で土地を所有しているなら何を確認する?

三弥工場の稼働をきっかけに、自分の土地について考える場合は、「売るかどうか」から決める必要はありません。

まず確認したいのは、その土地で何ができるのかです。

特に三弥町・細谷町周辺では、市街化調整区域、地区計画、農地、工業団地などが関係するため、土地の場所によって条件が大きく変わります。

最初に、

「住宅用地なのか」

「農地として残す土地なのか」

「事業用地として検討できる可能性があるのか」

を整理すると、その後の売却・賃貸・保有判断がしやすくなります。

工場や企業進出を見るときは「買う企業の目線」で考える

事業用地を探している企業は、単純に坪単価の安い土地を選んでいるわけではありません。

土地代が安くても、

  • 道路拡幅が必要
  • 大きな造成工事が必要
  • 排水設備が必要
  • 農地転用に時間がかかる
  • 開発許可の見通しが立たない
  • 大型車が進入できない

といった土地では、結果的に事業全体のコストが高くなる場合があります。

反対に、取得価格が多少高くても、許認可、道路、造成、インフラが整い、早く操業できる土地の方が企業にとって使いやすい場合があります。

事業用地では「坪単価」だけでなく、取得してから実際に事業を始めるまでの総費用と時間を見ることが重要です。

土地所有者が避けたい3つの判断

「工場の近くだから工場用地として売れる」と考える

同じ町内でも都市計画や農地指定は異なります。

まず地番を特定し、都市計画・農地・道路を確認します。

先に造成や農地転用の準備を進める

想定する企業や用途によって必要な敷地条件は異なります。

利用方法が決まる前に造成すると、かえって買主候補を狭める可能性があります。

工業団地の分譲価格を自分の土地に当てはめる

造成済み工業団地と一般民有地では条件が違います。

取引を考える場合は、道路、造成費、許認可、面積、形状などを含めて個別に評価する必要があります。

不動産会社へ相談する前に準備できる資料

三弥町・細谷町周辺の土地について整理する場合は、次の資料があると確認が進みやすくなります。

  • 固定資産税納税通知書・課税明細書
  • 登記事項証明書
  • 公図
  • 地積測量図・確定測量図
  • 境界確認書
  • 農地関係資料
  • 土地改良区関係資料
  • 過去の売買契約書
  • 道路・水路に関する資料
  • 現地写真

すべて揃っていなくても相談は可能です。

まず所在地や地番が分かれば、「次に何を調べるべき土地なのか」を整理することから始められます。

ヒロセット不動産への相談について

コーミ三弥工場の新設は、豊橋市南東部の産業立地を考えるうえで注目したい動きです。

一方で、

「工場ができたから売る」

「近くの土地も工場用地になる」

と先に結論を決める必要はありません。

土地は、道路、都市計画、農地、形状、面積、周辺環境によって利用方法が変わります。

ヒロセット不動産では、愛知県内の土地・事業用不動産について、売却を決める前の段階から、土地条件や利用可能性を整理する相談に対応しています。

「使っていない土地を今後どうするか」

「事業用地として可能性があるのか」

「売る・貸す・保有するのどれがよいのか」

という段階でも構いません。

まず土地の条件を確認し、選択肢を比較してから判断することが大切です。

まとめ|三弥工場の稼働は「工場ができた」だけでなく地域の土地利用を見る材料

コーミ三弥工場は、豊橋市三弥町字新大口1番8号に整備され、2026年9月から新たな生産拠点として稼働しています。

犬山工場の設備・機能を移転し、製造だけでなく、工場見学や食育・体験なども行うコミュニケーション拠点として整備されている点が特徴です。

不動産の視点では、国道1号や国道23号名豊道路へのアクセスを背景に、計画的な工業用地が形成されていることにも注目できます。

ただし、三弥町・細谷町周辺のすべての土地が事業用地になるわけではありません。

市街化調整区域、地区計画、農地、道路、排水など、地番ごとの確認が必要です。

土地を売るか、貸すか、保有するか決めていない段階でも、まず現在の土地条件を調べておくことで、将来の判断材料を増やすことができます。

よくある質問

Q1.コーミ三弥工場の住所はどこですか?

コーミ公式プレスリリースでは、愛知県豊橋市三弥町字新大口1番8号と公表されています。2025年の建設発表、2026年6月の竣工資料の双方で同じ所在地を確認できます。

Q2.コーミ三弥工場はいつから稼働していますか?

コーミは2026年9月から操業開始予定としており、9月1日に落成式を実施しました。9月11日には食品新聞が本格稼働を報じています。

Q3.三弥工場では何を作っていますか?

操業開始時点では、デラックスこいくちソースや焼そばソースを中心とするウスターソース類が主な生産品目です。公表された生産能力は1日30tです。

Q4.三弥工業団地は市街化調整区域ですか?

はい。豊橋市・愛知県の資料では市街化調整区域に位置し、「三弥工業団地地区計画」が定められています。ただし、周辺の一般土地まで同じ条件とは限らないため、地番単位で都市計画を確認する必要があります。

Q5.三弥工場ができたことで周辺の土地価格は上がりますか?

工場稼働だけを理由に土地価格の上昇を断定することはできません。実際の価格は都市計画、道路、面積、形状、農地指定、造成費、周辺需要などによって変わります。個別の土地条件を確認して判断する必要があります。

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参考情報

コーミ株式会社「愛知県豊橋市に新工場『三弥工場』が落成しました」

コーミ株式会社「こいくちソース製造拠点の引っ越し開始」公式プレスリリース

豊橋市「豊橋三弥地区工業用地」

愛知県「豊橋三弥地区」企業立地情報

※本記事は2026年9月12日時点で確認できる公式情報等をもとに作成しています。操業内容、見学方法、工業用地の分譲状況、都市計画等は今後変更される場合があります。最新情報は各公式機関でご確認ください。