安城市で農地に住宅を建てたい、駐車場や資材置場にしたい、事業用地として使いたいと考えている方は、これまで以上に「手続の順番」に注意が必要です。

安城市は2026年9月18日、「農振除外等に伴う地域計画の変更について」を公開しました。

地域計画の区域に入っている農地で農振除外などを行う場合、農振除外の手続だけを見るのではなく、地域との協議を行ったうえで「地域計画変更申出」が必要になります。

一方、安城市では農業振興地域整備計画の見直しに伴い、現在、農振除外などの受付を停止しており、2027年2月22日締切分から受付を再開する予定です。

農地を所有している方にとって重要なのは、「2027年2月まで何もできない」と考えるのではなく、その前に対象地の区域、地域計画、農振農用地、農地転用、都市計画などを整理しておくことです。

※本記事は2026年9月26日時点で確認できる安城市の公表情報をもとに作成しています。受付時期や手続は変更される可能性があるため、実際に申出を行う場合は安城市農務課へ最新情報をご確認ください。

この記事で分かること

  • 安城市が2026年9月18日に明確化した地域計画変更の手続
  • 地域計画変更・農振除外・農地転用の違い
  • 地域計画変更申出の提出期限と手続の流れ
  • 現在停止している農振除外の受付再開時期
  • 農地を売却・活用したい所有者が今のうちに確認したいこと

先に結論|農振除外だけを考えるのではなく「地域計画」から確認する

安城市で農地を農業以外の用途へ利用したい場合、最初に確認したいのは、その土地がどのような規制の中にあるかです。

特に、対象農地が地域計画の区域に含まれている場合、農振除外等を進める前段階として、農務課への相談、地域との協議、地域計画変更申出が必要になる場合があります。安城市は、地域計画変更申出の期限を2月・5月・8月・11月の各20日としています。閉庁日の場合は翌開庁日です。

ただし、

地域計画を変更できた=農振除外できる

農振除外できた=農地転用できる

という意味ではありません。

それぞれ別の制度であり、必要な許可・手続を順番に確認する必要があります。

「地域計画」「農振除外」「農地転用」は別の手続

農地の利用変更を検討するときに混同しやすいのが、この3つです。

手続主な意味注意点
地域計画変更地域農業の将来の農地利用計画を変更する地域計画区域内の農地では事前協議等が必要
農振除外農用地区域から対象地を除外する要件を満たさなければ除外できない
農地転用農地を住宅・駐車場・資材置場など農地以外に利用する農地法上の許可・届出が必要

安城市によると、農用地区域は今後長期にわたり農業上の利用を確保すべき土地として指定されており、農業以外の用途への転用は原則として厳しく制限されています。

やむを得ず転用する場合には、農地転用許可に先立って農用地利用計画を変更し、農用地区域から除外する手続が必要です。

さらに今回、地域計画内の農地については、地域計画の変更という確認段階も明確に示されました。

安城市が2026年9月18日に示した地域計画変更の流れ

安城市の公表内容によると、地域計画区域内の農地について農振除外等を行う場合、まず農務課へ相談することになります。

基本的な流れは次のとおりです。

  1. 農振除外申出等の内容を添えて、地域計画変更について農務課へ協議
  2. 該当する農用地利用改善組合と協議
  3. 農用地利用改善組合の案内に従って地域との協議を実施
  4. 地域計画変更申出書へ協議内容を記録し、関係者から署名を受ける
  5. 署名済みの申出書、目標地図などを期限までに農務課へ提出

