名古屋市瑞穂区萩山町1丁目にある旧名古屋市衛生研究所跡地について、「結局、ここには何ができるのか」と気になっている方も多いのではないでしょうか。

結論からいうと、2026年10月24日時点では、名古屋市が「スポーツ医科学拠点」の整備予定地として具体的な検討を進めています。

一方、民間事業者へのサウンディング調査は、参加受付が2026年10月6日に終了し、対話は10月14日または15日に実施する日程が示されていました。2026年10月24日時点で、名古屋市から対話結果や基本計画への反映内容は公表されていません。 建物の最終計画や事業方式、開業時期も未確定です。

この記事では、旧衛生研究所跡地に何が計画されているのか、現在どこまで進んでいるのか、今後どのような手順で基本計画・事業方式・事業者選定へ進む見込みなのかを整理します。

結論|旧衛生研究所跡地は「スポーツ医科学拠点」の整備予定地

名古屋市は、瑞穂区萩山町1丁目22番3の旧衛生研究所跡地を、スポーツ医科学拠点の整備予定地として公表しています。

対象地は約4,200㎡。名古屋市が公表している主な土地条件は次のとおりです。

項目公表内容
所在地名古屋市瑞穂区萩山町1丁目22番3
敷地面積約4,200㎡
建ぺい率60%
容積率200%
利用可能床面積約8,400㎡
用途地域第1種中高層住居専用地域
その他市街化区域・準防火地域・居住誘導区域・15m高度地区

ただし、利用可能床面積については日影規制や斜線規制などによって減少する可能性があるとされています。

つまり「約8,400㎡の建物がそのまま建つ」と決定しているわけではありません。

2026年10月14・15日に事業者対話を設定|結果は未公表

名古屋市は2026年9月10日から10月6日午後5時まで、民間事業者を対象としたサウンディング調査の参加受付を行いました。

その後、10月14日または15日に民間事業者との対話を行う日程が設定されていました。2026年10月24日時点では、参加事業者数、対話内容、対話結果は公表されていません。

ここで重要なのは、サウンディング調査=建設事業者を決定する入札ではないという点です。

市場の動向や民間事業者の意向を確認し、どのような事業方式が適しているかを検討するための段階です。

したがって、2026年10月時点で「この会社が建設する」「この年に開業する」と断定できる状況ではありません。

スポーツ医科学拠点には何ができる予定?

単なるスポーツジムや体育館ではありません。

名古屋市が公表した事業概要では、子どもから高齢者、障害者、アスリートまでを対象に、医学検査・体力測定・トレーニング・栄養・心理などを組み合わせた支援を行う施設が想定されています。

主な施設・機能として、現時点では次のようなものが示されています。

想定施設主な内容
診療室・処置室整形外科・内科診察、血液検査など
検査室生化学検査、MRI、放射線検査など
運動負荷試験室運動負荷心電図検査
リハビリテーション室運動器リハビリ、リコンディショニング
体力測定室筋力・瞬発力・持久力などの測定
多目的運動室動作撮影・分析、体力測定など
トレーニング指導室個人に合わせたトレーニング
フィットネス指導室運動・ストレッチ指導
セミナールーム市民・選手・指導者向け研修
相談室栄養・心理・指導者相談

さらに、診療部門ではスポーツ外来や「スポーツ版人間ドック(仮称)」、スポーツ科学部門では体力測定、動作分析、トレーニング支援、指導者研修などが想定されています。

現時点での「想定」であり、最終的な施設構成は今後の基本計画や事業者選定などによって変更される可能性があります。

なぜ萩山町の旧衛生研究所跡地が選ばれた?

名古屋市の基本構想では、活用可能な市有地を検討した結果、旧衛生研究所跡地が候補地として適していると整理されています。

理由として特に大きいのが、スポーツ施設・大学・公共交通との位置関係です。

対象地からは、

  • パロマ瑞穂スポーツパークとの連携が可能
  • 名古屋市立大学との医療・研究面での連携が期待できる
  • 地下鉄桜通線「瑞穂区役所」駅など複数の公共交通が利用できる

とされています。

基本構想では、パロマ瑞穂スタジアムまで徒歩約10分、名古屋市立大学についても市立大学病院や田辺通キャンパスなどが半径2km以内にあることが候補地選定の材料として示されています。

衛生研究所は2020年に守山区へ移転

名古屋市衛生研究所は2020年4月に瑞穂区から守山区へ移転しました。

旧庁舎はその後解体され、基本構想では現在の跡地を更地として整理しています。

大会期間中はアジア・アジアパラ大会のボランティア交流拠点として利用

長期的にはスポーツ医科学拠点の整備予定地ですが、2026年秋には別の使われ方もしています。

旧衛生研究所跡地には、愛知・名古屋2026アジア競技大会・アジアパラ競技大会のボランティア交流拠点が設置されています。

アジア競技大会期間は2026年9月19日から10月4日、アジアパラ競技大会は10月18日から24日まで開催され、10月24日に閉幕しました。

したがって、2026年10月現在現地に施設や人の出入りがあっても、それがそのまま将来のスポーツ医科学拠点の完成形という意味ではありません。

スポーツ医科学拠点はいつできる?

