- STEP1|最初に「なぜ売るのか」と希望条件を整理する
- STEP2|査定前に名義・土地・建物の状態を確認する
- STEP3|査定を受けて「価格」と「売り方」を比較する
- STEP4|不動産会社を選び、媒介契約を決める
- STEP5|売却活動を開始する
- STEP6|購入申込みが入ったら「価格以外の条件」も確認する
- STEP7|売買契約を締結する
- STEP8|契約後に決済・引渡しの準備をする
- STEP9|売却後は税金・確定申告を確認する
- 売却前に「とりあえず解体」はしない方がよい場合があります
- 不動産売却に必要になりやすい費用
- 売却期間はどのくらい見ておけばよい?
- 不動産の種類によって売却の途中で必要な手続きは変わる
- 不動産会社へ相談する前に準備できる資料
- ヒロセット不動産への相談について
- まとめ|売却の流れを知る目的は「急いで売ること」ではありません
- よくある質問
- あわせて確認したい売却ガイド
- 参考情報
不動産売却は、査定を依頼してすぐ売り出すものではありません。
名義や物件の状態を確認し、査定、売り方の検討、販売、契約、決済・引渡しへ進みます。全体像を先に知っておくと、「次に何をすればいいか」が分かりやすくなります。
不動産売却の流れは9ステップ

STEP1|最初に「なぜ売るのか」と希望条件を整理する
最初に決めるのは売出価格ではありません。
まず、
- いつまでに売りたいのか
- 価格と売却スピードのどちらを優先するのか
- 売却後にいくら手元へ残したいのか
- 住み替えなのか
- 相続不動産の整理なのか
- 空き家の管理負担を減らしたいのか
- 土地活用と売却を比較したいのか
- 家族・共有者の意向は一致しているか
を整理します。
例えば「できるだけ高く売りたい人」と「3か月後までに資金化したい人」では、同じ不動産でも販売方針が変わります。
売却理由と期限を不動産会社へ伝えておくと、査定価格だけでなく、現実的な販売方法を比較しやすくなります。
STEP2|査定前に名義・土地・建物の状態を確認する
不動産売却では、価格を調べる前に「そもそもどのような不動産なのか」を確認することがあります。

名義・共有・相続
まず登記事項証明書などで現在の所有者を確認します。
相続した不動産では、亡くなった方の名義のままになっているケースがあります。
相続登記は2024年4月1日から義務化され、相続によって不動産を取得したことを知った日から原則3年以内の申請が必要です。2024年4月1日より前の相続も対象となる場合があります。
兄弟姉妹などの共有不動産では、売却前に共有者の意向も確認します。
登記関係が複雑な場合は、司法書士への確認が必要になることがあります。

土地は道路・境界・利用条件を見る
土地の場合は、面積だけでなく、
- 前面道路
- 接道状況
- 間口
- 土地形状
- 高低差
- 境界
- 越境
- 用途地域
- 建ぺい率・容積率
- 市街化区域・市街化調整区域
- 上下水道
- 農地かどうか
なども確認します。
同じ面積でも、住宅を建てやすい土地と建築計画を立てにくい土地では、検討する買主が異なります。

戸建・空き家は建物状態も確認する
戸建住宅では、
- 築年数
- 雨漏り
- シロアリ
- 傾き
- 設備の故障
- 増改築
- リフォーム履歴
- 建築確認関係資料
- 駐車スペース
などを確認します。
把握している不具合がある場合は、売却時に事実関係を整理して不動産会社へ伝え、物件状況等報告書や売買契約書でどのように扱うかを確認しておくことが、引渡し後のトラブル防止につながります。
国土交通省が公表している物件状況等報告書の参考資料でも、雨漏りやシロアリなど、売主が把握している物件状況を買主へ説明する形式が示されています。
STEP3|査定を受けて「価格」と「売り方」を比較する
査定では、「いくらと言われたか」だけを見るのではなく、なぜその金額になったのかを確認します。
査定価格は、実際にその価格で売却できることを保証するものではありません。
周辺の成約価格、現在の売出物件、土地・建物の個別条件、想定される買主などをもとに判断します。
国土交通省の不動産情報ライブラリでも、取引価格は面積、土地形状、前面道路などの個別要因や取引事情によって異なるとされています。
査定で確認したい質問
不動産会社から査定を受けたら、次の点を聞いてみてください。
- 査定価格の根拠は何か
- どの成約事例を参考にしたのか
- どのような買主を想定しているのか
- いくらから売り出すのか
- 売出価格と想定成約価格はどう違うのか
- 価格を見直す場合はどのタイミングか
- 土地として売るのか、建物付きで売るのか
- 仲介と買取のどちらが考えられるのか
- 売却前に必要な調査や費用はあるか