提出書類として、地域計画変更申出書、変更内容を図示した目標地図、その他市長が必要とする書類が示されています。

つまり、所有者だけで申請書を書けば完了する手続ではなく、地域との調整が手続の中に組み込まれている点が重要です。

地域計画変更申出の期限は年4回

安城市が公表している地域計画変更申出の期限は、

  • 2月20日
  • 5月20日
  • 8月20日
  • 11月20日

です。

閉庁日に当たる場合は翌開庁日となります。

農地利用について具体的な計画がある場合、締切直前に相談を始めるのではなく、地域との協議期間まで考えて早めに農務課へ確認する方が現実的です。

農振除外の受付は現在停止中|2027年2月22日締切分から再開予定

ここは現在の安城市で特に注意したい点です。

安城市では農業振興地域整備計画の見直しを行っているため、現在、農用地利用計画変更のうち、

「除外」
「編入」
「用途変更」

の受付を停止しています。

通常、農振除外・編入は2月・5月・8月・11月の各20日が締切ですが、2026年5月20日、8月20日、11月20日の受付は行われません。

安城市は、2027年2月22日(月)が締切となる申出分から受付を再開すると案内しています。

また、用途変更についても、通常は毎月20日が締切ですが、2026年3月から2027年1月までは受付停止となっています。

ただし安城市は、法手続の進捗等によって取扱いが変更される可能性があることも明記しています。

そのため、「2027年2月22日になれば必ず農振除外できる」という意味ではありません。

農振除外には6つの要件がある

農用地区域内の農地は、希望すれば自由に農振除外できるわけではありません。

安城市が掲載している農振除外制度では、一般的な農地転用目的の場合、農振法上の6つの要件をすべて満たす必要があるとされています。

主な確認内容は、

  • 農業以外に利用する必要性・適当性があり、農用地区域外に代替できる土地がないか
  • 地域計画の達成に支障がないか
  • 周辺農地の集団性や農作業の効率を阻害しないか
  • 担い手への農地集積に支障がないか
  • 土地改良施設の機能に支障がないか
  • 土地基盤整備事業完了後の一定期間を経過しているか

といった点です。

特に「地域計画の達成に支障がないこと」が農振除外の要件にも含まれているため、今回公表された地域計画変更手続と農振除外は密接に関係しています。

自分の土地が地域計画に入っているか確認する

安城市は、地域計画と目標地図を地区ごとに公開しています。

2026年3月時点では、今村、浜屋町、里町、柿碕町、尾崎町、篠目・井杭山、和泉町、赤松町、東端町、根崎町、城ヶ入町、福釜町、高棚町、榎前町、桜井地区など、合計34地区の地域計画・目標地図が公開されています。

