安城南明治第一土地区画整理事業の「第1街区第6号画地」は、2025年12月15日の市有地一般競争入札で入札不調となりました。

土地は、

218.33㎡(66.04坪)

最低売却価格は、

4,279万2,680円

です。

1㎡当たりでは19万6,000円、坪換算では約64.8万円でした。

その後どうなったのでしょうか。

2026年10月13日時点で安城市が公表している最新情報では、この土地について、

「公共事業に活用するため、先着順による市有地の売払いは行わない」

とされています。

つまり、

入札不調
↓
値下げして再販売

という流れにはなっていません。

一方で、安城市は入札不調となった具体的理由を公表していません。

さらに2026年9月には、同じ安城南明治第一地区の別の市有地が、第1街区第6号画地とほぼ同じ1㎡当たり価格で落札されています。

この結果から見えてくるのは、

土地は「坪単価」だけでは売れる・売れないを判断できない

ということです。

この記事では、第1街区第6号画地の条件、入札結果、その後の扱い、2026年の最新入札との比較から、土地所有者が売却価格を見るときのポイントを解説します。

結論|入札不調の理由は非公表。2026年現在は公共事業で活用予定

最初に現在分かっていることを整理します。

項目内容
対象安城南明治第一 第1街区第6号画地
面積218.33㎡
坪数66.04坪
最低売却価格42,792,680円
1㎡単価196,000円
坪単価約64.8万円/坪
第5回入札2025年12月15日
参加者数1
結果入札不調
その後先着順売却を実施せず
2026年現在公共事業に活用する方針
公共事業の具体的内容現時点では未公表

重要なのは、

「参加者がゼロだった」のではない

ことです。

安城市の入札結果では参加者数は1と公表されています。

しかし落札者はなく、「入札不調」となっています。

なぜ不調になったのかについて、市は具体的理由を公表していません。

第1街区第6号画地はどんな土地?

市有地物件説明書による条件です。

項目内容
仮換地第1街区第6号画地
仮換地面積218.33㎡
坪数66.04坪
従前地安城市花ノ木町53番213
最低売却価格42,792,680円
㎡単価196,000円
坪単価647,933円
用途地域商業地域
建ぺい率80%
容積率400%
防火指定準防火地域
接道北東側・幅員8m区画道路
上水道前面道路に本管整備済み
下水道前面道路に本管整備済み

数字だけを見ると、

商業地域
建ぺい率80%
容積率400%
8m道路

という、土地利用の自由度が比較的高そうな条件です。

それでも入札不調になりました。

ここが今回の事例で最も興味深いところです。

「64.8万円/坪だから高すぎた」とは断定できない

4,279万円という総額を見ると、

「最低価格が高かったから売れなかったのでは?」

と考えたくなります。

しかし、それだけでは説明できません。

なぜなら2026年9月18日に行われた第6回市有地入札では、同じ安城南明治第一地区にある別画地が、

19万5,000円/㎡

で落札されているからです。

2026年9月の第44街区は19.5万円/㎡で落札

第6回入札の結果は次のとおりです。

項目第44街区第7-2号画地
面積266.76㎡
最低売却価格52,018,200円
最低㎡単価195,000円/㎡
落札価格52,018,200円
落札㎡単価195,000円/㎡
参加者1
落札者個人

予定価格と同額で落札されています。

坪換算すると約64.5万円です。

つまり、

第1街区第6号

196,000円/㎡
約64.8万円/坪
→ 入札不調

第44街区第7-2号

195,000円/㎡
約64.5万円/坪
→ 落札

となっています。

単価だけ見ればほぼ同水準です。

この結果だけでも、

「64万円台/坪だから買い手が付かなかった」

とは言えないことが分かります。

ただし2つの土地を直接比較することもできない

逆に、

「第44街区が売れたのだから、第1街区も64万円台なら適正価格だった」

と判断するのも早計です。

第44街区には、

店舗・飲食店として利用する

という用途指定があります。

第1街区第6号には同じ用途指定はありませんでした。

さらに、

  • 所在地
  • 面積
  • 総額
  • 道路
  • 間口
  • 土地形状
  • 周辺建物
  • 駐車場計画
  • 購入者の目的

も異なります。

したがって、市有地入札を見るときは、

㎡単価・坪単価だけで横並び比較しない

ことが重要です。

安城南明治の市有地入札全体についてはこちらで詳しく比較しています。

安城市の市有地はいくらで売れた?安城南明治の落札価格・入札者数13件を実例比較

同じ第5回入札でも結果は3通り

2025年12月15日の第5回入札では、3画地が対象でした。

画地面積予定価格落札価格参加者
第1街区第6号218.33㎡42,792,680円入札不調1
第30街区第1号81.73㎡15,340,721円20,280,000円5
第32街区第2号294.00㎡58,212,000円58,800,000円2

