安城市の土地が「実際にいくらで売れたのか」を知りたいとき、公示地価や売出価格だけでは分からないことがあります。

そこで参考になるのが、安城市が公表している市有地の一般競争入札結果です。

安城南明治第一土地区画整理事業では、予定価格だけでなく、実際の落札金額や参加者数まで公開された事例があります。

今回、安城市公式資料で確認できた2024年5月から2026年9月までの入札結果を整理すると、落札成立は14件、入札不調は1件でした。落札坪単価の概算は約54.2万円/坪から約82.0万円/坪まで幅があります。

ただし、これは「安城駅南の土地相場が54万~82万円/坪」という意味ではありません。土地面積、総額、道路、形状、用途、売却条件などが異なるためです。この記事では、予定価格・落札価格・参加者数を時系列で整理し、市有地入札の結果データとして比較します。公示地価・最低売却価格・落札価格の意味の違いは、市有地入札と公示地価の違いを解説した記事で詳しく整理しています。

この記事で分かること

  • 安城南明治第一地区で実際に公表された市有地の落札価格
  • 各土地の予定価格・落札価格・参加者数
  • 落札価格を坪単価へ換算した比較
  • 入札者が1者の場合と複数の場合に、今回の実例でどのような違いがあったか
  • 市有地の落札価格を自分の土地の価格判断に使う際の注意点

先に結論|安城南明治では「予定価格どおり」から「56%上乗せ」まで結果が大きく違う

安城市の公表資料を比較すると、同じ安城南明治第一土地区画整理事業の市有地でも、結果はかなり違います。

特に目立つのが参加者数です。

今回確認できた成功事例では、参加者が1者だった6件は、予定価格と同額から最大でも約0.12%上回る程度でした。

一方、複数の参加者がいた8件では、予定価格を約1.01%~56.23%上回っています。

ただし、この結果だけから「入札者が増えれば必ず高く売れる」と一般化することはできません。土地条件も売却時期も異なるためです。

それでも、同じ市・同じ土地区画整理事業内で「予定価格」「落札価格」「参加者数」を同時に比較できること自体が、土地価格を考えるうえでかなり参考になる一次情報です。

安城南明治の市有地|落札14件+入札不調1件を一覧比較

下表の「坪単価」は、安城市が公表した落札金額と面積から当サイトで概算したものです。

入札日仮換地面積予定価格落札価格予定価格比参加者数落札坪単価概算
2024年5月17日第38街区第3-1号134.84㎡24,689,204円24,689,204円100.00%1者約60.5万円/坪
2024年12月6日第15街区14号73.39㎡11,368,111円17,760,000円156.23%3者約80.0万円/坪
2024年12月6日第16街区5-1号218.49㎡38,847,522円45,200,000円116.35%9者約68.4万円/坪
2024年12月6日第24街区6号92.93㎡16,829,623円20,380,005円121.10%10者約72.5万円/坪
2024年12月6日第25街区7号152.57㎡28,698,417円33,020,000円115.06%6者約71.5万円/坪
2024年12月6日第39街区5号110.25㎡20,506,500円25,520,000円124.45%7者約76.5万円/坪
2024年12月6日第39街区6-1号110.25㎡20,506,500円23,517,100円114.68%7者約70.5万円/坪
2025年1月31日第13街区第16号243.08㎡44,629,488円44,629,488円100.00%1者約60.7万円/坪
2025年1月31日第15街区第6号+第18街区第1・3号1,493.60㎡244,703,980円245,000,000円100.12%1者約54.2万円/坪
2025年1月31日第19街区第13号148.88㎡26,515,528円26,515,528円100.00%1者約58.9万円/坪
2025年1月31日第34街区第5号98.96㎡17,199,248円17,199,248円100.00%1者約57.5万円/坪
2025年12月15日第1街区第6号218.33㎡42,792,680円入札不調―1者―
2025年12月15日第30街区第1号81.73㎡15,340,721円20,280,000円132.20%5者約82.0万円/坪
2025年12月15日第32街区第2号294.00㎡58,212,000円58,800,000円101.01%2者約66.1万円/坪
2026年9月18日第44街区第7-2号266.76㎡52,018,200円52,018,200円100.00%1者約64.5万円/坪