目標地図は、おおむね10年後の農地利用の姿を示し、「将来、誰が農地を利用するか」を明確化するためのものです。

農地を売る、住宅を建てる、駐車場にする、資材置場として利用するといった計画がある場合は、まず対象地の地番を特定して、

「地域計画に含まれているか」

「農振農用地なのか」

「市街化区域か市街化調整区域か」

をそれぞれ分けて確認することが大切です。

2027年2月までに土地所有者が確認しておきたいこと

農振除外の受付が停止しているからといって、土地利用の検討まで止める必要はありません。

むしろ、具体的な利用計画がある場合は現在のうちに、

地番 → 地域計画 → 農振農用地 → 都市計画 → 農地転用 → 開発・建築条件

という順番で整理しておくことが重要です。

例えば「農地を駐車場にしたい」という場合でも、農振除外の可否だけでは判断できません。

前面道路、出入口、排水、土地改良区、市街化調整区域での土地利用、造成の必要性などを確認する必要があります。

住宅や工場、倉庫などを建築する場合は、都市計画法や建築基準法上の確認も別途必要になる場合があります。

「近くに工場や住宅があるから転用できる」とは限らない

安城市南部や国道23号沿線では、工場・物流施設などの新設が確認されている地域があります。

しかし、

「隣に工場がある」

「道路の反対側が住宅地になっている」

「近くで物流施設が建った」

という理由だけで、自分の農地も同じように利用できるとは判断できません。

農振農用地、市街化調整区域、地域計画、農地転用、開発許可などは、対象となる土地ごとに確認する必要があります。

土地の価値を考える際も「農地がいくらで売れるか」だけを見るのではなく、どの用途まで実現可能なのかを整理することが重要です。

農振除外後にも農地転用手続がある

農振除外は農地転用そのものではありません。

安城市では、農地を住宅、駐車場、資材置場など農地以外の用途に利用する場合、農地法上の手続が必要と案内しています。

所有者自身が転用する場合は農地法第4条、売買や賃貸借など権利移転を伴って転用する場合は第5条が関係します。

また、市街化区域内の農地については許可ではなく農業委員会への届出となるなど、対象地によって手続が異なります。

そのため、農地を売却する場合にも「農地として売るのか」「転用を前提として売るのか」で確認事項は変わります。

農地を売却・活用する前に不動産会社へ確認したいこと

農地について不動産会社へ相談する場合、単に査定価格だけを聞くのではなく、

「地域計画に入っているか」

「農振農用地なのか」

「市街化調整区域なのか」

「想定している用途が実現できる可能性があるか」

「農振除外・農地転用・開発許可のどこまで確認が必要か」

を整理してもらうと、その後の判断がしやすくなります。

農地の場合、「宅地になればいくら」という想定価格だけを先に出しても、その用途が実現できなければ意味がありません。

利用可能性を確認してから価格や売却方法を考えることが重要です。

ヒロセット不動産への相談について

安城市で農地、遊休地、市街化調整区域の土地などを所有している場合、まだ売却すると決めていない段階でも土地条件の整理はできます。

「相続した農地をどうするか決まっていない」

「将来、子どもの住宅を建てられる土地なのか知りたい」

「農地として残すか、売却や活用を考えるか迷っている」

「工場や資材置場として使える可能性があるのか知りたい」

といった段階でも構いません。

農地の場合は、最初から売却価格だけを判断するのではなく、所在地、地番、都市計画、農振農用地、地域計画、道路条件などを確認し、利用可能性を整理してから選択肢を比較します。

相続した実家に畑が含まれる場合まず「宅地」と「農地」を分けて現状を整理する →農振除外や転用を考える前段階として、地番・名義・現況・農地としての扱いを分けて確認する相談モデルケースです。

まとめ|2027年2月の受付再開を待つ前に「土地の位置付け」を確認する

安城市では2026年9月18日、農振除外等に伴う地域計画変更の手続が明確に示されました。

地域計画区域内の農地について農振除外等を行う場合は、農務課への相談、農用地利用改善組合との協議、地域との協議を経て、地域計画変更申出を行う必要があります。

一方、農振除外等の受付は現在停止されており、2027年2月22日締切分から再開予定です。

ただし、地域計画変更、農振除外、農地転用はそれぞれ別の手続です。

農地を所有している方は、売却や建築を先に決めるのではなく、

自分の土地がどの制度・区域に入っていて、何ができる土地なのか

を確認することから始めると、その後の判断がしやすくなります。

よくある質問

Q.安城市では現在、農振除外を申請できますか?

現在は農業振興地域整備計画の見直しに伴い受付が停止されています。安城市は2027年2月22日締切分から受付を再開すると案内しています。ただし、法手続等の進捗によって変更される可能性があるため、申出前に最新情報の確認が必要です。

Q.地域計画変更が認められれば農地を宅地にできますか?

地域計画変更だけでは宅地化できません。農振農用地であれば農振除外、農地を農業以外に利用する場合は農地法上の転用手続が必要になります。建物を建てる場合には都市計画法や建築基準法等の確認も必要です。

Q.地域計画変更はいつ申請できますか?

安城市が公表している申出期限は2月、5月、8月、11月の各20日です。閉庁日の場合は翌開庁日となります。地域との協議が必要なため、締切より十分前に農務課へ相談することが推奨されます。

Q.自分の農地が地域計画に入っているか確認できますか?

安城市は地区ごとの地域計画と目標地図を公開しています。ただし、境界付近など地図だけでは判断しにくい場合もあるため、具体的な転用・除外を検討している土地については地番をもとに農務課へ確認する方が確実です。

Q.まだ売却するか決めていなくても相談できますか?

できます。むしろ農地の場合、価格より先に地域計画、農振農用地、市街化区域・市街化調整区域、道路、農地転用などの条件を整理しておくことが重要です。売却・保有・農地利用・その他の活用を比較する材料になります。

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参考情報

安城市「農振除外等に伴う地域計画の変更について」
2026年9月18日更新。地域計画変更申出の期限、地域との協議、提出書類等が公表されています。

安城市「農業振興地域制度について」
農振除外受付停止、2027年2月22日締切分からの再開予定、農振除外要件等が確認できます。

安城市「地域計画」
地区別の地域計画・目標地図が公開されています。

安城市「農地を農地以外の用途にするには」
農地法第4条・第5条による農地転用手続等が確認できます。