査定額が高いか低いかだけでなく、どのような買主を想定し、どの状態・方法で売るのかまで確認することが大切です。
STEP4|不動産会社を選び、媒介契約を決める
仲介で売却する場合、不動産会社と媒介契約を締結します。
媒介契約には主に、
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
があります。
| 一般媒介 | 専任媒介 | 専属専任媒介 | |
|---|---|---|---|
| 複数会社へ依頼 | できる | できない | できない |
| 自分で見つけた買主と契約 | できる | できる | 原則できない |
| レインズへの登録 | 法律上の登録義務なし | 登録義務あり | 登録義務あり |
| 業務状況の報告 | 法定頻度なし | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
国土交通省の標準媒介契約約款では、専任媒介は媒介契約締結日の翌日から7日以内、専属専任媒介は5日以内に指定流通機構へ登録する仕組みになっています。いずれも不動産会社の休業日は期間に含まれません。
媒介契約は「専任ならよい」「一般ならよい」と一律に決められるものではありません。
物件の種類、売却期限、販売方法、不動産会社との連絡体制などを比較して選びます。
STEP5|売却活動を開始する
媒介契約と売出条件が決まったら販売を開始します。
一般的には、
- 不動産ポータルサイト
- 不動産会社のホームページ
- レインズ
- 不動産会社間の紹介
- 既存顧客への紹介
- 現地案内・内覧
などを通じて買主を探します。
ただ広告を出せばよいわけではありません。
住宅用地なら、
「建物を建てたときに駐車場を確保できるか」
「道路へ車が出入りしやすいか」
「希望する建物プランが入るか」
といった点が買主の判断材料になります。
戸建住宅であれば、建物状態、間取り、駐車場、修繕履歴なども見られます。
専任・専属専任ではレインズの登録状況も確認できる
レインズへ登録された物件では、売主向けの登録証明書から「売主専用画面」にアクセスし、物件の登録内容や取引状況を確認できます。
2025年1月からは登録証明書に二次元コードが掲載され、売主がスマートフォン等から確認しやすくなっています。
媒介契約を結んだ後も、不動産会社へ任せきりにせず、
- 問い合わせ件数
- 内覧件数
- 買主からの反応
- 価格への反応
- 広告状況
- 今後の販売方針
を確認すると、価格を変更すべきか、販売方法を変えるべきか判断しやすくなります。
STEP6|購入申込みが入ったら「価格以外の条件」も確認する
購入希望者から申込みが入ると、価格交渉に目が向きがちです。
しかし、実際には価格以外にも確認する条件があります。
例えば、
- 購入希望価格
- 手付金
- 売買契約予定日
- 引渡希望日
- 住宅ローン利用の有無
- 測量を行うか
- 境界をどこまで確認するか
- 建物・設備をどの状態で引き渡すか
- 残置物をどうするか
- 解体する場合は誰が行うか
- 契約不適合責任をどのように定めるか
などです。
購入申込書を受け取った段階で価格だけに合意し、その後ほかの条件で折り合わなくなることも考えられます。
売買契約を結ぶ前に、
「いくらで売るのか」
だけではなく、
「どの条件で引き渡すのか」
まで整理することが重要です。
STEP7|売買契約を締結する
価格・引渡し条件などについて合意できたら売買契約へ進みます。
契約時には、不動産会社が作成する契約書類などを確認し、
- 売買代金
- 手付金
- 残代金支払日
- 引渡日
- 所有権移転
- 境界の扱い
- 設備の扱い
- 契約解除に関する条件
- 住宅ローンに関する条件
- 契約不適合責任
- 固定資産税等の精算
などを確認します。
契約内容は物件や取引条件によって異なります。
分からない条項をそのままにせず、「どのような場合に、誰が、どこまで対応するのか」を確認してから契約することが大切です。
国土交通省の標準媒介契約約款でも、売買契約成立時には宅地建物取引業法第37条に基づく書面を契約当事者へ交付することなどが定められています。
STEP8|契約後に決済・引渡しの準備をする
売買契約を結んだら終わりではありません。
引渡日までに、契約で約束した内容を完了させます。
物件によっては、
- 引越し
- 残置物撤去
- 建物解体
- 境界確認・測量
- 越境に関する対応
- 住宅ローンの完済準備
- 抵当権抹消書類の準備
- 登記関係書類の確認
- 鍵や建物関係資料の準備
などが必要になります。
特に住宅ローンが残っている場合は、売却代金でローンを返済し、抵当権を抹消する手続きを金融機関・司法書士等と事前に調整します。
決済・引渡しでは何をする?