この表を見るだけでも、「安城南明治だから坪○万円」と一つの数字で土地価格を表すのが難しいことが分かります。

最も高い落札坪単価は約82万円|第30街区第1号は5者が参加

今回確認できた事例の中で、落札金額を面積で割った坪単価が最も高かったのは、2025年12月15日の第30街区第1号画地です。

面積81.73㎡、予定価格1,534万721円に対し、落札金額は2,028万円。

予定価格18万7,700円/㎡に対して、落札価格は24万8,134円/㎡となり、予定価格比は132.20%でした。

坪単価へ換算すると約82.0万円/坪です。

参加者数は5者でした。

重要なのは、「南明治は坪82万円」と読むことではありません。

81.73㎡という比較的小さな土地で総額が約2,000万円だったことも、購入できる層や利用方法に影響した可能性があります。

土地の購入判断では坪単価だけでなく、最終的に必要になる総額も非常に重要です。

参加者数が最も多かったのは10者|第24街区6号は予定価格を21.1%上回った

2024年12月6日の第24街区6号画地には、今回確認できた中で最多となる10者が参加しました。

92.93㎡、予定価格1,682万9,623円に対し、落札価格は2,038万5円。

予定価格比121.10%、坪単価換算では約72.5万円です。

同じ日の第16街区5-1号画地にも9者、第39街区の2画地にはそれぞれ7者が参加しています。

ここで興味深いのは、参加者数が最多だった土地が、最も大きく予定価格を上回った土地ではないことです。

最も上昇率が大きかったのは第15街区14号画地で、参加者は3者ながら予定価格比156.23%でした。

つまり、

「入札者が何人いたか」

だけでは、最終価格を予測できません。

それぞれの入札者が、その土地をどの程度必要としていたかによっても結果が変わります。

予定価格から56.23%上昇した土地もある

第15街区14号画地は73.39㎡。

予定価格は1,136万8,111円でしたが、3者が参加し、1,776万円で落札されています。

差額は約639万円で、予定価格比156.23%。

坪単価換算では約80万円です。

これは今回確認した事例の中で、予定価格からの上昇率が最も大きい案件です。

逆にいえば、市が設定した予定価格だけを見ても、実際に競争が発生した場合に最終価格がどこまで上がるかは分からないということです。

一般の不動産売却でも同じように、「査定価格」と「実際に買主が出す価格」は必ずしも一致しません。

1者だけの入札では「予定価格とほぼ同額」という事例が多い

今回確認できた落札事例のうち、参加者が1者だったものは6件ありました。

その6件は、予定価格比で100.00%、100.00%、100.12%、100.00%、100.00%、100.00%でした。

つまり今回の公開事例に限れば、競争相手がいない場合には、ほぼ予定価格で落札されています。

一方、2者以上が参加した8件では、すべて予定価格を上回りました。上昇幅は約1.01%から56.23%です。

これは土地売却を考える所有者にとっても興味深い点です。

不動産価格は土地そのものの評価だけでなく、その土地を欲しい買主が何人いるかによっても、実際の成約価格が変わる可能性があります。

ただし、今回の市有地入札は限られた件数の比較です。一般の土地売買について同じ割合になるわけではありません。

「1人参加したのに売れなかった土地」もある

さらに特徴的なのが、第1街区第6号画地です。

218.33㎡、予定価格4,279万2,680円、19万6,000円/㎡で入札に出されました。

参加者数は1と公表されていますが、結果は「入札不調」でした。

安城市の資料では、不調になった具体的理由までは公表されていません。その後、市はこの土地について先着順による売払いを行わず、公共事業へ活用する方針を示しています。

そのため、

「予定価格が高すぎたから」

「土地の需要がなかったから」

と理由を決めつけることはできません。

ただ、同じ日に第30街区には5者、第32街区には2者が参加し、それぞれ落札されていることからも、同じ安城南明治地区でも土地ごとに買主の反応が違うことは確認できます。

市有地の落札価格は「実際に売れた価格」にかなり近い一次情報

土地価格を見る資料には、公示地価、基準地価、路線価、売出価格、不動産会社の査定価格などがあります。

その中で市有地の入札結果が興味深い理由は、安城市自身が、

「予定価格」

「落札金額」

「参加者数」

を同じ資料で公表していることです。

そのため、単なる売出希望価格ではなく、実際に買い手が提示した価格を確認できます。

ただし、厳密には公表されているのは入札時点の落札金額です。

落札後の契約締結、代金完納、所有権移転までのすべてが完了したことを、入札結果表だけから確認できるわけではありません。

したがってこの記事では、「最終成約価格」ではなく、実際の売買価格に近い公的な一次情報としての落札価格として扱っています。

市有地の落札坪単価を一般の土地へそのまま使ってはいけない

今回確認した14件の落札価格を坪単価へ換算すると、約54.2万円から約82.0万円まで広がっています。

しかし、

「自分の土地100坪×82万円=8,200万円」

という計算で査定することはできません。

例えば今回の中だけでも、81.73㎡の土地、1,493.60㎡をまとめて売却した土地、マンション敷地として用途指定された土地など、条件は異なります。2025年1月31日の1,493.60㎡の案件は予定価格約2億4,470万円に対し、2億4,500万円で落札されています。

土地価格を見る場合は、少なくとも面積、総額、前面道路、間口、土地形状、接道方向、用途地域、利用条件、既存建物、想定買主を合わせて比較する必要があります。

特に大きな土地では、「坪単価が低いから評価が低い」とは限りません。

総額が大きくなるほど購入できる買主が限られるためです。

2026年9月18日の第44街区は個別記事で確認

第44街区第7-2号画地は、2026年9月18日の入札で52,018,200円、参加1者、予定価格と同額で落札されました。店舗・飲食店利用などの条件を含む案件の詳細は、安城南明治第44街区の入札結果で詳しく確認できます。上の一覧表とあわせて見ると、他の街区との違いも比較できます。

安城市で土地を所有している人は、何を比較すればよい?