現時点で正式な開業年月は確認できません。

名古屋市の事業概要では、PPPによる整備を行う場合の想定として、

時期想定されている内容
2026年度基本計画策定
2027年度以降事業手法決定・公募資料作成
その後事業者募集・選定
その後設計・建設

という流れが示されています。

公募資料作成に約1年、事業者募集・選定に約1年、設計・建設に約3年という想定です。

また、名古屋市の2026年度パブリックコメント予定では、「スポーツ医科学拠点整備の基本計画(案)」を2027年1月に予定しています。日程は変更される可能性があります。

そのため、現段階で完成年を逆算して断定するのは適切ではありません。

民間施設になる?土地が民間へ売却される?

ここは誤解しやすいポイントです。

現時点の公表資料では、旧衛生研究所跡地そのものを民間企業へ売却すると決まったわけではありません。

名古屋市はBOT、BTO、DBO、BT、DBなど複数のPPP・民間活力導入方式を比較検討しています。方式によって施設の所有、資金調達、設計、建設、運営、維持管理を誰が担うかが異なります。

つまり、

「民間事業者へサウンディングしている」
=
「市有地を民間に売却する」

ではありません。

最終的な事業方式は今後の検討を待つ必要があります。

今後の確認ポイント|基本計画と事業方式が次の焦点

この計画で次に重要なのは、2026年10月に実施された民間事業者との対話結果と、2027年1月に予定されている基本計画(案)の内容です。

  • サウンディング調査の結果
  • 最終的な施設機能と規模
  • PPPなど事業方式の選択
  • 事業者公募・選定の時期
  • 設計・建設スケジュール
  • 開業時期

2026年10月25日時点では、これらはすべて確定していません。特に、サウンディング調査を実施したことと、土地を民間へ売却することは別です。今後の名古屋市の基本計画・公募資料で確認する必要があります。

まとめ|跡地はスポーツ医科学拠点計画が進行中。ただし今はまだ計画段階

旧名古屋市衛生研究所跡地では、約4,200㎡の市有地を利用したスポーツ医科学拠点の整備計画が進められています。

2026年10月24日時点では、サウンディング調査の参加受付と対話予定日は終了していますが、名古屋市から対話結果や基本計画への反映内容はまだ公表されていません。 施設の具体的な設計、事業方式、事業者、開業時期まですべて決定したわけではありません。

今後は、

2026年10月の事業者対話 → 基本計画 → 事業方式の決定 → 事業者選定 → 設計・建設

という流れを確認していくことになります。

よくある質問

Q. 旧衛生研究所跡地には何ができる予定ですか?

名古屋市は、医学検査・スポーツ診療・リハビリ・体力測定・トレーニング・栄養や心理相談などを組み合わせた「スポーツ医科学拠点」の整備を検討しています。最終的な施設構成は未確定です。

Q. 一般的な病院ができるのですか?

現時点で総合病院を整備すると発表されているわけではありません。スポーツ外来、検査、リハビリ、体力測定などを含むスポーツ医科学拠点が想定されています。

Q. いつ完成しますか?

正式な完成・開業時期はまだ公表されていません。今後、基本計画、事業方式決定、事業者選定、設計・建設という段階を経る見込みです。

Q. サウンディング調査は土地売却の手続きですか?

いいえ。民間事業者の意向や事業手法を把握するための対話であり、土地の民間売却が決まったことを意味しません。

関連記事

参考情報

本記事では、主に名古屋市が公表している資料を参考にしています。スポーツ医科学拠点は現在も計画段階にあるため、最新情報は名古屋市の公表資料をご確認ください。

名古屋市|スポーツ医科学拠点整備等事業のサウンディング調査

整備予定地、土地条件、想定される施設機能、民間事業者へのサウンディング調査など、現在の検討状況を確認できます。

https://www.city.nagoya.jp/jigyou/boshu/1014251/1014253/1053572.html

名古屋市|スポーツ医科学拠点整備に向けた基本構想

スポーツ医科学拠点の目的、必要な機能、旧衛生研究所跡地が候補地として選定された考え方などを確認できます。

https://www.city.nagoya.jp/kankou/sports/1034478/1037502.html

名古屋市|ボランティア交流拠点

旧衛生研究所跡地は、2026年の愛知・名古屋アジア競技大会・アジアパラ競技大会期間中、ボランティア交流拠点としても利用されています。

https://www.city.nagoya.jp/aichi-nagoya2026/1040803/1052308.html

名古屋市|瑞穂区ハザードマップ

瑞穂区の洪水・内水氾濫・高潮・地震・津波などのハザード情報を確認できます。萩山町・田辺通・山崎川周辺の不動産を売却・購入するときは、物件所在地ごとの確認が重要です。

https://www.city.nagoya.jp/bousaiportal/hazardmap/1036429/1036292.html

名古屋市|都市計画情報提供サービス

用途地域、建ぺい率、容積率、高度地区、防火・準防火地域、風致地区、都市計画道路などを確認できます。同じ萩山町や田辺通周辺でも、土地によって建築条件が異なる場合があります。

https://www.city.nagoya.jp/shisei/keikaku/1009818/1010143/1034886/1010198/1034222.html

名古屋市|パロマ瑞穂スタジアム供用開始について

パロマ瑞穂スタジアムは2026年4月22日に供用開始しています。旧衛生研究所跡地のスポーツ医科学拠点は、こうした瑞穂公園のスポーツ施設との連携も想定されています。

https://www.city.nagoya.jp/houdou/pressr7/3002887/3003259.html

※本記事は2026年10月24日時点で確認できる公表情報をもとに作成しています。スポーツ医科学拠点の施設内容、事業方式、事業者、整備スケジュールなどは今後変更される可能性があります。最新情報は名古屋市の公表資料をご確認ください。