一般的な決済では、
- 登記関係書類の確認
- 買主から残代金の支払い
- 住宅ローン等の返済
- 抵当権抹消・所有権移転登記の手続き
- 固定資産税等の精算
- 鍵・物件関係資料の引渡し
などを行います。
売買代金が入金されたことだけでなく、登記や鍵の引渡しまで含めて売却手続きが完了します。
STEP9|売却後は税金・確定申告を確認する
不動産を売却した場合、売却代金そのものではなく、取得費・譲渡費用などを考慮して計算した「譲渡所得」に対して税金がかかる場合があります。
土地・建物の譲渡所得は、所有期間などによって税率の区分も変わります。
また、一定の要件を満たすマイホームを売却した場合には、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。適用には要件があり、特例を利用する場合は確定申告が必要です。
相続した空き家にも別の特例制度がありますが、建築時期、相続状況、売却時期など細かな要件があります。
税金は売却する不動産や所有期間、取得時の資料によって結果が変わります。
売却前の段階で税額を正確に確認したい場合や特例の適用可否を判断する場合は、税理士または税務署への確認が必要です。

売却前に「とりあえず解体」はしない方がよい場合があります
古い家を見ると、
「どうせ壊すなら先に更地にしておこう」
と考えることがあります。
しかし、解体は査定と売却方法を確認してから判断した方がよいケースがあります。
理由は、
- 古家付き土地のまま購入する買主がいる可能性
- 中古住宅として利用できる可能性
- 解体費を先に負担する必要がある
- 固定資産税等への影響を確認する必要がある
- 税制特例の要件に影響する場合がある
ためです。
例えば、マイホームを取り壊して敷地のみを売却する場合、3,000万円特別控除を利用するためには、家屋を取り壊した日から1年以内に売買契約を締結することなど、一定の要件があります
そのため、解体業者へ依頼する前に、
「建物を残して売る場合」
「解体して売る場合」
の買主、売却価格、費用、税務を比較しておくと判断しやすくなります。
不動産売却に必要になりやすい費用
不動産の種類によって異なりますが、売却時には次のような費用が発生することがあります。
- 仲介手数料
- 売買契約書の印紙税
- 抵当権抹消等の登記費用
- 司法書士費用
- 測量費
- 解体費
- 残置物処分費
- 引越費用
- 譲渡所得に対する税金
すべての物件で発生するわけではありません。
査定額だけを見るのではなく、
売却価格-住宅ローン残高-売却費用-税金等
を考え、最終的な手取り額を確認することが大切です。
宅地建物取引業者が受け取ることのできる仲介手数料には国土交通省が上限を定めています。低廉な空家等については特例もあるため、実際の仲介手数料は媒介契約時に確認してください。
売却期間はどのくらい見ておけばよい?