特に第30街区は、

予定価格
187,700円/㎡

に対して、

落札価格
248,134円/㎡

まで上昇しています。

一方、第32街区は、

予定価格
198,000円/㎡

に対して、

落札価格
200,000円/㎡

です。

同じ地区・同じ入札日でも、

競争が強い土地

と、

最低価格に近い土地

と、

不調になる土地

がありました。

一般の不動産売却でも同じことが起こります。

土地は「坪単価」より「総額」で買われる

例えば坪65万円でも、

25坪

約1,625万円

50坪

約3,250万円

66坪

約4,290万円

100坪

約6,500万円

になります。

買主は「坪単価」だけを買うわけではありません。

最終的に必要なのは土地全体の購入資金です。

今回の第1街区第6号画地も66坪あります。

住宅として考える人、店舗を考える人、賃貸住宅を計画する事業者では、

土地に4,000万円以上支払った後、さらに建築費を負担して事業が成立するか

を考えます。

そのため、

「周辺相場より安い・高い」

だけでは購入判断はできません。

容積率400%でも必ず高値になるわけではない

第1街区第6号画地は商業地域で、

建ぺい率80%
容積率400%

です。

住宅地と比べると、大きな建物を検討しやすい土地です。

しかし容積率400%あるからといって、実際に400%すべてを使った建物を建てられるとは限りません。

実際には、

  • 前面道路
  • 道路斜線
  • 建物配置
  • 駐車場
  • 採光
  • 建築コスト
  • 需要
  • 必要戸数
  • 賃料
  • 事業収支

などを確認します。

例えば賃貸マンションを建てられても、

建築費を含めると採算が合わない

のであれば、事業者は土地を買いません。

土地の「法的に建てられる量」と「事業として建てたい量」は別です。

入札条件も一般土地売買とは違う

第5回市有地入札では、一般的な民間土地売買にはない条件もありました。

5年間の分割制限

購入後5年間は原則として土地を分割できません。

7年間の買戻特約

売買契約締結から7年間を期限とする買戻特約が設定されます。

一定条件を満たせば途中で抹消を請求できます。

土地区画整理中の仮換地

売買は仮換地面積を基準に行いますが、所有権移転登記は従前地を対象に行います。

現状有姿

現状の状態で引き渡されます。

こうした条件も購入者の事業計画には関係します。

ただし、これらが入札不調の原因だったと市が説明しているわけではありません。

あくまで「買主が検討する条件の一つ」です。

なぜ参加者1人なのに入札不調?

ここは検索者が特に疑問に感じる部分でしょう。

公表資料では、

参加者数1

となっています。

しかし、

落札金額なし
落札者なし
入札不調

です。

考えられる手続上の事情はいくつかありますが、安城市は今回について具体的理由を公表していません。

そのため、

  • 入札額が最低価格を下回った
  • 書類上の問題があった
  • 入札を辞退した
  • その他の理由

のどれだったのかを外部から断定することはできません。

現時点で確認できるのは、

「参加者は1人だったが、有効な落札には至らなかった」

という事実です。

入札不調後、なぜ先着順販売しなかった?

一般に安城市の市有地入札では、入札が成立しなかった場合に先着順売払いへ移る場合があります。

しかし第1街区第6号画地については、安城市が、

公共事業に活用する

ことを決めたため、先着順売却を行わないと公表しています。

したがって現在は、

一般購入者が4,279万円以上で申し込める土地ではありません。

公共事業では何ができる?

2026年10月13日時点で、具体的な施設・事業内容は公表されていません。

安城市の最新市有地売却ページにも、

「公共事業に活用する」

とあるだけです。

したがって、

  • 道路になる
  • 公園になる
  • 公共施設になる
  • 駐車場になる
  • 行政施設になる

いずれも現時点では公式情報で確認できません。

今後、

  • 予算案
  • 工事発注
  • 都市計画
  • 市議会資料
  • 安城市公式発表

などで、今後の具体的な内容を確認する必要があります。

2026年の新しい入札結果から何が分かる?