市有地の入札結果を見る最大の意味は、「この土地なら坪○万円」と価格を決めることではありません。

むしろ、

土地条件によって買主の数も、買主が出せる価格も変わる

ということを具体的な数字で確認できる点にあります。

安城市で土地を売却するときは、市有地の落札結果だけでなく、周辺の実際の取引事例、現在の売出物件、土地面積、道路条件、土地形状、用途地域、建築可能な用途などを重ねて判断する必要があります。

特に安城駅周辺のように区画整理や市有地活用が進むエリアでは、単純な過去の坪単価だけではなく、「今後どのような買主がその土地を使えるか」という視点も必要です。

ヒロセット不動産への相談について

「まだ売却すると決めていない」

「市有地の価格と自分の土地を比較してみたい」

「安城市の取引事例から、おおよその価格を整理したい」

という段階でも土地条件を確認できます。

市有地の落札価格をそのまま当てはめるのではなく、道路、間口、面積、土地形状、用途地域、建物の有無などを比較しながら、売却・保有・活用の選択肢を整理することが大切です。

資料がすべて揃っていなくても相談できます。

まとめ|「相場」より一歩踏み込んで、実際に買主が出した価格を見る

安城南明治第一地区では、安城市が市有地の予定価格だけでなく、落札価格と参加者数まで公開しています。

今回確認できた14件の落札事例では、坪単価換算で約54.2万円から約82.0万円。

予定価格と同額で落札された土地がある一方、予定価格を56.23%上回った土地もありました。

さらに、同じ南明治地区でも参加者10者の土地、1者の土地、1者参加でも入札不調になった土地があります。

この違いこそ、不動産価格を坪単価だけで判断できない理由です。

自分の土地について考えるときは、「周辺はいくらか」だけではなく、

自分の土地なら、どのような買主が、何の目的で、いくらなら購入できるのか

まで整理すると、より現実的な売却判断につながります。

よくある質問

Q.安城南明治の土地相場は坪54万~82万円ということですか?

違います。今回の約54万~82万円は、市有地の個別の落札価格を坪換算した範囲です。面積、道路、用途、総額、売却条件などが異なるため、南明治全体の土地相場としてそのまま使うことはできません。

Q.市有地の落札価格は実際の成約価格ですか?

一般の売出価格より実際の取引価格に近い情報ですが、正確には安城市が公表した「落札金額」です。入札結果表だけでは、その後の代金完納や所有権移転まで確認できない案件もあるため、時価価格と同義とはしていません。

Q.参加者が多ければ土地は高く売れるのでしょうか?

今回確認した事例では、複数参加の案件はすべて予定価格を上回りました。ただし、土地条件や時期が異なる少数事例のため、参加者数だけで売却価格を予測することはできません。

Q.第44街区の5,201万円は周辺相場として使えますか?

そのまま使うことはできません。第44街区には店舗・飲食店利用などの条件があり、最低売却価格は19万5,000円/㎡です。一般住宅地や条件の異なる土地とは別に比較する必要があります。

Q.自分の土地と市有地を比較するには何を確認すればよいですか?

まず面積、総額、道路、間口、土地形状、用途地域、建築可能用途、建物の有無を比較します。そのうえで、周辺の実取引事例や現在の売出状況を確認すると判断しやすくなります。

関連記事

安城市で土地・戸建・空き家・相続不動産の売却を考えている方
安城市の不動産売却相談|土地・戸建・空き家・相続不動産の整理窓口

2026年9月18日に入札された最新の市有地
安城市・安城南明治第44街区で市有地入札|266.76㎡・最低5,201万円

1者参加でも入札不調になった事例
安城南明治第一「第1街区第6号画地」は入札不調後に公共事業活用へ

市有地活用後に実際の建物まで完成した事例
TOSHO-BLDG安城が安城駅南に完成|市有地第27街区のその後

第33街区の市有地活用
安城南明治第一「第33街区」の事業者決定|793.32㎡の市有地は今後どうなる?

参考情報

安城市|市有地売却情報(安城南明治第一土地区画整理事業施行地区内)
安城市公式・市有地売却情報

安城市|2025年12月15日執行 市有地一般競争入札結果
安城市公式・第5回入札結果PDF

安城市|2024年5月17日執行 市有地一般競争入札結果
安城市公式・2024年5月17日入札結果PDF

安城市|第6回市有地売払一般競争入札
安城市公式・第44街区第7-2号画地の入札概要

安城市|第6回市有地売払一般競争入札結果
安城市公式・第6回入札結果PDF