不動産売却には「必ず何か月で売れる」という期間はありません。
期間は、
- 物件所在地
- 売出価格
- 物件種別
- 土地・建物の状態
- 買主層
- 市場に出す時期
- 住宅ローン審査
- 測量・解体等の有無
- 相続や共有関係
によって変わります。
特に「○月までに売却代金が必要」という期限がある場合は、引渡希望日から逆算して動くことが重要です。
仲介だけでなく買取を比較した方がよい場合もあります。
不動産の種類によって売却の途中で必要な手続きは変わる
相続不動産
相続人、登記名義、遺産分割、取得費、空き家特例などの確認が必要になることがあります。
古家・空き家
中古戸建、古家付き土地、解体後の更地のどの状態で売るかを比較します。
土地
道路、接道、境界、用途地域、市街化調整区域、農地などを確認します。
マンション
管理費、修繕積立金、管理規約、大規模修繕計画、駐車場などの資料確認が必要になります。

アパート・収益物件
賃貸借契約、レントロール、敷金、修繕履歴、管理契約、借入状況なども整理します。
つまり、「不動産売却の基本的な流れ」は同じでも、途中で何を調査・整理するかは物件によって異なります。
不動産会社へ相談する前に準備できる資料
次の資料があると、売却条件を確認しやすくなります。
- 固定資産税納税通知書・課税明細書
- 登記事項証明書
- 公図
- 地積測量図・確定測量図
- 境界確認書
- 購入時の売買契約書
- 建築確認済証・検査済証
- 建物図面・間取り図
- リフォーム・修繕履歴
- 住宅ローン残高が分かる資料
- マンションの管理規約等
- 賃貸中の場合は賃貸借契約書
- 相続関係資料
- 土地・建物の写真
すべての資料がそろっていなくても、売却相談を始めることはできます。
まず所在地と現在分かっている状況から、「次に何を確認する必要があるか」を整理するとよいでしょう。
ヒロセット不動産への相談について
不動産を売却すると決めてから相談する必要はありません。
例えば、
「いくらくらいになるかだけ知りたい」
「売るか残すか迷っている」
「相続した実家をどうするか家族で考えたい」
「古い家を解体してよいか分からない」
「売却と土地活用を比較したい」
という段階でも、先に土地・建物・名義・道路・境界などを整理することはできます。
愛知県、西尾市、安城市、岡崎市、刈谷市、碧南市、高浜市、豊田市、幸田町、名古屋市周辺などで不動産について迷っている場合は、「売ること」だけを前提にせず、まず現在の条件と選択肢を整理してみてください。
まとめ|売却の流れを知る目的は「急いで売ること」ではありません
不動産売却では、査定、媒介契約、販売活動、売買契約、決済・引渡しという大きな流れがあります。
ただし、本当に重要なのは手続きを覚えることではありません。
自分の不動産について、
- 誰の名義なのか
- どのような土地・建物なのか
- どのような買主が想定されるのか
- どの状態で売るのか
- いくら手元に残るのか
- いつまでに売る必要があるのか
を一つずつ確認することです。
まだ売却すると決めていなくても構いません。
先に条件を整理しておけば、「売る」「貸す」「活用する」「残す」のどれを選ぶ場合でも判断材料として利用できます。
よくある質問
Q.まだ売ると決めていませんが、不動産会社へ相談できますか?
相談できます。むしろ売却を決める前に、査定価格、必要費用、土地・建物の条件、保有や活用の可能性を確認しておくと比較しやすくなります。相談したからといって、その場で売却を決める必要はありません。
Q.不動産売却は最初に何をすればよいですか?
まず売却理由、希望時期、登記名義、住宅ローン残高などを確認します。そのうえで査定を受けると、価格だけでなく売却方法や必要な準備について具体的に検討しやすくなります。
Q.査定を受けたら、その価格で売り出さなければいけませんか?
査定価格は不動産会社による価格の見立てであり、売出価格そのものではありません。査定根拠、希望売却時期、周辺の競合物件、想定する買主などを確認し、売主と不動産会社で売出価格を検討します。
Q.古い家は売却前に解体した方がよいですか?
先に解体する必要があるとは限りません。中古戸建や古家付き土地として販売できる場合もあり、解体費や税務上の影響もあります。建物を残した場合と解体した場合の両方を比較してから判断するとよいでしょう。
Q.相続登記が終わっていなくても売却相談できますか?
売却価格や今後の手順について相談することはできます。ただし、実際の所有権移転までには相続登記等が必要になるため、現在の登記名義と相続関係を早めに確認し、必要に応じて司法書士へ相談してください。
あわせて確認したい売却ガイド
参考情報
国土交通省「宅地建物取引業法関係・標準媒介契約約款」
国土交通省「宅地建物取引業法関係」
国土交通省「不動産取引に関する消費者向け情報・レインズ」
国土交通省「不動産取引に関するお知らせ」
国土交通省「不動産情報ライブラリ」
国土交通省 不動産情報ライブラリ
法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」
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国税庁「土地や建物を売ったとき」
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国税庁「マイホームを売ったときの特例」
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