2026年9月には、第44街区第7-2号画地が最低価格と同額で落札されました。

これは今回の記事にとって重要な追加データです。

第1街区

約64.8万円/坪
→ 入札不調

第44街区

約64.5万円/坪
→ 落札

つまり、

「この地区では坪65万円前後なら必ず売れる」

でも、

「坪65万円前後では高すぎて売れない」

でもありません。

土地の条件によって結果が変わることが、実際の入札データから分かります。

安城市の市有地価格と公示地価の違いはこちらで詳しく解説しています。

安城市の土地価格|市有地入札と公示地価はなぜ違う?南明治の落札結果を比較

第33街区では「価格競争」ではなく提案内容も審査

さらに安城南明治第一地区では、市有地をすべて単純な最高価格入札で処分しているわけではありません。

第33街区では、

市有地有効活用事業

として民間事業者から土地利用の企画提案を募集しています。

対象は793.32㎡。

1グループから応募があり、最優秀提案者を決定し、2026年6月29日に事業実施協定を締結しています。

安城南明治第一「第33街区」の事業者決定|793.32㎡の市有地は今後どうなる?

つまり安城市も、

単純に一番高い金額を出した人へ売る土地

と、

土地利用計画も含めて事業者を選ぶ土地

を使い分けています。

これは中心市街地の土地活用を見るうえで重要です。

安城南明治は「商業地域だから店舗だけ」の街ではない

安城南明治第一地区は約16.7haあります。

地区内は、安城碧南線沿いの一部を除き主に商業地域で、

建ぺい率80%
容積率400%

です。

しかし現実の土地利用を見ると、

  • 戸建住宅
  • マンション
  • 店舗
  • 商業施設
  • 公共施設
  • 駐車場

などが混在しています。

安城市も区画整理によって、

  • 道路整備
  • 防災性向上
  • 商業地活性化
  • 土地の高度利用
  • 共同化

を進めています。

同じ商業地域でも、土地ごとに最適な利用方法は異なります。

エルグランデ安城花の木も市有地活用の一例

安城南明治第一地区では、市有地を活用したマンション開発も進んでいます。

例えば第15街区では、

エルグランデ安城花の木

が建設中です。

こちらは市有地売却時にマンション利用の条件が設定され、現在41戸の新築分譲マンションとして事業化されています。

エルグランデ安城花の木|第2期4,220万~5,920万円・41戸の新築マンションを解説

つまり市有地の結果を見る場合、

落札価格だけでなく、その土地が最終的に何として利用されるのか

まで見ると、安城駅南側の街づくりが分かりやすくなります。

一般の土地売却でも「売れない=値下げ」ではない

この市有地の事例は、一般の土地売却にも参考になります。

土地を売り出して問い合わせが少ないと、

「値段を下げるしかない」

と思うことがあります。

しかし最初に確認すべきなのは価格だけではありません。

1.想定買主は合っているか

戸建住宅を建てる個人なのか。

建売会社なのか。

マンション・賃貸住宅事業者なのか。

店舗事業者なのか。

2.総額が買主層に合っているか

坪単価が適正でも、総額が高ければ買える人は減ります。

3.土地の使い方が伝わっているか

商業地域なのに住宅用地としてしか販売していなければ、事業者へ届いていない可能性があります。

4.分割できるか

広い土地なら分筆によって買主を増やせる場合があります。

5.道路・間口に問題はないか

土地利用では面積と同じくらい重要です。

土地価格を調べるなら「公示地価+取引+売却対象地」

市有地の最低価格や落札価格は非常に参考になるデータです。

ただし、その価格をそのまま自宅の土地に当てはめることはできません。

土地査定では、

公示地価
+地価調査
+実取引
+周辺売出し
+市有地入札
+道路
+面積
+形状
+想定買主

を組み合わせて判断します。

安城市の土地査定はいくら?2026年の実取引・道路・面積から査定額の見方を解説

第1街区の最低価格4,279万円は周辺相場なのか?

結論として、

そのまま周辺相場とは考えない方がよい

です。

4,279万2,680円は、

第1街区第6号画地という特定の市有地に設定された予定価格

です。

この土地は、

  • 66.04坪
  • 商業地域
  • 容積率400%
  • 8m道路
  • 土地区画整理中
  • 市有地特有の契約条件

という条件があります。

同じ花ノ木町や安城駅南でも、

30坪の住宅地と、

100坪の事業用地と、

共同住宅向け土地

では評価方法が違います。

土地所有者が市有地入札を見るときの3つのポイント

1.坪単価だけをコピーしない

近隣土地でも条件が違います。

2.参加者数を見る

価格だけでなく、何人が競争したかを見ると需要の強弱を判断する材料になります。

3.土地利用まで見る

落札後に住宅・店舗・マンションなど何に使われたかを見ることで、実際の需要が分かります。

市有地入札をまとめて比較したい場合はこちらをご覧ください。

安城市の市有地はいくらで売れた?安城南明治の落札価格・入札者数13件を実例比較

まとめ|64万円台/坪でも「売れる土地」と「不調の土地」がある

安城南明治第一地区の第1街区第6号画地は、

218.33㎡・66.04坪

最低売却価格、

42,792,680円

で入札に出されました。

1㎡当たり19万6,000円、坪単価では約64.8万円です。

2025年12月15日の第5回入札では参加者1人でしたが、結果は入札不調でした。

その後、安城市は、

公共事業に活用するため先着順売却を行わない

としています。

2026年10月13日時点でも、この方針は変わっておらず、具体的な公共事業の内容は公表されていません。

一方、2026年9月18日の第6回入札では、第44街区第7-2号画地が、

19万5,000円/㎡
約64.5万円/坪

で落札されました。

つまり、

ほぼ同じ㎡単価でも、一方は入札不調、一方は落札

です。

この実例から分かるのは、

土地価格は「坪○万円」だけでは決まらない

ということです。

面積、総額、道路、利用方法、契約条件、想定買主まで含めて考える必要があります。

よくある質問

Q.第1街区第6号画地はなぜ入札不調になったのですか?

安城市は具体的な理由を公表していません。

参加者は1人でしたが、落札には至りませんでした。価格が原因だったと断定することはできません。

Q.もう購入できないのですか?

2026年10月13日時点では、安城市は公共事業に利用するため先着順売却を行わないとしています。

一般向け販売中の土地ではありません。

Q.公共事業として何ができますか?

現時点では具体的内容は公表されていません。

Q.坪約64.8万円は高かったのですか?

価格だけでは判断できません。

2026年9月には同じ安城南明治第一地区の別画地が約64.5万円/坪で落札されています。ただし場所や用途条件が異なるため直接比較はできません。

Q.第44街区はいくらで売れましたか?

266.76㎡で、予定価格・落札価格ともに52,018,200円です。

1㎡当たり19万5,000円で、参加者は1人でした。

Q.市有地入札価格を自分の土地査定に使えますか?

参考にはなりますが、そのまま適用はできません。

道路、面積、形状、用途地域、売却条件、想定買主などを補正して見る必要があります。

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安城市の不動産売却相談|土地・戸建・空き家・相続不動産

参考情報

安城市|市有地売却情報(安城南明治第一土地区画整理事業施行地区内)
https://www.city.anjo.aichi.jp/kurasu/sumai/tochi/minamimeiji/daiichi-shiyuchibaikyaku.html

安城市|第6回市有地売払一般競争入札
https://www.city.anjo.aichi.jp/kurasu/sumai/tochi/minamimeiji/daiichi-shiyuchibaikyaku-dai6kai.html

安城市|第6回市有地一般競争入札結果
https://www.city.anjo.aichi.jp/kurasu/sumai/tochi/minamimeiji/documents/nyusatsukekka6.pdf

安城市|第5回市有地一般競争入札結果
https://www.city.anjo.aichi.jp/kurasu/sumai/tochi/minamimeiji/documents/nyusatsukekka5.pdf

安城市|第1街区第6号画地 市有地物件説明書
https://www.city.anjo.aichi.jp/kurasu/sumai/tochi/minamimeiji/documents/bukken1b6l.pdf

安城市|安城南明治第一土地区画整理事業
https://www.city.anjo.aichi.jp/kurasu/machidukuri/kukakuseiri/minamimeiji/daiichi.html